【ブリスベン国際】準決勝「錦織 vs ワウリンカ」の結果(2017年)


2017年ブリスベン国際の準決勝について、錦織選手とワウリンカ選手のプレイヤー情報、準決勝の結果とスタッツを見ていきます。

2017年ブリスベン国際の大会結果については、『 2017年ブリスベン国際、大会結果 』をご覧ください。

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プレイヤー情報(準決勝)

まずは、対戦両者のプレイヤーデータの紹介です。(※大会前のデータ)

世界ランキング3位争いをしているライバル、ワウリンカ選手。
是が非でも勝ちたい試合です。

錦織 圭 ワウリンカ
3勝 対戦成績 4勝
5位(4位) 最新ランキング(最高) 4位(3位)
日本 国籍 スイス
27歳 年齢 31歳
178cm / 75kg 身長 / 体重 183cm / 81kg
右 / 両手 利き手 / バック 右 / 片手
2007年 プロ転向 2002年
0勝0敗 2017年成績 0勝0敗
0回 2017年優勝回数 0回
301勝142敗 通算成績 439勝251敗
11回 通算優勝回数 15回

対戦相手のワウリンカ選手の情報、錦織選手との対戦成績の詳細は、『 選手名鑑:スタン・ワウリンカ 』をご覧ください。

※以下、結果の記事ついては、「選手」を略して、書いていきます。

錦織、準決勝の結果

ブリスベン国際 準決勝(2017年1月7日)
[3] 錦織 圭(5位) 2 77 6
[2] スタン・ワウリンカ(4位) 0 63 3
試合時間:1時間42分

世界ランキングを争うライバルで、お互い負けられない試合となりましたが、セットカウント2-0のストレートで錦織が勝利。

ブリスベン国際で初の決勝進出!!

1試合を通して錦織のファーストサーブの確率が高く、確率重視で試合を組み立てていく作戦だったのかもしれません。

ワウリンカのサーブの調子がよく、なかなかチャンスを作ることが難しい展開でしたが、絶対先に隙は見せない、錦織の勝負強さが見れた試合でした。

錦織 試合全体 ワウリンカ
1本 サービスエース 9本
1本 ダブルフォルト 2本
73%(56/77) ファーストサーブ確率 61%(37/61)
66%(37/56) 1st Serve Points Won 73%(27/37)
67%(14/21) 2nd Serve Points Won 42%(10/24)
27%(10/37) 1st Serve Return Points Won 34%(19/56)
58%(14/24) 2nd Serve Return Points Won 33%(7/21)
2/2 ブレイク / チャンス 1/5
54%(75/138) 取得ポイント合計 46%(63/138)

[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
1st Serve Return Points Won:相手のファーストサーブが入った時にリターンポイントを取得した確率。
2nd Serve Return Points Won:相手のセカンドサーブが入った時にリターンポイントを取得した確率。

錦織 Match Summary ワウリンカ
14 Winners 21
21 Unforced Errors 35
11/17 Net Points Won 8/10

※これら項目がATP公式ページに載ってないので、今回メモしたのを記載しています。

それでは、セットごとにどんな試合の流れだったか振り返っていきます。

第1セット

ワウリンカのサービスゲームで試合開始。

第1ゲーム、ワウリンカのバックハンドが強烈で、バックハンドのクロスラリーはワウリンカが上回る。
サービスエースが2本決まるなど、あっさりキープ。

第2ゲーム、お互いミスでポイントを取り合う形になりデュースへ。
錦織はいいショットと悪いショットが交互に出る感じで、なかなか連続してポイントが取れない状況が続くも、10分を超えるサービスゲームを何とかキープ。

ワウリンカの方もミスが出るなど、まだ安定感は見られない。ただ、ストロークが深いところに返ってきたり、鋭いショットをコースに決めたりと、これが決まり出すとかなり厄介なことになりそう。

第3ゲーム、ワウリンカのサーブは好調で、ラブゲームでキープ。

第4ゲーム、錦織はドロップショットを決めるなど、いい感じでラリーを組み立て始めるが、ワウリンカの強烈なバックハンドが飛び出すと、形勢が逆転してしまう。
このサービスゲームもデュースまでもつれるが、何とかキープ。

