2018年7月2日から7月15日(2018年第27、28週)にロンドン(イギリス)で開催されるグランドスラム「ウィンブルドン」。
錦織圭の準々決勝の対戦相手は、世界ランキング21位のノバク・ジョコビッチ(31歳・セルビア)。
錦織とジョコビッチのプレイヤー情報、準々決勝の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(準々決勝)
過去の対戦成績は、錦織の2勝、ジョコビッチの13勝。(ジョコビッチの12連勝中)
直近の対戦は2018年のBNLイタリア国際(クレー)の準々決勝で、ジョコビッチが2-6、6-1、6-3のフルセットの末に勝利しています。
芝では初対戦となります。
※2018年7月11日時点(試合前)
錦織 圭 | ジョコビッチ | |
2 勝 | 対戦成績 | 13 勝 |
28位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 21位 (1位) |
日本 | 国籍 | セルビア |
28歳 | 年齢 | 31歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1987年5月22日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 188cm / 77kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2003年 |
20勝9敗 | 2018年成績 | 22勝9敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 0回 |
351勝164敗 | 通算成績 | 805勝172敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 68回 |
準々決勝「錦織 vs ジョコビッチ」の結果
試合日:現地時間 7月11日(水)
[24] 錦織 圭 (28位) | 1 | 3 | 6 | 2 | 2 | |
[12] ノバク・ジョコビッチ (21位) | 3 | 6 | 3 | 6 | 6 | |
試合時間:2時間34分 |
---|
第24シードの錦織圭(28歳・日本)はノバク・ジョコビッチ(31歳・セルビア)に3-6、6-3、2-6、2-6のセットカウント1-3で敗れ、準々決勝で敗退となりました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
ジョコビッチ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | – | – | – | 6 | |||
○:キープ、●:ブレーク |
ジョコビッチのサービスで試合開始。
第1ゲーム、40-0から40-30まで行きますが、ジョコビッチがサービスエースを決めてキープ。
第2ゲーム、錦織のフォアハンドのクロスへのウィナーやフォアハンドのダウンザラインへのウィナーなどがあり、錦織がキープ。
第3ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第4ゲーム、ジョコビッチのバックハンドのクロスへの鋭いショットでのポイント、チャンスボールでの錦織のフォアハンドのミス、錦織のファーストサーブでのポイント、お互いがすばらしいコートカバーリングを見せる中でのジョコビッチのポイントがあり、15-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、ロングラリーでジョコビッチのベースラインギリギリの深いショットを錦織が返すことができず(バウンドがイレギュラー?)、ジョコビッチがブレークに成功。
第5ゲーム、15-0から錦織の股抜きショットを見せてからのパッシングショット、錦織が先に攻撃を仕掛けてのポイント、ジョコビッチのバックハンドのミスがあり、15-40と錦織にブレークポイントが来ます。
ジョコビッチにダブルフォルトが出て、錦織がブレークバックに成功。
第6ゲーム、15-0から錦織のダブルフォルトがありましたが、錦織がキープ。
第7ゲーム、ファーストポイントでジョコビッチのバックハンドのミスがありましたが、ジョコビッチが4連続でポイントを取ってキープ。
第8ゲーム、30-15からジョコビッチの見事なフォアハンドのダウンザラインへのウィナー、錦織のバックハンドのミスがあり、30-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
錦織にバックハンドのミスが出て、ジョコビッチがブレークに成功。
第9ゲーム、ジョコビッチのサービングフォーザセット。
ジョコビッチのフォアハンドのミス、ジョコビッチの深いショットでのポイント、ジョコビッチのフォアハンドのクロスへのウィナー、ジョコビッチのセカンドサーブでのポイントがあり、40-15とジョコビッチにセットポイントが来ます。
錦織の深いリターンでのポイント、ジョコビッチのフォアハンドのミスがあり、デュースへ。
デュース1回目、ジョコビッチのサービスエースとバックハンドの深いショットでポイントがあり、ジョコビッチが第1セットを先取。
錦織 | 第1セット | ジョコビッチ |
0 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 1 |
70%(16/23) | ファーストサーブ確率 | 54%(15/28) |
63%(10/16) | 1st Serve Points Won | 80%(12/15) |
29%(2/7) | 2nd Serve Points Won | 46%(6/13) |
100%(1/1) | ブレイク / チャンス | 67%(2/3) |
0/1 | Net Points | 4/5 |
7 | Winners | 9 |
7 | Unforced Errors | 7 |
43%(22/51) | Total Points Won | 57%(29/51) |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 6 | |||
ジョコビッチ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、錦織のフォアハンドのミス2本、錦織にとってアンラッキーなコードボールなどがあり、デュースへ。
デュース4回目、錦織にドロップショットのミスが出て、ジョコビッチにブレークポイントが来ますが、ストローク戦で錦織が打ち勝って凌ぎます。
