2019年8月26日から9月8日(2019年第35、36週)にニューヨーク(アメリカ)で開催されるグランドスラム「全米オープン(USオープン)」の大会概要、歴代優勝者、大会日程、エントリー選手、ドロー表、放送予定を見ていきます。
また、出場予定の錦織圭の本大会での過去の成績も紹介します。
全米オープン(グランドスラム)
全米オープンは、アメリカ・ニューヨーク市郊外にあるフラッシング・メドウのUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで開催されるグランドスラム(テニス4大大会)の一つです。
大会概要
大会名 | 全米オープン (US Open) |
カテゴリ | グランドスラム |
開催期間 | 2019年8月26日 ~ 9月8日 |
開催地 | アメリカ/ニューヨーク |
会場 | USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター |
サーフェス | ハードコート |
ドロー | シングルス:128、ダブルス:64 |
賞金総額 (男子) | $28,619,350 (約30億4,400万円) |
日本との時差 | -13時間 (サマータイム中) |
全米オープン・男子シングルスのポイントと賞金を紹介します。
ラウンド | ポイント | 賞金 |
---|---|---|
優勝 | 2,000 | $3,850,000 (約4億870万円) |
準優勝 | 1,200 | $1,900,000 (約2億170万円) |
準決勝 | 720 | $960,000 (約1億190万円) |
準々決勝 | 360 | $500,000 (約5,310万円) |
4回戦 | 180 | $280,000 (約2,970万円) |
3回戦 | 90 | $163,000 (約1,730万円) |
2回戦 | 45 | $100,000 (約1,060万円) |
1回戦 | 10 | $58,000 (約620万円) |
※賞金(日本円)について、2019年8月16日時点での1ドル106.15円で換算。
歴代優勝者
全米オープンの過去10年の優勝者を紹介します。
大会のシングルス最多優勝記録は、ロジャー・フェデラーとジミー・コナーズ氏とピート・サンプラス氏の5回。(プロ選手の参加が認められた1968年以降)
・フェデラー:2004~2008
・サンプラス:1990、1993、1995、1996、2002
・コナーズ:1974、1976、1978、1982、1983
2018年は、決勝で第6シードのノバク・ジョコビッチが第3シードのフアン マルティン・デルポトロをセットカウント3-0(6-3、7-6、6-3)で破り、全米オープン3年ぶり3回目の優勝を飾りました。(2018年の結果はこちら)
年 | 優勝者 |
---|---|
2018 | ノバク・ジョコビッチ |
2017 | ラファエル・ナダル |
2016 | スタン・ワウリンカ |
2015 | ノバク・ジョコビッチ |
2014 | マリン・チリッチ |
2013 | ラファエル・ナダル |
2012 | アンディ・マレー |
2011 | ノバク・ジョコビッチ |
2010 | ラファエル・ナダル |
2009 | フアン マルティン・デルポトロ |
大会日程
8月19日(月)から8月23日(金)に予選が行われます。
本戦は8月26日(月) から始まり、9月7日(土)に女子シングルスの決勝、9月8日(日)に男子シングルスの決勝が行われます。
日付 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
8月26日(月) | 1回戦 | 1回戦 |
8月27日(火) | 1回戦 | 1回戦 |
8月28日(水) | 2回戦 | 2回戦 |
8月29日(木) | 2回戦 | 2回戦 |
8月30日(金) | 3回戦 | 3回戦 |
8月31日(土) | 3回戦 | 3回戦 |
9月1日(日) | 4回戦 | 4回戦 |
9月2日(月) | 4回戦 | 4回戦 |
9月3日(火) | 準々決勝 | 準々決勝 |
9月4日(水) | 準々決勝 | 準々決勝 |
9月5日(木) | – | 準決勝 |
9月6日(金) | 準決勝 | – |
9月7日(土) | 決勝 | |
9月8日(日) | 決勝 | – |
<決勝のスケジュール>
9月6日(金):男子ダブルス決勝
9月7日(土):ミックスダブルス決勝、女子シングルス決勝
9月8日(日):女子ダブルス決勝、男子シングルス決勝
エントリー選手
全米オープンに出場予定のランキング上位50+αの選手(51位以下は省略)、各選手の2018年の同大会での結果を紹介します。