第5ゲーム、ワウリンカのファーストサーブが入った時に、錦織はまだ一度もポイントを取れていない。攻略の糸口が見えず、ワウリンカがキープ。

第6ゲーム、錦織のストロークが安定し、このゲームは楽にキープ。

第7ゲーム、ワウリンカのサーブが引き続き好調で、ラブゲームでキープ。

錦織はまったくチャンスが作れないが、自分のサービスをしっかりキープして、とにかく我慢していくしかない。

第8ゲーム、ストローク勝負になると錦織がポイントを取れるようになってきた。サーブアンドボレーを決めるなど、あっさりキープ。
しかし、錦織がスマッシュを打った後、膝を気にする仕草を見せる。ちょっと心配。

第9ゲーム、ワウリンカのミスが出るなど、0-30と初めてチャンスが訪れる。
ここからお互いすばらしいラリーを見せるが、ワウリンカが打ち勝つ。その後はサービスエースを決めるなど4連続でポイントを取り、ワウリンカがキープ。

第10ゲーム、錦織はこの試合で初めてのサービスエースを決めるなど、ストロークもよく、あっさりキープ。
第8ゲームで膝を気にする仕草を見せていたが、ここまで見る限り大丈夫そう。

第11ゲーム、リターンを返しても、その後のワウリンカのストロークが深く、なかなか錦織のペースに持っていけない。最後はサービスエースを決め、ワウリンカがキープ。

このゲーム終了後、ワウリンカがトレーナーを呼び左足首の治療を行う。プレー中は違和感があるように見えなかったが。

第12ゲーム、第1セットの序盤とは違い、錦織のサービスゲームで安定感が出てきた。
時折もったいないミスが見られるが、キープしてタイブレークに持ち込む。

ワウリンカのサービスで、タイブレーク開始。
最初からミニブレイク合戦の展開となり、ポイント3-2で錦織がリード。

ここで初めて錦織がサービスでポイントを取り、4-2とリード。
続く錦織のサービスで、ストロークで相手を振り回し、最後はスマッシュを決め、錦織が吠える!!

直後のワウリンカのサービスをミニブレイクして、6-2とセットポイントをつかむ。
最後は、錦織のサービスでワウリンカがミスをして、タイブレーク7-3で錦織が第1セットを先取。

第1セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 T
錦織 7 7
ワウリンカ 3 6
○:キープ、●:ブレイク、T:タイブレーク

第1セットは、ワウリンカのサーブが好調で、まったく攻略の糸口が見えない状況が続きましたが、相手に流れを渡さないよう、錦織はほんとによく我慢したと思います。

次第に錦織のストロークの安定感も出てきて、最後はタイブレークで勝負強さを見せた錦織が第1セットを取るという展開でした。

錦織 第1セット ワウリンカ
1本 サービスエース 8本
1本 ダブルフォルト 1本
70%(35/50) ファーストサーブ確率 60%(21/35)
69%(24/35) 1st Serve Points Won 90%(19/21)
60%(9/15) 2nd Serve Points Won 43%(6/14)
10%(2/21) 1st Serve Return Points Won 31%(11/35)
57%(8/14) 2nd Serve Return Points Won 40%(6/15)
0/0 ブレイク / チャンス 0/3
51%(43/85) 取得ポイント合計 49%(42/85)

第2セット

錦織のサービスゲームで第2セット開始。

第1ゲーム、タイブレークあたりからミスが目立つようになったワウリンカ。
大事な第2セットの立ち上がりではあったが、ファーストサーブもしっかり決め、錦織がキープ。

第2ゲーム、ワウリンカのファーストサーブが入ると相変わらず厳しいが、セカンドサーブになるとリターンエースを決めるなど、チャンスが作れそうな状況になってくる。
デュースまで持ち込むが、ワウリンカがプレッシャーの掛かる場面でも集中力を見せ、キープ。

第3ゲーム、錦織のサービスになるとワウリンカのミスがちょっと目立つ。第2セットに入ってから錦織のファーストサーブの確率がさらに良くなり、しっかりとキープ。

第4ゲーム、第1セットと比べるとワウリンカの動きがちょっと悪く見える。決めに行ったバックハンドをミスするなどミスが続き、15-40と錦織にブレイクのチャンスがやってくる。
最後もワウリンカのバックハンドがミスとなり、錦織がこの試合初めてブレイクに成功。

第5ゲーム、ブレイクした直後のサービスゲームは非常に大事。
しかし、錦織のミスが出て、15-40とブレイクのピンチを迎える。
ブレイクポイントを1本凌いだが、長いラリーの末、錦織の打ったショットがネットにあたって、ワウリンカのチャンスボールに・・・。
大事なサービスゲームだったが、ブレイクバックを許す。

第6ゲーム、メンタル的にちょっとダメージ残りそうだが、錦織のストロークは好調で、再び15-40とブレイクのチャンスを迎える。
最後はワウリンカがミスして、錦織が再びブレイクに成功。

ここまで、第1セットと打って変わってブレイク合戦になる。

第7ゲーム、ワウリンカの強烈なショットが決まるなど、ピンチを迎えそうになるが、錦織が何とか凌いでキープ。
ブレイク合戦の流れを断ち切るナイスキープ!!

