2017年マイアミ・オープン(マイアミ)の2回戦、錦織選手の対戦相手は、世界ランキング74位のケビン・アンダーソン選手。
錦織選手のマイアミ・オープン2回戦のプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に3回戦の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(2回戦)
錦織選手とケビン・アンダーソン選手のプレイヤーデータの紹介です。
※大会前の2017年3月20日時点のデータ
錦織 圭 | アンダーソン | |
2勝 | 対戦成績 | 1勝 |
4位(4位) | 最新ランキング(最高) | 74位(10位) |
日本 | 国籍 | 南アフリカ共和国 |
27歳 | 年齢 | 30歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1986年5月18日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 203cm / 89kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2007年 |
12勝5敗 | 2017年成績 | 1勝3敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
313勝147敗 | 通算成績 | 240勝183敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 3回 |
選手名鑑『ケビン・アンダーソン』では、アンダーソン選手の選手紹介やツアー経歴など詳しく紹介しています。

錦織、2回戦の結果
雨により3時間近く遅れて始まった錦織選手の2回戦。
そして、強風の中での試合となりましたが、錦織選手がこの強風とアンダーソン選手のサービスにしっかり対応し、見事ストレートで勝利。
[2] 錦織 圭(4位) | 2 | 6 | 6 | |
ケビン・アンダーソン(74位) | 0 | 4 | 3 | |
試合時間:1時間28分 |
---|
強風の中での試合ということで、錦織選手のサーブとストロークにどれくらい影響するのかと心配もありましたが、錦織選手が第5ゲームにブレイクに成功すると、安定したサービスゲームもあり、そのまま第1セットを先取。
第2セットに入っても錦織選手が主導権を握る展開が続き、危なげなく試合を進めストレートで勝利。
この試合のスタッツを見てみます。
錦織選手のサービスゲームの組み立てが非常によく、アンダーソン選手にブレイクポイントを1度も与えない完璧な内容でした。
ビッグサーバーのアンダーソン選手のサービスに対して、錦織選手はリターンゲームでも高い集中力を見せていました。
アンダーソン選手のフラットサーブに対する錦織選手の反応のよさ、大きく跳ねるスピンサーブにも錦織選手が試合の中でタイミングを修正していくなど、リターンもよかったです。
サービスゲームでリズムを作って、それがリターンにもつながるという、いい流れで試合を運べていました。
錦織 | 試合全体 | アンダーソン |
1 | サービスエース | 8 |
1 | ダブルフォルト | 4 |
63%(29/46) | ファーストサーブ確率 | 60%(40/67) |
86%(25/29) | 1st Serve Points Won | 73%(29/40) |
65%(11/17) | 2nd Serve Points Won | 41%(11/27) |
50%(3/6) | ブレイク / チャンス | 0%(0/0) |
1/2 | ネットポイント | 3/7 |
56%(63/113) | Total Points Won | 44%(50/113) |
990m | Total Distance Run | 996m |
10 | Winner 合計 | 15 |
6 | フォアハンド | 5 |
3 | バックハンド | 0 |
1 | サーブ | 10 |
12 | Unforced error 合計 | 26 |
6 | フォアハンド | 10 |
5 | バックハンド | 12 |
1 | サーブ | 4 |
[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
Total Distance Run:総走行距離
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
アンダーソンのサービスで試合開始。
第1ゲーム、錦織が立ち上がりから攻撃を仕掛け、15-40と錦織にブレイクチャンス。
アンダーソンがこのピンチを凌いでキープ。
第2ゲーム、錦織がファーストサーブをしっかり入れ、あっさりキープ。
第3ゲーム、アンダーソンがキープ。
第4ゲーム、最初のポイントでいきなりダブルフォルトとなりましたが、その後は4連続ポイントで錦織がキープ。
第5ゲーム、錦織のリターンがよく、ストローク戦に持ち込んでデュースへ。
アンダーソンのキックサーブをしっかり叩き、錦織にブレイクチャンス。
最後も深いリターンからポイントにつなげ、錦織がブレイクに成功。
第6ゲーム、ブレイク直後のサービスゲームを、錦織がしっかりキープ。
第7ゲーム、30-40と錦織にブレイクチャンス。
アンダーソンがこれをサービスエースで凌ぎ、なんとかキープ。
第8ゲーム、錦織がキープ。
第9ゲーム、アンダーソンがキープ。
第10ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
40-15と錦織のセットポイント。
最後はファーストサーブでフリーポイントを取り、第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
アンダーソン | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織のリターンで、アンダーソンの大きく跳ねるセカンドサーブに対してタイミングが合わない場面が見られましたが、ゲームを重ねるごとにしっかりと修正。