10分近くかかる長いゲームとなりましたが、デュース5回目で錦織が何とかキープ。
第2ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第3ゲーム、ロングラリーでジョコビッチのフォアハンドのウィナー、錦織のボレーがアウト、錦織のバックハンドのミスがあり、0-40とジョコビッチにブレークポイントが来ますが、錦織がサーブアンドボレーやサービスエースなどでピンチを凌ぎ、デュースへ。
デュース1回目、錦織にとってラッキーなコードボールもあり、錦織が何とかキープ。
ブレークチャンスを逃してフラストレーションがたまって行くジョコビッチ。
最後のポイントの後、ジョコビッチがラケットで芝を傷つける行為をしたということで警告を受けます。
第4ゲーム、30-30からロングラリーで錦織が打ち勝ってポイントを取り、30-40と錦織にブレークポイントが来ます。
ジョコビッチにドロップショットのミスが出て、錦織がブレークに成功。
第5ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第6ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第7ゲーム、錦織の見事なドロップボレー、錦織のバックハンドのミス、ジョコビッチの見事なバックハンドのダウンザラインへのウィナー、ネットに出た錦織のボディを狙ったジョコビッチのパッシングショットのポイントなどがあり、デュースへ。
デュース1回目で錦織がキープ。
第8ゲーム、錦織のバックハンドの逆クロスへのウィナー、ジョコビッチのダブルフォルトがあり0-30と錦織がポイントを先行しますが、ジョコビッチが4連続でポイントを取ってキープ。
第9ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
ジョコビッチの深いリターンでのポイント、錦織のバックハンドのクロスへの鋭いショットからのドロップショット、錦織のストローク戦で打ち勝ってのポイント、錦織のバックハンドのストレートへの深いショットでのポイントがあり、40-15と錦織にセットポイントが来ます。
ジョコビッチが1本返しますが、錦織のファーストサーブからのフォアハンドのクロスへのウィナーが決まり、錦織が第2セットを取ります。
錦織 | 第2セット | ジョコビッチ |
1 | サービスエース | 1 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
69%(29/42) | ファーストサーブ確率 | 70%(14/20) |
72%(21/29) | 1st Serve Points Won | 79%(11/14) |
46%(6/13) | 2nd Serve Points Won | 50%(3/6) |
100%(1/1) | ブレイク / チャンス | 0%(0/4) |
6/11 | Net Points | 5/5 |
10 | Winners | 8 |
9 | Unforced Errors | 5 |
53%(33/62) | Total Points Won | 47%(29/62) |
第3セット
第3セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
ジョコビッチ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | – | – | – | – | 6 | ||
○:キープ、●:ブレーク |
ジョコビッチのサービスで第3セット開始。
第1ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第2ゲーム、錦織がキープ。
第3ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
錦織がトレーナーとドクターを呼び、右肘にしているテーピングの少し剥がれかけていた部分を切ってもらい、痛み止めを飲みます。
第4ゲーム、40-15から錦織のバックハンドのミス、ロングラリーでのジョコビッチのポイントがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織にフォアハンドのミスが出て、ジョコビッチにブレークポイントが来ますが、錦織が先に仕掛けてボレーを決めて凌ぎます。
デュース2回目、錦織のファーストサーブでのポイント、ジョコビッチの逆をつく錦織のフォアハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、錦織がキープ。
第5ゲーム、錦織の見事なフォアハンドのダウンザラインへのウィナー、ジョコビッチのダブルフォルト、ジョコビッチのフォアハンドのミスがあり、0-40と錦織にブレークポイントが来ます。
バックハンドのクロスラリーから錦織のダウンザラインへの切り返しのショットがサイドアウト、ジョコビッチのバックハンドのウィナー、錦織のバックハンドのスライスのミスがあり、デュースへ。
デュース2回目でジョコビッチがキープ。
第6ゲーム、15-0から錦織のフォアハンドのミス、錦織のもったいないボレーミス、錦織のセカンドサーブでのサービスエース、錦織のフォアハンドのミスがあり、30-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
錦織にバックハンドのミスが出て、ジョコビッチがブレークに成功。
第7ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第8ゲーム、ロングラリーでのジョコビッチのポイント、ジョコビッチが先に攻撃を仕掛けてのバックハンドのウィナー、錦織のセカンドサーブでのポイント、錦織のフォアハンドのミスがあり、15-40とジョコビッチにセットポイント(ブレークポイント)が来ます。
ジョコビッチのすばらしいリターンが決まり、ジョコビッチがブレークをして第3セットを取ります。
錦織 | 第3セット | ジョコビッチ |
2 | サービスエース | 2 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
65%(17/26) | ファーストサーブ確率 | 82%(18/22) |
47%(8/17) | 1st Serve Points Won | 94%(17/18) |
56%(5/9) | 2nd Serve Points Won | 25%(1/4) |
0%(0/3) | ブレイク / チャンス | 67%(2/3) |
