2018年2月12日から18日(2018年第7週)にニューヨーク(アメリカ)で開催されるATP250「ニューヨーク・オープン」。
錦織圭の準々決勝の対戦相手は、世界ランキング91位のラドゥ・アルボット。
錦織とアルボットのプレイヤー情報、準々決勝の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(準々決勝)
過去に対戦はなく、初対戦となります。
※2018年2月16日時点(試合前)
錦織 圭 | アルボット | |
0 勝 | 対戦成績 | 0 勝 |
27位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 91位 (81位) |
日本 | 国籍 | モルドバ |
28歳 | 年齢 | 28歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1989年11月11日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 175cm / 69kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2008年 |
2勝0敗 | 2018年成績 | 2勝4敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 0回 |
333勝155敗 | 通算成績 | 32勝46敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 0回 |
準々決勝「錦織 vs アルボット」の結果
試合日:現地時間2月16日(金)
[5] 錦織 圭 (27位) | 2 | 4 | 6 | 6 |
ラドゥ・アルボット (91位) | 1 | 6 | 3 | 1 |
試合時間:1時間57分 |
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第5シードの錦織圭(28歳・日本)がラドゥ・アルボット(28歳・モルドバ)を4-6、6-3、6-1のフルセットの末に破り、準決勝進出を決めました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ● | – | – | 4 | ||||||
アルボット | ○ | ○ | ● | ● | ○ | ● | – | – | 6 | ||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレーク |
アルボットのサービスで試合開始。
立ち上がりはお互いブレークポイントを与えず、第4ゲームまでキープが続きます。
第5ゲーム、錦織のロングラリーでのポイント、すばらしいコートカバーリングを見せてのポイントなどがあり、0-40と錦織にブレークチャンスが来ます。
アルボットが1本凌ぎますが、錦織がリターンから主導権を握り、最後はフォアハンドのクロスへの鋭いアングルショットでウィナーを決め、錦織がブレークに成功。
第6ゲーム、アルボットが思いっきりの良いプレーを見せ30-40とアルボットにブレークチャンスが来ると、アルボットがリターンから攻めきってブレークバックに成功。
ブレーク直後の大事なゲームでしたが、錦織はファーストサーブの入りが悪く、セカンドサーブを叩かれる苦しい展開となってしまいました。
第7ゲーム、アルボットにいいショットが出たりミスが出たりという中、デュースへ。
デュース後、錦織がこのゲーム2本目のブレークポイントを握ると、ショートクロスのリターンで相手をコートの外に出してからのバックハンドのダウンザラインへのウィナーを決め、錦織がブレークに成功。
第8ゲーム、アルボットのリターンが良く、錦織は簡単にポイントを取る展開を作れず、デュースへ。
デュースの状態で錦織にダブルフォルトやミス2本が出るなど、錦織がなかなかアドバンテージを取れない中、アルボットがこのゲーム4本目のブレークポイントを握ると、錦織のショットがアウトとなり、アルボットがブレークバックに成功。
ブレーク合戦となる中、第9ゲームでアルボットがキープ。
第10ゲーム、錦織のミスが絡んで15-40とアルボットにセットポイントが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、アルボットがすばらしいコートカバーリングを見せ、最後は浅くなった錦織のロブをアルボットがスマッシュを決め、アルボットが第1セットを先取。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ● | – | – | – | 6 | |||
アルボット | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレーク |
アルボットのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、アルボットがキープ。
第2ゲーム、40-15と錦織がゲームポイントを握ったところから、錦織にミスが出てデュースへ。
デュース直後、錦織にミスが出てアルボットにブレークチャンスが来ますが、錦織がバックハンドのダウンザラインへのウィナーを決めてピンチを凌ぎ、連続ポイントで錦織が何とかキープ。
第3ゲーム、アルボットがキープ。
第4ゲーム、錦織のフォアハンドのダウンザライン、バックハンドのダウンザライン、バックハンドのクロスへのウィナー3本などがあり、錦織がキープ。
第5ゲーム、錦織のリターンエース、アルボットのミス、錦織の上手いロブショットからのドロップボレーが決まり、0-40と錦織にブレークチャンスが来ます。
アルボットが2本凌ぎますが、アルボットにダブルフォルトが出て、錦織がブレークに成功。
第6ゲーム、錦織がしっかりとキープ。
第7ゲーム、錦織のリターンエース、アルボットのダブルフォルト、錦織のミス2本、アルボットのウィナーなどがあり、デュースへ。
アルボットもすばらしいフォアハンドのダウンザラインへのウィナーを決めるなど踏ん張りを見せ、アルボットがキープ。
第8ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第9ゲーム、錦織のリターンエースとバックハンドのウィナー、サーブアンドボレーに出たアルボットの足元に返すいいリターンでのポイントなどがあり、15-40と錦織にセットポイントが来ます。