日本勢からは錦織圭、西岡良仁が出場予定。
(予選にはダニエル太郎、内山靖崇、伊藤竜馬、添田豪、杉田祐一、守屋宏紀、綿貫陽介が出場予定)
<シングルスの出場枠 128>
・本戦ストレートイン (DA):104名
・ワイルドカード (WC):8名
・予選通過者 (Q):16名
・Special Exempt (SE):0名
ランキング上位32名にシードが与えられます。
<欠場者の情報>
デルポトロ、マクドナルドは欠場となりました。
シード | 選手名 | Rank | 2018年 |
---|---|---|---|
1 | ノバク・ジョコビッチ | 1位 | 優勝 |
2 | ラファエル・ナダル | 2位 | ベスト4 |
3 | ロジャー・フェデラー | 3位 | 4回戦 |
4 | ドミニク・ティーム | 4位 | ベスト8 |
5 | ダニール・メドベージェフ | 5位 | 3回戦 |
6 | アレクサンダー・ズベレフ | 6位 | 3回戦 |
7 | 錦織 圭 | 7位 | ベスト4 |
8 | ステファノス・チチパス | 8位 | 2回戦 |
9 | カレン・ハチャノフ | 9位 | 3回戦 |
10 | ロベルト・バウティスタ アグート | 10位 | 1回戦 |
11 | ファビオ・フォニーニ | 11位 | 2回戦 |
12 | ボルナ・チョリッチ | 12位 | 4回戦 |
13 | ガエル・モンフィス | 13位 | 2回戦 |
14 | ジョン・イズナー | 14位 | ベスト8 |
15 | ダビド・ゴファン | 15位 | 4回戦 |
– | フアン マルティン・デルポトロ | 16位 | 準優勝 |
16 | ケビン・アンダーソン | 17位 | 4回戦 |
17 | ニコロズ・バシラシビリ | 18位 | 4回戦 |
18 | フェリックス・オジェ アリアシム | 19位 | 1回戦 |
19 | ギド・ペラ | 20位 | 3回戦 |
20 | ディエゴ・シュワルツマン | 21位 | 3回戦 |
21 | ミロシュ・ラオニッチ | 22位 | 4回戦 |
22 | マリン・チリッチ | 23位 | ベスト8 |
23 | スタン・ワウリンカ | 24位 | 3回戦 |
24 | マッテオ・ベレッティーニ | 25位 | 1回戦 |
25 | リュカ・プイユ | 26位 | 3回戦 |
26 | テイラー・フリッツ | 27位 | 3回戦 |
27 | ドゥシャン・ラヨビッチ | 28位 | 3回戦 |
28 | ニック・キリオス | 29位 | 3回戦 |
29 | ブノワ・ペール | 30位 | 2回戦 |
30 | カイル・エドマンド | 31位 | 1回戦 |
31 | クリスチャン・ガリン | 32位 | 予選1回戦 |
32 | フェルナンド・ベルダスコ | 33位 | 3回戦 |
リシャール・ガスケ | 34位 | 3回戦 | |
ヤン レナード・シュトルフ | 35位 | 3回戦 | |
アレックス・デミノー | 36位 | 3回戦 | |
ラスロ・ジェレ | 37位 | 2回戦 | |
デニス・シャポバロフ | 38位 | 3回戦 | |
ジル・シモン | 39位 | 2回戦 | |
ラドゥ・アルボット | 40位 | 1回戦 | |
フベルト・フルカチ | 41位 | 2回戦 | |
ライリー・オペルカ | 42位 | 予選1回戦 | |
ジョアン・ソウザ | 43位 | 4回戦 | |
ミハイル・ククシュキン | 44位 | 3回戦 | |
ピエール ユーグ・エルベール | 45位 | 2回戦 | |
サム・クエリー | 46位 | 1回戦 | |
アンドレイ・ルブレフ | 47位 | 1回戦 | |
ロレンツォ・ソネゴ | 48位 | 2回戦 | |
ミオミル・ケツマノビッチ | 49位 | 予選2回戦 | |
アルベルト・ラモス ビノラス | 50位 | 1回戦 | |
西岡 良仁 | 59位 | 1回戦 | |
パブロ・カレーニョ ブスタ | 64位 | 2回戦 | |
ジョーウィルフリード・ツォンガ | 66位 | – | |
グリゴール・ディミトロフ | 78位 | 1回戦 | |
トマーシュ・ベルディヒ (PR) | 101位 | – |
PR:プロテクトランキング
Rank:2019年8月19日付の世界ランキング
ドロー表
ドローセレモニー:現地時間8月22日(木)12時、日本時間8月23日(金)1時からの予定。
男子シングルス ドロー表
男子シングルスのドローPDF版はこちら
男子シングルスの第1シードから第8シードまでのドローは次のようになりました。
<トップハーフ>
[1] ジョコビッチ – メドベージェフ [5]
