2018年4月15日から4月22日(2018年第16週)にモンテカルロ(モナコ)で開催されるマスターズ1000「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モンテカルロ・マスターズ)」。
錦織圭の準決勝の対戦相手は、世界ランキング4位のアレクサンダー・ズベレフ(21歳・ドイツ)。
錦織とA.ズベレフのプレイヤー情報、準決勝の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(準決勝)
過去の対戦成績は、錦織の0勝、A.ズベレフの1勝。
過去1回の対戦は2017年のシティ・オープン(ハード)の準決勝で、A.ズベレフがセットカウント2-0(6-3、6-4)で勝利しています。
クレーコートでは初対戦となります。
※2018年4月21日時点(試合前)
錦織 圭 | A.ズベレフ | |
0 勝 | 対戦成績 | 1 勝 |
36位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 4位 (3位) |
日本 | 国籍 | ドイツ |
28歳 | 年齢 | 21歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1997年4月20日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 198cm / 86kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2013年 |
8勝3敗 | 2018年成績 | 17勝6敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 0回 |
339勝158敗 | 通算成績 | 134勝76敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 6回 |
準決勝「錦織 vs A.ズベレフ」の結果
試合日:現地時間 4月21日(土)
錦織 圭 (36位) | 2 | 3 | 6 | 6 |
[3] アレクサンダー・ズベレフ (4位) | 1 | 6 | 3 | 4 |
試合時間:2時間13分 |
---|
錦織圭(28歳・日本)が第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(21歳・ドイツ)を3-6、6-3、6-4のフルセットの末に破り、モンテカルロ・マスターズ初の決勝進出を決めました。
錦織は2016年のロジャーズ・カップ(トロント)以来となるマスターズ4回目の決勝進出。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
A.ズベレフ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | – | – | – | 6 | |||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで試合開始。
第1ゲーム、錦織がファーストサーブをすべて入れ、サーブから攻撃の形をしっかりと作ってキープ。
第2ゲーム、ファーストポイントで錦織がすばらしいリターンでポイントを取りますが、A.ズベレフが4連続でポイントを取ってキープ。
第3ゲーム、錦織がキープ。
第4ゲーム、A.ズベレフがキープ。
第5ゲーム、40-30からA.ズベレフのネットギリギリに落ちるドロップショットを錦織がすばらしいコートカバーリングを見せてドロップショット返しでポイントを取り、錦織がキープ。
第6ゲーム、40-0とA.ズベレフがゲームポイントを握ったところから、A.ズベレフのフォアハンドのミスとダブルフォルトがありましたが、A.ズベレフがキープ。
第7ゲーム、錦織のすばらしいバックハンドのダウンザラインへのウィナーが2本決まるなど、40-0と錦織がゲームポイントを握りますが、ここからA.ズベレフのリターンエース、フォアハンドのウィナー、見事なドロップショットが決まり、デュースへ。
デュース1回目で錦織がゲームポイントを握ったところから、錦織のダブルフォルト、フォアハンドのミスがあり、A.ズベレフにブレークチャンスが来ます。
錦織が攻撃を展開して行きますが、錦織のバックハンドのショットがネットに当たってアウトとなり、A.ズベレフがブレークに成功。
第8ゲーム、30-0から錦織のドロップショット返しでのポイント、A.ズベレフのボレーミスがあり30-30まで行きますが、錦織に連続でミスが出て、A.ズベレフがキープ。
第9ゲーム、30-0から錦織のダブルフォルトとバックハンドのミス、A.ズベレフのリターンからの攻撃でのポイントがあり、30-40とA.ズベレフにセットポイント(ブレークポイント)が来ます。
錦織のフォアハンドが大きくアウトとなり、A.ズベレフが第1セットを先取。
錦織 | 第1セット | A.ズベレフ |
0 | サービスエース | 2 |
2 | ダブルフォルト | 1 |
70%(23/33) | ファーストサーブ確率 | 41%(9/22) |
57%(13/23) | 1st Serve Points Won | 100%(9/9) |
50%(5/10) | 2nd Serve Points Won | 54%(7/13) |