アルボットが1本凌ぎますが、アルボットにダブルフォルトが出て、錦織が第2セットを取ります。
ファイナルセット
ファイナルセット | |||||||||||||
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | – | 6 | |
アルボット | ○ | – | – | – | – | – | 1 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレーク |
錦織のサービスでファイナルセット開始。
第1ゲーム、錦織のサービスエース2本など、錦織がサーブから主導権を握り、ラブゲームでキープ。
第2ゲーム、アルボットがキープ。
第3ゲーム、錦織のサーブだけのポイント2本、バックハンドのダウンザラインへのウィナー、サーブからの組み立てでのポイントなどがあり、錦織が危なげなくキープ。
第4ゲーム、アルボットのボレーミス、ストロークミス、錦織のリターンエースがあり、0-40と錦織にブレークチャンスが来ます。
アルボットが1本凌ぎますが、錦織が難しい体勢からの見事なパッシングショットを決め、錦織がブレークに成功。
第5ゲーム、錦織のサービスエース、サーブからの攻撃の組み立てをしっかりと作り、錦織がキープ。
第6ゲーム、錦織のバックハンドのダウンザラインへのウィナー、リターンエース、リターンから攻撃を仕掛けて最後はボレーを決め、0-40と錦織にブレークチャンスが来ます。
錦織のバックハンドの角度のあるクロスへのリターンをアルボットが返すことができず、錦織がラブゲームでブレークに成功。
第7ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
アルボットのミス2本、サーブだけでのポイントで40-0と錦織にマッチポイントが来ます。
錦織のファーストサーブへのアルボットのリターンがアウトとなり、錦織がラブゲームでキープして勝利。
ファイナルセットに入ってから、アルボットはストロークでショットにキレがなくなるなどプレーが落ちたのに対し、錦織はサーブだけで簡単にポイントも取れるようになるなどサービスゲームが安定し、リターンゲームでもアルボットを圧倒する攻撃を見せ、ファイナルセットは錦織の一方的な展開となりました。
スタッツ
錦織のファーストサーブの確率は、第1セットは57%(20/35)、第2セットは68%(17/25)、ファイナルセットは72%(13/18)。
そして、ファーストサーブが入った時のポイント取得率は、第1セットは60%(12/20)、第2セットは82%(14/17)、ファイナルセットは100%(13/13)。
スタッツの通り、錦織は第1セット途中からファーストサーブの入りが悪くなりサービスゲームで苦しみはしましたが、第2セット途中からしっかりと立て直し、ファイナルセットではファーストサーブのプレイスメントがさらに良くなってサービスゲームが非常に安定しました。
錦織 | Match | アルボット |
3 | Aces | 1 |
1 | Double Faults | 3 |
64%(50/78) | 1st Serve | 68%(52/77) |
78%(39/50) | 1st Serve Points Won | 58%(30/52) |
46%(13/28) | 2nd Serve Points Won | 40%(10/25) |
50%(6/12) | Break Points Converted | 38%(3/8) |
57%(89/155) | Total Points Won | 43%(66/155) |
[スタッツ用語の補足]
・Aces:サービスエースの数
・Double Faults:ダブルフォルトの数
・1st Serve:ファーストサーブの確率
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Break Points Converted:リターン時にブレークチャンスでポイントを取得した確率。
・Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
試合を振り返って
アルボットは2回戦で第3シードのイズナーを破った通りの調子の良さが第1セットから出ていました。
第5ゲームで先に錦織がブレークに成功しますが、ここからアルボットは思いっきりの良いプレーでリターンからどんどん攻めてくるようになり、錦織はファーストサーブの確率が落ち、サーブからの攻撃の形がなかなか作れずにキープができなくなってしまいました。
この嫌な流れのまま、第2セットの第2ゲームでもアルボットにブレークポイントを握られましたが、ここを踏ん張ったことで錦織もようやく落ち着けたかなという感じでした。
この第2ゲームを取られていたら、アルボットにさらに勢いが付いて危ない展開になっていたかもしれません。
その後はゲームが進むに連れてアルボットは序盤から飛ばしていたこともあってプレーが落ちていき、逆に錦織は安定感のあるプレーで積極的に攻撃も仕掛けて一気に押し切りました。
錦織はファーストサーブの入りが悪くなってセカンドサーブを叩かれたり、フォアハンドで振り上げたときのショットが浅くなって攻撃を許したりする場面もありましたが、試合内でしっかりと修正したのはさすがでした。
錦織の準決勝の対戦相手は!?
錦織圭のニューヨーク・オープン準決勝の対戦相手は、世界ランキング11位のケビン・アンダーソン(31歳・南アフリカ共和国)。
過去の対戦成績は、錦織の4勝、アンダーソンの1勝。(ATPツアー本戦のみ)
直近の対戦は2017年のジュネーヴ・オープン(ATP250/クレー)の準々決勝で、錦織が2-6、6-4、7-6(6)のフルセットの末に勝利しています。
アンダーソンはビッグサーバーでストロークにも力がある選手で、錦織が復帰してから初めてのトップ選手との対戦となりますが、難敵相手に錦織がどういうプレーを見せてくれるのか非常に楽しみです。
錦織選手の準決勝の試合は、日本時間の2月17日(日) 午前9時30分に開始予定。
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