[3] フェデラー – 錦織 [7]
<ボトムハーフ>
[4] ティーム – チチパス [8]
[2] ナダル – ズベレフ [6]
日本勢では第7シードの錦織はトップハーフのフェデラー山、西岡はトップハーフのジョコビッチ山に入り、1回戦で錦織は予選勝者のマルコ・トルンゲリティ(29歳・アルゼンチン・205位)、西岡はマルコス・ギロン(26歳・アメリカ・155位)との対戦が決まりました。
男子シングルスはトップハーフから先に試合が行われ、トップハーフ(錦織と西岡)の1回戦は大会1日目、ボトムハーフの1回戦は大会2日目となります。
<withdraw>
第16シードのアンダーソンが棄権となり、ラッキールーザーでパオロ・ロレンツィが出場。
第21シードのラオニッチが棄権となり、ラッキールーザーでカミル・マイクシャクが出場。
女子シングルス ドロー表
女子シングルスのドローPDF版はこちら
女子シングルスの第1シードから第8シードまでのドローは次のようになりました。
<トップハーフ>
[1] 大坂 – ベルテンス [7]
[4] ハレプ – クビトバ [6]
<ボトムハーフ>
[3] Ka.プリスコバ – スビトリーナ [5]
[2] バーティ – S.ウイリアムズ [8]
日本勢では、1回戦で第1シードの大坂はアンナ・ブリンコバ(20歳・ロシア・93位)、土居は第10シードのマディソン・キーズ(24歳・アメリカ・10位)との対戦が決まりました。
女子シングルスはボトムハーフから先に試合が行われ、ボトムハーフ(土居)の1回戦は大会1日目、トップハーフ(大坂)の1回戦は大会2日目となります。
全米オープンの結果
2019年全米オープンの1回戦から決勝までの結果です。
結果の記事では各ラウンド終了時の暫定ランキング(ポイント)も紹介する予定です。
・全米オープン「2回戦」の結果
・全米オープン「3回戦」の結果
・全米オープン「4回戦」の結果
・全米オープン「準々決勝」の結果
・全米オープン「準決勝」の結果
・全米オープン「決勝」の結果
錦織圭と大坂なおみの全米オープンの試合結果です。
放送予定
WOWOW、WOWOWメンバーズオンデマンドでの放送・配信が予定されています。
WOWOW
WOWOWでは、1回戦から決勝までを連日生中継で放送予定。(大会初日は無料放送)
また、WOWOWメンバーズオンデマンドでは、「ピックアップコートチャンネル」にてテレビで未放送の試合もライブ配信されます。
日付 | ラウンド | 開始時間 |
---|---|---|
8月26日(月) | 1回戦 (男女S) | 23:55~ |
8月28日(水) | 1回戦 (男女S) | 0:00~ |
8月29日(木) | 2回戦 (男女S) | 0:00~ |
8月30日(金) | 2回戦 (男女S) | 0:00~ |
8月31日(土) | 3回戦 (男女S) | 0:00~ |
9月1日(日) | 3回戦 (男女S) | 0:00~ |
9月2日(月) | 4回戦 (男女S) | 0:00~ |
9月3日(火) | 4回戦 (男女S) | 0:00~ |
9月4日(水) | 準々決勝 (男女S) | 0:55~ |
9月5日(木) | 準々決勝 (男女S) | 0:55~ |
9月6日(金) | 準決勝 (女子S) | 7:55~ |
9月7日(土) | 決勝 (男子D) | 0:55~ |
9月7日(土) | 準決勝 (男子S) | 4:55~ |
9月8日(日) | 決勝 (MX) | 0:55~ |
9月8日(日) | 決勝 (女子S) | 4:45~ |
9月9日(月) | 決勝 (女子D) | 1:55~ |
9月9日(月) | 決勝 (男子S) | 4:45~ |
・S:シングルス、D:ダブルス、MX:ミックスダブルス
錦織の過去の成績
錦織の全米オープンでの過去の成績を紹介します。
最高成績は2014年の準優勝。
錦織は2016年と2018年にベスト4となるなど偶数年に好成績を残していますが、なぜか奇数年になると1回戦敗退や怪我で欠場となるなど結果が残せない状況が続いています。
年 | ラウンド | 対戦相手 | Rank |
---|---|---|---|
2018 | 準決勝 | ノバク・ジョコビッチ | 6 |
2017 | – | – | – |
2016 | 準決勝 | スタン・ワウリンカ | 3 |
2015 | 1回戦 | ブノワ・ペール | 41 |
2014 | 準優勝 | マリン・チリッチ | 16 |
2013 | 1回戦 | ダニエル・エバンス | 179 |
2012 | 3回戦 | マリン・チリッチ | 13 |
2011 | 1回戦 | フラビオ・チポラ (試合途中で棄権) | 108 |
