ATPランキングの仕組みについて解説


はじめに、ATP(Association of Tennis Professionals)とは男子プロテニスツアーを運営する団体「男子プロテニス協会」のことで、ATPランキングは男子テニスの世界ランキングのことを指します。

例えば、ATPランキングで1位になったときは、一般に「世界ランキング1位」という表現が使われています。

ちなみに女子テニスの世界ランキングはWTAランキング。(女子テニス協会:Women’s Tennis Association)

それでは、ATPランキングの仕組みとATPツアーの各大会の獲得ポイントについて説明していきます。

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男子テニスのランキングの仕組み

男子テニスのランキングには、「ATPランキング」と「ATPレースランキング」の2つがあります。

ATPランキング

「世界ランキング」のことで、直近52週間(約1年間)に出場した大会のうち獲得したポイントの高い上位18大会のポイントの合計でランキングが決まり、ATPツアー最終戦のNitto ATPファイナルズに出場した選手は、この18大会とは別に19番目の大会としてポイントが加算されます。

2人以上の選手の合計ポイントが同じだった場合、グランドスラム、マスターズ1000、ATPファイナルズの合計ポイントが高い順にランキングが決まります。(これ以下の条件は省略)

獲得したポイントの期限

各大会で獲得したポイントは獲得した日からシーズンをまたいで継続され、獲得してから52週(約1年)後の月曜日にポイントが失効します。

ATPファイナルズのポイントについては、翌年のレギュラーシーズン最後の大会(現在、パリ・マスターズ)後の月曜日にポイントが失効します。

ATPレースランキング

「ATP Ranking Race to London」のことで、1月1日からポイント「0」でスタートし、レギュラーシーズン終了までに出場した大会のうち獲得したポイントの高い上位18大会のポイントの合計でランキングが決まります。

そして、ATPレースランキングで上位8名に入った選手は、ATPツアー最終戦のNitto ATPファイナルズに出場することできます。

※ただし、グランドスラムの優勝者が上位8位に入っていない場合は、該当者にATPファイナルズへの出場権が与えられ、ATPレースランキング8位の選手はATPファイナルズに出場できません。

ランキングの対象となる18大会について

ATPランキングおよびATPレースランキングの対象となる18大会は、コミットメントプレーヤー(前年のATPランキングが30位以内だった選手)かそうでないかで内訳が異なります。

コミットメントプレーヤー

グランドスラムの4大会、モンテカルロ・マスターズを除くマスターズ1000の8大会、ATP500とATP250と下部ツアーの中で獲得したポイントが高い上位6大会の計18大会。

※コミットメントプレーヤーの出場義務については、この後説明します。

コミットメントプレーヤーではない選手

獲得ポイントが高かった上位18大会。

ただし、グランドスラムやマスターズ1000(モンテカルロ・マスターズを除く)の本戦のドローに入った場合は、獲得したポイントが低くてもランキングの対象となる18大会にカウントされます。

コミットメントプレーヤーではなくてもグランドスラムやマスターズ1000の本戦にストレートインできるランキングにいる選手は、18大会のうち最大12大会をグランドスラムやマスターズ1000の大会で埋めることになるため、ランキングを上げて行くにはこれらの大きな大会で上位の選手(シードの選手)を破って結果を残していく必要があります。

ランキング30~50位で伸び悩む選手も多く、トップ30に入れるかどうかのあたりが一つの壁になっています。

コミットメントプレーヤーの出場義務について

コミットメントプレーヤー(前年のATPランキングが30位以内だった選手)には、以下の大会への出場が義務付けられています。

  • グランドスラム
  • 全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンの4大会すべて

  • マスターズ1000
  • 全9大会のうちモンテカルロ・マスターズを除く8大会

  • ATP500
  • 全13大会のうち4大会

    ※マスターズ1000のモンテカルロ・マスターズに出場した場合は、ATP500の大会としてカウントされます。

    また、出場義務であるこの4大会のうち1大会は、全米オープン後に開催される以下の大会であること。

    ・チャイナ・オープン(中国/北京)
    ・楽天ジャパン・オープン(日本/東京)
    ・スイス・インドア(スイス/バーゼル)
    ・エルステ・バンク・オープン(オーストリア/ウィーン)

出場義務の大会を欠場した場合、その大会は「0ポイント」としてランキング対象の18大会に強制加算されます。

ただし、マスターズ1000の大会については、以下の条件を1つ満たすごとに1大会の出場義務が免除され、3つの条件をすべて満たした選手はマスターズ1000の全大会の出場義務が免除されます。

<出場義務免除の条件>
・通算600試合出場
・年間12大会以上出場した年から12年プレー
・満31歳に達すること

このようにベテラン選手への負担を考慮した条件もありますが、それでもトップ選手はランキングを維持するために過密スケジュールをこなし、ポイントの高いグランドスラムやマスターズ1000の大会で結果も残し続ける必要があります。


