2018年5月27日から6月10日(2018年第22、23週)にパリ(オーストリア)で開催されるグランドスラム「全仏オープン(ローラン・ギャロス)」。
錦織圭の4回戦の対戦相手は、世界ランキング8位のドミニク・ティエム(24歳・オーストリア)。
錦織とティエムのプレイヤー情報、4回戦の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(4回戦)
過去の対戦成績は、錦織の2勝、ティエムの0勝。
直近の対戦は2016年のBNLイタリア国際(クレー)の準々決勝で、錦織がセットカウント2-0(6-3、7-5)で勝利しています。
クレーコートでは錦織の1戦1勝。
※2018年6月3日時点(試合前)
錦織 圭 | ティエム | |
2 勝 | 対戦成績 | 0 勝 |
21位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 8位 (4位) |
日本 | 国籍 | オーストリア |
28歳 | 年齢 | 24歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1993年9月3日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 185cm / 82kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 片手 |
2007年 | プロ転向 | 2011年 |
15勝7敗 | 2018年成績 | 32勝8敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 2回 |
346勝162敗 | 通算成績 | 203勝117敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 10回 |
4回戦「錦織 vs ティエム」の結果
試合日:現地時間 6月3日(日)
[19] 錦織 圭 (21位) | 1 | 2 | 0 | 7 | 4 | |
[7] ドミニク・ティエム (8位) | 3 | 6 | 6 | 5 | 6 | |
2時間28分 |
---|
第19シードの錦織圭(28歳・日本)は第7シードのドミニク・ティエム(24歳・オーストリア)に2-6、0-6、7-5、4-6のセットカウント1-3で敗れ、4回戦で敗退となりました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
ティエム | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | 6 | ||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで試合開始。
第1ゲーム、錦織がキープ。
第2ゲーム、ティエムがラブゲームでキープ。
第3ゲーム、錦織のバックハンドのミス2本、錦織のフォアハンドのウィナー、ティエムが先に攻撃を仕掛けてのポイントがあり、15-40とティエムにブレークポイントが来ます。
錦織のフォアハンドがネットアウトとなり、ティエムがブレークに成功。
第4ゲーム、ティエムが危なげなくキープ。
第5ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第6ゲーム、ティエムのダブルフォルトがありましたが、ティエムがキープ。
第7ゲーム、錦織のフォアハンドのミスとバックハンドのミス、ティエムのパッシングショットが決まり、0-40とティエムにブレークポイントが来ます。
ティエムのフォアハンドのミスとバックハンドのミスがあり、錦織が2本凌ぎますが、錦織のバックハンドのダウンザラインへの切り返しのショットがネットにかかり、ティエムがブレークに成功。
第8ゲーム、ティエムのサービングフォーザセット。
ティエムのファーストサーブでのポイント、ティエムが先に攻撃を仕掛けてのフォアハンドのウィナー、ティエムのサービスエースが決まり、40-0とティエムにセットポイントが来ます。
ティエムのサービスエースが決まり、ティエムがラブゲームでキープして第1セットを先取。
錦織 | 第1セット | ティエム |
0 | サービスエース | 2 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
60%(12/20) | ファーストサーブ確率 | 68%(13/19) |
75%(9/12) | 1st Serve Points Won | 100%(13/13) |
25%(2/8) | 2nd Serve Points Won | 50%(3/6) |
0%(0/0) | ブレイク / チャンス | 50%(2/4) |
2/3 | Net Points | 0/0 |
4 | Winners | 6 |
8 | Unforced Errors | 5 |
36%(14/39) | Total Points Won | 64%(25/39) |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | – | – | – | – | – | – | 0 | ||||||
ティエム | ● | ○ | ● | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | – | – | 6 |
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、ティエムが先に攻撃を仕掛けてのポイント、ティエムのパッシングショット、ストロークの打ち合いで錦織のフレームショットがあり、0-40とティエムにブレークポイントが来ます。
ティエムの深いリターンを錦織が返すことができず、ティエムがラブゲームでブレークに成功。
第2ゲーム、ティエムのサービスエース2本などがあり、ティエムがラブゲームでキープ。
第3ゲーム、40-30からティエムがスピンの効いた深いショットで錦織を後ろに押し込んでポイントを取り、デュースへ。
デュース3回目と4回目でどちらも錦織にフォアハンドのミスが出て、ティエムにブレークポイントが来ますが、錦織がしっかりと攻め切ってピンチを凌ぎます。
デュース5回目、錦織の甘くなったロブショットに対してティエムがボレーを決め、ティエムにこのゲーム3本目のブレークポイントが来ます。