3/5 | Net Points | 5/6 |
7 | Winners | 9 |
7 | Unforced Errors | 5 |
35%(17/48) | Total Points Won | 65%(31/48) |
第4セット
第4セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
ジョコビッチ | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ● | – | – | – | – | 6 | ||
○:キープ、●:ブレーク |
ジョコビッチのサービスで第4セット開始。
第1ゲーム、錦織のリターンエース、ジョコビッチのファーストサーブでのポイント、錦織のバックハンドのクロスへのウィナー、ジョコビッチのバックハンドのミスがあり、15-40と錦織にブレークポイントが来ます。
ジョコビッチがサービスエースで1本凌ぎますが、錦織がバックハンドのクロスへの鋭いショットで主導権を握ってポイントを取り、錦織がブレークに成功。
第2ゲーム、ジョコビッチのすばらしいリターンからのドロップショット、錦織のバックハンドのミス、錦織のセカンドサーブでのポイント、ジョコビッチのフォアハンドの逆クロスへのウィナーがあり、15-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
ジョコビッチのスマッシュが決まり、ジョコビッチがブレークバックに成功。
第3ゲーム、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第4ゲーム、15-0から錦織のフォアハンドのミス、ジョコビッチの深いリターンでのポイント、錦織のフォアハンドのミスがあり、15-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、錦織にバックハンドのスライスのミスが出て、ジョコビッチがブレークに成功。
第5ゲーム、ジョコビッチがキープ。
第6ゲーム、ジョコビッチが試合を決めようと積極的に攻撃を仕掛けてきますが、錦織が何とか耐えてキープ。
第7ゲーム、30-0から錦織が深いリターンからネットに仕掛けてのポイント、錦織のすばらしいリターンとボレーからのスマッシュがあり、30-30まで行きますが、直後に錦織にもったいないバックハンドのスライスのミスもあり、ジョコビッチがキープ。
30-30でジョコビッチがタイムバイオレーションを取られるシーンがありましたが、流れが錦織に傾きかけていた場面で、警告を覚悟でジョコビッチが集中力を高めていた感じでした。
第8ゲーム、40-15から錦織のバックハンドのミス、ジョコビッチの強いリターンでのポイントがあり、デュースへ。
デュース2回目、錦織にバックハンドのミスが出て、マッチポイント(ブレークポイント)が来ます。
ジョコビッチのフォアハンドの逆クロスへのウィナーが決まり、ジョコビッチがブレークをして勝利。
錦織 | 第4セット | ジョコビッチ |
0 | サービスエース | 1 |
0 | ダブルフォルト | 0 |
69%(18/26) | ファーストサーブ確率 | 67%(14/21) |
44%(8/18) | 1st Serve Points Won | 86%(12/14) |
38%(3/8) | 2nd Serve Points Won | 29%(2/7) |
50%(1/2) | ブレイク / チャンス | 67%(2/3) |
4/4 | Net Points | 5/5 |
5 | Winners | 14 |
11 | Unforced Errors | 4 |
38%(18/47) | Total Points Won | 62%(29/47) |
試合振り返り・スタッツ
終わってみれば、第3セットの第5ゲームの0-40と錦織がブレークポイントを握った場面がこの試合のターニングポイントになりました。
ジョコビッチがプレーに迷いが出てミスを重ね、試合の流れ的にも錦織にとっては絶好のチャンスが来ましたが、ピンチになってから集中力を高めてきたジョコビッチに凌がれてしまいました。
そして、直後の第6ゲームで先ほどのゲームを引きずるかのように錦織のミスが絡んでジョコビッチにブレークを許し、流れがジョコビッチに行ってしまいました。
第4セットではジョコビッチが怒涛の攻めで一気にたたみ掛けて来る中、第6ゲームで錦織が踏ん張ってキープしたことで錦織に流れが傾きかけましたが、直後の第7ゲームの30-30で錦織にもったいないミスが出てしまい、流れをつかみきれませんでした。(ジョコビッチがタイムバイオレーションを取られて場面で、ジョコビッチも危機を察していた感じでした。)
終わってみればいつものように最後にギアを上げて来たジョコビッチに押し切られ、ジョコビッチに勝つにはどうしても何かが足りないという同じ感想になってしまいますが、この高い壁を超えるために何度跳ね返されても挑戦していくしかないです。
個人的に大会前は3回戦のキリオス戦は厳しい(2回戦のトミックも怖い)かなと弱気な予想をし、怪我なく戦い抜いてくれればと思っていましたが、錦織は芝でもすばらしいプレーを見せて勝ち上がり、収穫の多い大会となりました。
錦織 | Match | ジョコビッチ |
3 | サービスエース | 6 |
1 | ダブルフォルト | 3 |
68%(80/117) | ファーストサーブ確率 | 67%(61/91) |
59%(47/80) | 1st Serve Points Won | 85%(52/61) |
43%(16/37) | 2nd Serve Points Won | 40%(12/30) |
43%(3/7) | ブレイク / チャンス | 46%(6/13) |
13/21 | Net Points | 19/21 |
29 | Winners | 40 |
34 | Unforced Errors | 21 |
43%(90/208) | Total Points Won | 57%(118/208) |
ハイライト動画
ウィンブルドン準々決勝「錦織 vs ジョコビッチ」のハイライト動画です。
錦織が次に出場する大会は!?
錦織圭が次に出場する大会は、7月30日からワシントンD.C.(アメリカ)で開催されるATP500「シティ・オープン」。
次の大会まで2週間ほどしか休みがありませんが、右肘をしっかりと治して、いい状態で相性のいい北米ハードコートシーズンを迎えて欲しいなと思います。
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