2010 | 3回戦 | アルベルト・モンタネス (試合途中で棄権) | 23 |
2009 | – | – | |
2008 | 4回戦 | フアン マルティン・デルポトロ | 17 |
2007 | 予選2回戦 | ビヨン・パウ | 150 |
※Rank:対戦相手の当時の世界ランキング
2018年の錦織は第21シードで出場し、1回戦でマーテラー、2回戦でモンフィス、3回戦で第13シードのシュワルツマン、4回戦でコールシュライバーを破り、準々決勝に進出。
準々決勝では第7シードのチリッチが立ち上がりからすばらしいプレーを続け、2014年の全米オープン決勝を思い起こさせるような試合展開となりましたが、第2セットの途中でチリッチが隙を見せたところで錦織が反撃に出て、一進一退の展開へ。
ファイナルセットに入り、どちらが勝ってもおかしくない状況となる中、第10ゲームで集中力を高めた錦織がすばらしいリターンを連発し、最後はリターンエースを決めて錦織が勝利。
準決勝では第6シードのジョコビッチとの対戦となりましたが、終始ジョコビッチが主導権を握って試合を進め、錦織相手にまたしても強さを見せつけたジョコビッチがストレートで勝利。
ラウンド | 対戦相手 | Rank | スコア |
---|---|---|---|
準決勝 | ノバク・ジョコビッチ | 6 | 3-6, 4-6, 2-6 |
準々決勝 | マリン・チリッチ | 7 | 2-6, 6-4, 7-6(5), 4-6, 6-4 |
4回戦 | フィリップ・コールシュライバー | 34 | 6-3, 6-2, 7-5 |
3回戦 | ディエゴ・シュワルツマン | 13 | 6-4, 6-4, 5-7, 6-1 |
2回戦 | ガエル・モンフィス | 39 | 6-2, 5-4 (RET) |
1回戦 | マクシミリアン・マーテラー | 50 | 6-2, 6-2, 6-3 |
今年の錦織は前哨戦のマスターズ2連戦でどちらも初戦敗退となり、心配されていた右肘の痛みだけでなく、ウィンブルドン後から呼吸がしづらい状態が続いているようで体調面でも不安を残す中で全米オープンに挑むことになります。
2018年も錦織は前哨戦で早期敗退となったもののこの時は怪我ではなくプレーが安定しないという状態でしたが、今年は怪我(痛み)と体調不良、しかもなぜか結果が出ていない奇数年ということもあり、明るい材料を見つけるのが難しいです…。
錦織は昨年のウィンブルドンからグランドスラム5大会連続でベスト8以上の結果を残しており、今大会でもまたグランドスラムでの錦織の勝負強さが発揮されることを期待したいところです。
最後に
全米オープンでもジョコビッチ、ナダル、フェデラーのビッグ3が優勝候補になりますが、他の選手にとってはグランドスラムの5セットマッチでビッグ3に勝つこと自体が大変な上に、優勝するにはビッグ3を2人以上倒さなければいけない厳しい状況です。(ウィンブルドンの時にも同じことを書きましたが、ビッグ3が当然のようにベスト4に残り、ジョコビッチが優勝)
現在、若手の中ではメドベージェフとチチパスがビッグ3に対抗できそうではありますが、チチパスは全仏オープン後に6大会中4大会で初戦敗退となるなど、シーズン前半の連戦による疲労でパフォーマンスが落ちているので、もう一度調子を上げて来られるかという状況です。
そして、ハードコートでビッグ3の次に強さを見せているメドベージェフは、前週のウエスタン&サザン・オープンでジョコビッチを破る活躍を見せてマスターズ初優勝を果たしましたが、シティ・オープンから3週連続で決勝まで戦っており、全米オープンに向けてはフィジカル面だけが心配です。
他にランキング上位の選手を見ると、伸び悩んでいる選手、調子の波が激しく安定感に欠ける選手、怪我や体調に不安のある選手が多く、シードダウンの方が心配ではありますが、31歳で初のトップ10入りを果たすなど今シーズン絶好調のバウティスタ アグートが怖い存在となりそうです。
準決勝、決勝でビッグ3によるハイレベルな試合も見たいですが、ビッグ3を倒してグランドスラムを優勝する選手が出てくるのか注目して見て行きたいです。
コメント
錦織・大坂がトップハーフにはいったということは、大会1日目・3日目…と登場してくるということでしょうか?
男子および女子のトップハーフ、ボトムハーフどちらから先に試合が行われるかはまだ公式に発表されていないので、分かり次第記事に追記します。
<追記>
大会1日目に男子トップハーフと女子ボトムハーフの1回戦、、大会2日目に男子ボトムハーフと女子トップハーフの1回戦が行われることが決まりました。
錦織と大坂が勝ち進んで行った場合、大会1日目に錦織、2日目に大坂、3日目に錦織、4日目に大坂、・・・が登場となります。