ティエムの威力のあるリターンに押された錦織のフォアハンドがアウトとなり、ティエムがブレークに成功。
第4ゲーム、ファーストポイントでティエムのダブルフォルトがありましたが、ティエムがファーストサーブで4連続ポイントを取ってキープ。
第5ゲーム、錦織は何とかこの悪い流れを変えたいところですが、15-0からティエムが3連続でポイントを取り、15-40とティエムにブレークポイントが来ます。
錦織にバックハンドのミスが出て、ティエムがブレークに成功。
第6ゲーム、ティエムのサービングフォーザセット。
ティエムのサービスエース、フォアハンドのウィナー、サービスエースが決まり、40-0とティエムにセットポイントが来ます。
ティエムのサービスエースが決まり、ティエムがラブゲームでキープして第2セットも取ります。
錦織 | 第2セット | ティエム |
0 | サービスエース | 5 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
40%(10/25) | ファーストサーブ確率 | 92%(12/13) |
30%(3/10) | 1st Serve Points Won | 100%(12/12) |
33%(5/15) | 2nd Serve Points Won | 0%(0/1) |
0%(0/0) | ブレイク / チャンス | 60%(3/5) |
2/4 | Net Points | 2/2 |
2 | Winners | 12 |
8 | Unforced Errors | 4 |
24%(9/38) | Total Points Won | 76%(29/38) |
第3セット
第3セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | 7 | |||||
ティエム | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 5 | |||||||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで第3セット開始。
第1ゲーム、錦織はネットプレーやドロップショットを混ぜながら攻めて行き、錦織がキープ。
第2ゲーム、ファーストポイントを錦織が取りましたが、ティエムが4連続でポイントを取ってキープ。
第3ゲーム、ストローク戦で錦織は我慢強く打ち合ってティエムのミスを引き出すなど、錦織がいい形でキープ。
第4ゲーム、30-30まで行きますが、ティエムがキープ。
第5ゲーム、錦織のストロークが深くなるなどプレーが良くなり、錦織がキープ。
第6ゲーム、ティエムがラブゲームでキープ。
第7ゲーム、15-0から錦織のフォアハンドのミス、フォアハンドのドライブボレーのミスと錦織が攻めていながらもったいないミスが連続で出て、15-30とティエムがポイントを先行します。
嫌な流れになりかけますが、錦織の見事なフォアハンドのダウンザラインへのウィナー、サービスエース、錦織が先に攻撃を仕掛けてのティエムのミスがあり、錦織が3連続でポイントを取ってキープ。
第8ゲーム、ティエムのファーストサーブの確率がなかなか落ちて来ないため、錦織はリターンから攻める形を作ることができず、ティエムが簡単にキープ。
第9ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第10ゲーム、30-0からティエムのダブルフォルト、ロングラリーでの錦織のバックハンドのミス、ティエムのフォアハンドのミスがあり、40-30まで行きますが、ティエムがサービスエースを決めてキープ。
第11ゲーム、30-0からティエムの厳しいリターンからの連続攻撃でのポイント、錦織のダブルフォルト、錦織のファーストサーブでのポイント、錦織のもったいないドロップショットミスがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織がゲームポイントで見事なパッシングショットを決めてキープ。(今日一番のガッツポーズを見せる錦織)
第12ゲーム、30-0からティエムのダブルフォルト、チャンスボールでのティエムのフォアハンドのミス、錦織の良いリターンでのポイントがあり、30-40と錦織にセットポイント(ブレークポイント)が来ます。
錦織が山なりに返したリターンに対して、力んだティエムのフォアハンドがアウトとなり、錦織がブレークに成功して第3セットを取ります。
錦織 | 第3セット | ティエム |
1 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 2 |
74%(25/34) | ファーストサーブ確率 | 66%(21/32) |
76%(19/25) | 1st Serve Points Won | 76%(16/21) |
67%(6/9) | 2nd Serve Points Won | 55%(6/11) |
100%(1/1) | ブレイク / チャンス | 0%(0/0) |
7/9 | Net Points | 4/7 |
9 | Winners | 11 |
7 | Unforced Errors | 12 |
53%(35/66) | Total Points Won | 47%(31/66) |
第4セット
第4セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
ティエム | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで第4セット開始。
第1ゲーム、錦織の強烈なフォアハンドの逆クロスへのウィナーが決まるなど、錦織がしっかりとキープ。
第2ゲーム、ティエムのフォアハンドのミスとダブルフォルトなどがあり、15-30と錦織がポイントを先行しますが、ティエムがサーブだけで3連続でポイントを取ってキープ。
第3ゲーム、錦織のストロークが深くなって粘りも出てきたことで、ミスが増えてきたティエムがイライラし始め、錦織がラブゲームでキープ。
第4ゲーム、相変わらずティエムのサーブの調子はよく、ティエムがラブゲームでキープ。
第5ゲーム、錦織がストロークですばらしい攻めの展開を見せ、錦織がラブゲームでキープ。
第6ゲーム、40-0からティエムにダブルフォルトがありましたが、ティエムが危なげなくキープ。