ATPツアーの各大会の獲得ポイント

ランキングを決めるポイントについて、大会のカテゴリおよび各大会での成績によって獲得できるポイントが決まっています。

<ポイント一覧>
カテゴリ ドロー 優勝 準優勝 SF QF R16 R32 R64 R128 Q
グランドスラム 128 2000 1200 720 360 180 90 45 10 25
ATPファイナルズ 8 1500
max
決勝で勝利「+500」、準決勝で勝利「+400」
ラウンドロビン1勝につき「+200」
マスターズ1000 96 1000 600 360 180 90 45 25 10 16
56/48 10 25
ATP500 48 500 300 180 90 45 20 0 10
32 0 20
ATP250 48 250 150 90 45 20 10 0 10
32/28 0 12

<表の補足>
・SF:Semi-final、ベスト4
・QF:Quarter-final、ベスト8
・R16~R128:ベスト16~ベスト128
・Q:予選通過

1回戦を免除されたシードの選手が2回戦で初戦敗退となった場合、獲得ポイントは2回戦ではなく、1回戦のポイントとなります。

例えば、マスターズ1000の大会(ドロー56/48)で1回戦を免除されたシードの選手が2回戦で敗退した場合、獲得ポイントはR32の「45」ではなくR64の「10」となります。

ドロー数が大きい大会や予選のポイントについて、カテゴリ別にもう少し詳しく見ていきます。

グランドスラム(4大会)

グランドスラムのドロー数はすべて128。

ドロー 優勝 準優勝 SF QF R16 R32 R64 R128 Q Q3 Q2 Q1
128 2000 1200 720 360 180 90 45 10 25 16 8 0

<表の補足>
Q:予選通過(予選3回戦で勝利)
Q3:予選3回戦
Q2:予選2回戦
Q1:予選1回戦

予選通過者は本戦でのポイントに加え、予選「Q」のポイントも加算されます。

ATPファイナルズ

8名の選手が4人ずつの2つのグループ(グループAとグループB)に分かれて「ラウンドロビン」と呼ばれる総当り戦を行い、各グループの成績上位2名が準決勝に進出。

グループAの1位とグループBの2位、グループBの1位とグループAの2位による準決勝を行い、勝者が決勝に進出。

  • ラウンドロビン
  • ラウンドロビン1勝ごとに「200」ポイント獲得。

  • 準決勝
  • 準決勝で勝利すると「400」ポイント獲得。

  • 決勝
  • 決勝で勝利すると「500」ポイント獲得。

全勝で優勝すると1,500ポイントを獲得。
(200×3)+400+500=1,500

マスターズ1000(9大会)

マスターズ1000には3種類のドロー数の大会があり、本選のドロー数によって獲得ポイントが異なります。

  • ドロー数96の大会
  • BNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)とマイアミ・オープン(マイアミ)の2大会

  • ドロー数56と48の大会
  • パリ・マスターズ(パリ)がドロー数48で、残り6大会はドロー数56

ドロー 優勝 準優勝 SF QF R16 R32 R64 R128 Q Q2 Q1
96 1000 600 360 180 90 45 25 10 16 8 0
56/48 10 25 16 0

<表の補足>
Q:予選通過(予選2回戦で勝利)
Q2:予選2回戦
Q1:予選1回戦

予選通過者は本戦でのポイントに加え、予選「Q」のポイントも加算されます。

ATP500(13大会)

ATP500には2種類のドロー数の大会があり、本選のドロー数によって獲得ポイントが異なります。

  • ドロー数48の大会
  • バルセロナ・オープン(バルセロナ)とシティ・オープン(ワシントンD.C.)の2大会

  • ドロー数32の大会
  • 残り11大会

ドロー 優勝 準優勝 SF QF R16 R32 R64 Q Q2 Q1
48 500 300 180 90 45 20 0 10 4 0
32 0 20 10 0

ATP250(39大会)

ATP250には3種類のドロー数の大会があり、本選のドロー数によって獲得ポイントが異なります。

  • ドロー数48の大会
  • ウィンストン セーラム・オープン

  • ドロー数32と28の大会
  • 残り38大会

ドロー 優勝 準優勝 SF QF R16 R32 R64 Q Q2 Q1
48 250 150 90 45 20 10 0 5 3 0
32/28 0 12 6 0

下部ツアー

下部ツアーである「ATPチャレンジャー・ツアー」と「フューチャーズ」のポイントについては、省略させていただきます。

ランキングが低い選手は、下部ツアーの大会でポイントを稼いでランキングを上げてから、上位のツアーにステップアップしていく形になります。

デビスカップとオリンピック

デビスカップとオリンピックは、2016年よりATPランキングのポイント対象外となっています。

最後に

ここまでATPランキングの仕組みについて解説してきましたが、これらの仕組みをもとに算出されたATPランキングは毎週月曜日に発表されています。(グランドスラムとマスターズ1000のインディアンウェルズとマイアミの大会の開催期間中の月曜日は更新されません。)

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