錦織のストロークのミスも少なく、ストローク勝負になれば錦織が主導権を握る展開となりました。
錦織 | 第1セット | アンダーソン |
1 | サービスエース | 6 |
1 | ダブルフォルト | 2 |
68%(17/25) | ファーストサーブ確率 | 54%(20/37) |
88%(15/17) | 1st Serve Points Won | 75%(15/20) |
63%(5/8) | 2nd Serve Points Won | 41%(7/17) |
25%(1/4) | ブレイク / チャンス | 0%(0/0) |
1/1 | ネットポイント | 1/3 |
56%(35/62) | Total Points Won | 44%(27/62) |
5 | Winner 合計 | 11 |
3 | フォアハンド | 4 |
1 | バックハンド | 0 |
1 | サーブ | 7 |
6 | Unforced error 合計 | 15 |
2 | フォアハンド | 4 |
3 | バックハンド | 9 |
1 | サーブ | 2 |
第2セット
アンダーソンのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、アンダーソンがキープ。
ここで小雨が降り、5分ほど間が空きます。
第2ゲーム、間が空きましたが、錦織がしっかりとキープ。
第3ゲーム、40-30とアンダーソンのゲームポイントから錦織の連続ウィナーで、錦織にブレイクチャンス。
最後も錦織のバックハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、錦織がブレイクに成功。
第4ゲーム、ブレイク後の大事なサービスゲーム。錦織がキープ。
第5ゲーム、アンダーソンがキープ。
第6ゲーム、錦織がキープ。
第7ゲーム、アンダーソンがラブゲームでキープ。
第8ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第9ゲーム、錦織のリターンがよく、アンダーソンのサービスにプレッシャーがかかります。
40-30からダブルフォルトでデュースへ。
次のポイントでアンダーソンにミスが出て、錦織にマッチポイント。
最後はサーブ&ボレーに出たアンダーソンでしたが、ボレーを決めきれず、錦織がストレートで勝利。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● | – | – | – | 6 | |||
アンダーソン | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第2セットでも錦織は、アンダーソンにブレイクポイントを与えない完璧なサービスゲームを展開。
ブレイクに成功した第3ゲームでは、錦織のバックハンドのダウンザラインへのウィナーが2本と、フォアハンドのウィナーが1本。
勝負どころでの錦織のギアの上げ方はさすがでした。
錦織 | 第2セット | アンダーソン |
0 | サービスエース | 2 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
57%(12/21) | ファーストサーブ確率 | 67%(20/30) |
83%(10/12) | 1st Serve Points Won | 70%(14/20) |
67%(6/9) | 2nd Serve Points Won | 40%(4/10) |
100%(2/2) | ブレイク / チャンス | 0%(0/0) |
0/1 | ネットポイント | 2/4 |
55%(28/51) | Total Points Won | 45%(23/51) |
5 | Winner 合計 | 4 |
3 | フォアハンド | 1 |
2 | バックハンド | 0 |
0 | サーブ | 3 |
6 | Unforced error 合計 | 11 |
4 | フォアハンド | 6 |
2 | バックハンド | 3 |
0 | サーブ | 2 |
2回戦を振り返って
まずはアンダーソン選手について。
ビッグサーバーでストロークもいいアンダーソン選手。
怪我をする前の2015年の強かった頃のイメージがあるので、初戦としては危険な選手だなと思っていました。
しかし、怪我から復帰後に結果が出ずランキングも下げている通り、アンダーソン選手は当時のプレーと比べると、ほど遠い出来でした。
トップ10入りをするなどいい状態のときに怪我をして、なおかつ30歳を迎えているなど、肉体的にもメンタル的にも浮上するきっかけをつかめず苦労しているのかもしれません。
そして、得意のマイアミでの大事な初戦だった錦織選手ですが、ここに向けてしっかりと準備ができていたようで、強風の中でも危なげなく勝ち上がってくれました。
ストロークに関して、強風の影響で思いっきり行けない部分もあったかもしれませんが、ミスの多かったアンダーソンにミスをさせる展開に持ち込んで、しっかり勝ちに結びつける戦いをしている感じでした。
錦織選手も試合後にコメントしている通り、ほとんど完璧な内容だったと思います。
錦織、3回戦の相手は!?
錦織選手の3回戦の相手は、第25シードのフェルナンド・ベルダスコ選手。
過去の対戦成績は、錦織選手の2勝2敗。
直近の試合は、2016年の全仏オープン3回戦。
フルセットの末に錦織選手が勝利しましたが、2セットアップとリードしたところから、ベルダスコ選手の強打連発に大苦戦という内容でした。

ベルダスコ選手があの時のような強打を連発する作戦に出て、それが決まりまくる展開だと危険ですが、錦織選手は自身のサービスゲームをしっかりとキープして、2回戦同様にリターンで相手にプレッシャーをかけ続ける展開に持って行きたいところです。
錦織山ではシードダウンが相次いでいるため、準決勝に進むまでの過程でここが一番厳しい戦いになるかもしれません。
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