第7ゲーム、錦織のバックハンドのミス、ティエムのリターンでのポイント、ティエムのもったいないフォアハンドのミス、ティエムが先に攻撃を仕掛けてのポイントがあり、15-40とティエムにブレークポイントが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、セカンドサーブをティエムがフォアハンドに回り込んで逆クロスに思いっきり叩き込んで、ティエムがブレークに成功。(悔しさでラケットを叩きつける錦織)
第8ゲーム、ティエムのフォアハンドのミス、フォアハンドのウィナー、ファーストサーブでのポイント、錦織のフォアハンドのクロスへのカウンターショットでのポイント、ティエムのフォアハンドのウィナー、錦織のバックハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、デュースへ。
デュース1回目、錦織のもったいないバックハンドのミス、バウンドが少し変わって錦織にバックハンドのミスが出て、ティエムがキープ。
第9ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第10ゲーム、ティエムのサービングフォーザマッチ。
ティエムのファーストサーブでのポイント、ティエムのフォアハンドのミス、サービスダッシュを見せたティエムの足元に錦織が上手くリターンを返球してからの錦織のパッシングショット、ティエムのフォアハンドのウィナー、ティエムのセカンドサーブ(スライスサーブ)でのポイントがあり、40-30とティエムにマッチポイントが来ます。
ティエムのファーストサーブを錦織が何とか返しますがチャンスボールとなり、終わったかと思った瞬間、硬くなったティエムのフォアハンドがアウトとなり、デュースへ。
デュース1回目、ティエムのファーストサーブからのフォアハンドのウィナーが決まり、ティエムに再びマッチポイントが来ます。
錦織のフォアハンドがうまくヒットせずにアウトとなり、ティエムが勝利。
錦織 | 第4セット | ティエム |
0 | サービスエース | 0 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
70%(16/23) | ファーストサーブ確率 | 61%(19/31) |
94%(15/16) | 1st Serve Points Won | 74%(14/19) |
43%(3/7) | 2nd Serve Points Won | 67%(8/12) |
0%(0/0) | ブレイク / チャンス | 50%(1/2) |
2/2 | Net Points | 4/8 |
6 | Winners | 10 |
2 | Unforced Errors | 12 |
50%(27/54) | Total Points Won | 50%(27/54) |
試合振り返り・スタッツ
ティエムはサーブ、ストロークともにすばらしく、とにかく強かったです。
第1セットと第2セットではティエムが完璧なプレーをし、ストローク戦でティエムのパワーショット、スピンの効いた大きく跳ねるショットに錦織がまったく対応できず、錦織の良さを封じ込めるティエムの作戦が見事にハマって一方的な展開となりました。
ストロークが絶好調だったティエムに対して錦織はベースラインの中に入って無理をして先に攻めようとして、攻め急いでミスになったり、ティエムに上手くスライスショットで凌がれたり、錦織のストロークが浅くなってティエムに逆襲を食らったりという感じでした。
第3セット以降は錦織のストロークが深くなって我慢強くラリーを続けるなどプレーが良くなり、ティエムは第2セットまでのようなパワーで押し切れなくなってミスが増えるなど、互角の勝負となりました。(ただし、ティエムのサーブは変わらず絶好調)
第3セットは錦織がようやく自分の形を作ってキープできるようになって、最後に錦織がワンチャンスをモノにしたという感じでした。
第4セットの錦織はミスもなくストロークでしっかりと攻めるなど良いプレーを見せていましたが、第7ゲームでファーストサーブが入らずに(6本中2本)ミスも出るなど隙を見せてしまい、ティエムがブレークに成功。
その後、錦織も粘りを見せましたが、ティエムに押し切られてしまいました。
結局、最後までティエムのサーブの調子が落ちて来ず、210km/hを超えるティエムのファーストサーブが高い確率で入り、錦織が何とか返球しても次の一打でティエムにウィナーを決められるなど、錦織はリターンでまったくチャンスが作れませんでした。
錦織が第3セット以降のプレーを早くからできていればなという感じではありますが、最後までティエムのサーブを攻略できなかったこともあり、この日のティエムに勝つのは難しかったです。(次対戦する時はリベンジして欲しいです)
錦織 | Match | ティエム |
1 | サービスエース | 9 |
1 | ダブルフォルト | 7 |
62%(63/102) | ファーストサーブ確率 | 68%(65/95) |
73%(46/63) | 1st Serve Points Won | 85%(55/65) |
41%(16/39) | 2nd Serve Points Won | 57%(17/30) |
100%(1/1) | ブレイク / チャンス | 55%(6/11) |
13/18 | Net Points | 10/17 |
21 | Winners | 41 |
25 | Unforced Errors | 33 |
43%(85/197) | Total Points Won | 57%(112/197) |
ハイライト動画
全仏オープン4回戦「錦織 vs ティエム」のハイライト動画です。
錦織が次に出場する大会は!?
錦織圭が次に出場する大会は、6月18日からハレ(ドイツ)で開催されるATP500「ゲリー・ウェバー・オープン」。
クレーコートシーズンが終わり、芝シーズンへ入ります。
例年、錦織はこのゲリー・ウェバー・オープンで芝での調整をしてからウィンブルドンに向かうスケジュールとなっていますが、過去3年はクレーから芝に変わった直後に怪我をしているのが心配です。
2015年、準決勝まで勝ち上がるも第1セット途中で左足のふくらはぎを痛めて棄権。
2016年、1回戦で左脇腹を負傷し、2回戦を棄権。
2017年、2回戦の第1セット途中で左臀部(でんぶ)を痛めて棄権。
今年こそ怪我なくウィンブルドンまで戦い抜いて欲しいです。
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