0%(0/0) | ブレイク / チャンス | 100%(2/2) |
4/4 | ネットポイント | 2/3 |
44%(24/55) | Total Points Won | 56%(31/55) |
7 | Winner 合計 | 10 |
3 | フォアハンド | 2 |
4 | バックハンド | 6 |
0 | サーブ | 2 |
13 | Unforced error 合計 | 9 |
5 | フォアハンド | 2 |
6 | バックハンド | 6 |
2 | サーブ | 1 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ● | ○ | ● | – | – | – | 6 | |||
A.ズベレフ | ○ | ● | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
○:キープ、●:ブレーク |
A.ズベレフのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、A.ズベレフのサービスエース、A.ズベレフのフォアハンドのミス、錦織の見事なロブショット、錦織の連続攻撃からのドロップショットが決まり、15-40と錦織にブレークチャンスが来ます。
錦織のグランドスマッシュのミスでA.ズベレフが1本凌ぎますが、A.ズベレフにフォアハンドのミスが出て、錦織がブレークに成功。
第2ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第3ゲーム、A.ズベレフのダブルフォルト2本などがあり、デュースまで行きますが、デュース2回目の後、A.ズベレフがキープ。
このゲームはA.ズベレフのファーストサーブが入らず、ダブルフォルトも出るなど付け入る隙がありましたが、錦織にもミスが出てしまい、もったいないゲームとなりました。
第4ゲーム、錦織のフォアハンドのミス、錦織のダブルフォルト、A.ズベレフの連続攻撃からのスマッシュが決まり、0-40とA.ズベレフにブレークチャンスが来ます。
錦織にダブルフォルトが出て、A.ズベレフがラブゲームでブレークバックに成功。
第5ゲーム、A.ズベレフのダブルフォルトが2本ありましたが、A.ズベレフがキープ。
第6ゲーム、錦織がキープ。
第7ゲーム、錦織のリターンからの攻撃でのポイント、リターンでの連続ポイントがあり、0-40と錦織にブレークチャンスが来ます。
ネットギリギリに落ちる錦織のスライスショットに対するA.ズベレフのショットがアウトとなり、錦織がラブゲームでブレークに成功。
第8ゲーム、錦織がサーブから主導権を握って攻めて行き、錦織がキープ。
第9ゲーム、錦織の深いリターンでのポイント、錦織の連続攻撃からのドロップショット、錦織のリターンでのポイントなどがあり、15-40と錦織にセットポイント(ブレークポイント)が来ます。
A.ズベレフのフォアハンドがサイドアウトとなり、錦織が第2セットを取ります。
A.ズベレフは第1セットに続いて第2セットもファーストサーブの入りが悪くセカンドサーブでのポイントが取れるかどうかというサービスゲームとなりましたが、第1セットと違って錦織のリターンが良くなったことで、A.ズベレフにとっては常にストローク戦に持ち込まれる苦しい展開となりました。
錦織 | 第2セット | A.ズベレフ |
0 | サービスエース | 2 |
2 | ダブルフォルト | 4 |
67%(12/18) | ファーストサーブ確率 | 35%(11/31) |
67%(8/12) | 1st Serve Points Won | 64%(7/11) |
67%(4/6) | 2nd Serve Points Won | 30%(6/20) |
75%(3/4) | ブレイク / チャンス | 100%(1/1) |
2/4 | ネットポイント | 1/3 |
61%(30/49) | Total Points Won | 39%(19/49) |
5 | Winner 合計 | 6 |
3 | フォアハンド | 2 |
2 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 2 |
10 | Unforced error 合計 | 16 |
6 | フォアハンド | 6 |
2 | バックハンド | 6 |
2 | サーブ | 4 |
ファイナルセット
ファイナルセット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | – | – | 6 | ||||
A.ズベレフ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスでファイナルセット開始。
第1ゲーム、30-0から錦織のフォアハンドのミス、ロングラリーでのA.ズベレフのポイント、錦織のフォアハンドのミスがあり、30-40と A.ズベレフにブレークチャンスが来ます。
錦織が中途半端なアプローチショットでネットに出ますが、A.ズベレフがパッシングのミスをして、デュースへ。(ポイント後の錦織の口の動きが「あぶねー」と言っている感じでした)
錦織にフォアハンドのミスが出て、A.ズベレフに再びブレークチャンスが来ますが、錦織が積極的に攻撃を仕掛けてフォアハンドのクロスへのウィナーを決めて凌ぎます。