第8ゲーム、錦織にもったいないミスが連続で出てしまい、ワウリンカがキープ。

第9ゲーム、錦織のサービング・フォーザ・マッチ。
ワウリンカが連続でミスして錦織がリードすると、バックハンドのすばらしいダウンザラインでウィナーをとり、40-0とマッチポイントを迎える。
最後はファーストサーブでフリーポイントを取り、ラブゲームでキープ。

セットカウント2-0で錦織勝利。

※ちょっとだけ用語解説
・ダウンザライン:サイドラインに沿ってストレートに打ったショット
・フリーポイント:サービスエース、または触れられたが返球できないサーブだけで得たポイント

第2セット
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
錦織 6
ワウリンカ 3
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク

錦織がサーブとストロークともに好調を維持したのに対し、ワウリンカはサービスゲームでの安定感がなくなりました。

ワウリンカのサーブが入った時のポイント取得率が、極端に悪くなりました。錦織が良かったことと、それがプレッシャーになってミスが出始めた感じです。

錦織 第2セット ワウリンカ
0本 サービスエース 1本
0本 ダブルフォルト 1本
78%(21/27) ファーストサーブ確率 62%(16/26)
62%(13/21) 1st Serve Points Won 50%(8/16)
83%(5/6) 2nd Serve Points Won 40%(4/10)
50%(8/16) 1st Serve Return Points Won 38%(8/21)
60%(6/10) 2nd Serve Return Points Won 17%(1/6)
2/2 ブレイク / チャンス 1/2
60%(32/53) 取得ポイント合計 40%(21/53)

準決勝を振り返っての感想

隙を見せたほうが負ける、そんな試合でした。
ラリーが始まると、さすがトップ選手というレベルの高いプレーが何度も飛び出していました。

第1セットは、サーブの差でワウリンカ選手の流れで試合が進んでいきましたが、ほんとに錦織選手は我慢して自分のサービスゲームをキープし続けたと思います。

タイブレークでは、お互いミスが出る展開の中、しっかり立て直した錦織選手と集中力の欠けたプレーが続いてしまったワウリンカ選手。
その前に、ワウリンカ選手が左足首に違和感があってトレーナーを呼んでいたので、その辺が影響していたのかもしれません。

第2セットに入ってからは、ワウリンカ選手のサービスゲームをブレイクするなど、錦織選手の調子は引き続き良かったです。

調子に乗らせると怖いワウリンカ選手ですが、耐える場面をしっかり耐え、戦術もよく、そうさせなかった錦織選手が勝利したと思います。

2017年最初の大事な直接対決を制した錦織選手。

次は、気になる決勝の対戦相手を見ていきましょう。

次の決勝の対戦相手は!?

第7シードのディミトロフ選手(世界ランキング17位)に決まりました。

第1シードのラオニッチ選手が準々決勝でナダル選手を倒した勢いのまま決勝まで勝ち上がってくると思っていましたが、そのラオニッチ選手をストレートで破ったディミトロフ選手はかなり調子がいいのかもしれません。

ディミトロフ選手に関する情報、錦織選手との対戦成績は、『 選手名鑑:グリゴール・ディミトロフ 』をご覧ください。

グリゴール・ディミトロフ
※更新日:2019年1月8日 現在。 グリゴール・ディミトロフ選手の基本情報、選手紹介、選手経歴、ツアー経歴、ランキング推移、グランドスラム成績、ツアー決勝成績、錦織選手との対戦成績です。

「Young Guns」同士の対決となった決勝。
試合は1月8日の18時以降の開始となります。

錦織選手の決勝の結果は、『【ブリスベン国際】 錦織、決勝の結果(2017年)』をご覧ください。

【ブリスベン国際】決勝「錦織 vs ディミトロフ」の結果(2017年)
2017年ブリスベン国際の決勝について、錦織選手とディミトロフ選手のプレイヤー情報、決勝の結果とスタッツを見ていきます。

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