デュース2回目、錦織のサービスエース、A.ズベレフのリターンミスがあり、錦織が何とかキープ。
第2ゲーム、錦織のリターンエース、A.ズベレフのフォアハンドのミス、錦織のすばらしいドロップショット(ジャックナイフの体勢からのドロップショット)などがあり、15-40と錦織にブレークチャンスが来ますが、A.ズベレフがサービスエース、ファーストサーブでポイントを取ってピンチを凌ぎ、デュースへ。
A.ズベレフが連続でポイントを取ってキープ。
第3ゲーム、錦織のバックハンドのクロスへのウィナー、錦織にとってアンラッキーなコードボールからのA.ズベレフのパッシングショット、錦織がサーブから攻撃の形を作ってのスマッシュ、錦織の左右に打ち分ける連続攻撃でのポイント、錦織のすばらしいコートカバーリングを見せてのパッシングショットがあり、錦織がキープ。
第4ゲーム、錦織のリターンからの攻撃でのポイント、A.ズベレフのダブルフォルトなどがあり30-30まで行きますが、A.ズベレフがファーストサーブで連続ポイントを取ってキープ。
第5ゲーム、錦織の華麗なタッチのボレー、フォアハンドのダウンザラインへのウィナー、ドロップショット、ファーストサーブでのポイントがあり、錦織がラブゲームでキープ。
第3ゲームから錦織がゾーンに入ったかのようにすばらしいプレーを続け、このいい時間帯に何とかブレークをしたいところですが、ファイナルセットに入ってからA.ズベレフのファーストサーブの確率が70%を超え、錦織がチャンスを作れません。
第6ゲーム、A.ズベレフがラブゲームでキープ。
第7ゲーム、錦織のフォアハンドのミス、ロングラリーでの錦織のポイント、錦織のバックハンドのミス、ロングラリーからの錦織のドロップショット、A.ズベレフのリターンミス、錦織のボレーミスがあり、デュースへ。
デュース2回目、A.ズベレフのフォアハンドのウィナーが決まり、A.ズベレフにブレークチャンスが来ますが、錦織がドロップボレーを決めて凌ぎます。
デュース3回目、錦織がゲームポイントを握ったところで、錦織が突然股抜きのドロップボレーを見せますが、わずかにアウト。
デュース4回目、A.ズベレフのバックハンドのミス、錦織のファーストサーブでのポイントが決まり、錦織がキープ。
ハイレベルなプレーの連続で9分を越える長いゲームとなり、このゲームを取るか取られるか勝負の分かれ目になる大事な局面でしたが、錦織にとって大きなキープとなりました。
第8ゲーム、40-30とA.ズベレフがゲームポイントを握りますが、A.ズベレフにダブルフォルトが出て、デュースへ。
錦織に連続でミスが出て、A.ズベレフがキープ。
第9ゲーム、セットの終盤で先にブレークしたほうが勝利するという状況となる中、A.ズベレフが早くポイントを決めようと力みが出てミスが増え、錦織がキープ。
第10ゲーム、ロングラリーでの錦織のポイント、A.ズベレフのバックハンドのミスがあり、0-30と錦織がポイントを先行します。
ここからA.ズベレフのドロップショット、A.ズベレフのファーストサーブでのポイント、ロングラリーでのA.ズベレフのポイント、錦織の連続攻撃からのドロップショットがあり、デュースへ。
錦織のドロップショットをA.ズベレフが何とか返しますが、錦織がA.ズベレフのボディへショットを打ってA.ズベレフのボレーが大きくアウトとなり、錦織にマッチポイント(ブレークポイント)が来ます。
錦織の深いリターンに押されたA.ズベレフのバックハンドが大きくアウトとなり、錦織が勝利。
錦織 | ファイナルセット | A.ズベレフ |
1 | サービスエース | 2 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
47%(18/38) | ファーストサーブ確率 | 68%(23/34) |
61%(11/18) | 1st Serve Points Won | 78%(18/23) |
75%(15/20) | 2nd Serve Points Won | 27%(3/11) |
33%(1/3) | ブレイク / チャンス | 0%(0/3) |
11/14 | ネットポイント | 5/10 |
54%(39/72) | Total Points Won | 46%(33/72) |
15 | Winner 合計 | 10 |
7 | フォアハンド | 6 |
7 | バックハンド | 2 |
1 | サーブ | 2 |
15 | Unforced error 合計 | 12 |
8 | フォアハンド | 2 |
7 | バックハンド | 8 |
0 | サーブ | 2 |
Hot Shot
ファイナルセットの第2ゲームで見せた錦織のジャンピングドロップショット。
試合振り返り・スタッツ
第2セット以降、錦織のリターンが良くなると、A.ズベレフはセカンドサーブでほとんどポイントが取れなくなり、ファイナルセットではファーストサーブの確率が上がったものの常にプレッシャーを感じながらのサービスゲームとなりました。
逆に錦織はセカンドサーブでもしっかりとポイントが取れており、この差が最後で響いて来たかなという感じでした。
そして、錦織の左右に打ち分けるストロークの展開力、連続攻撃からのドロップショット、A.ズベレフの厳しいコースへの厳しいパッシングショットに対してもしっかりと対応するネットプレーなど、ファイナルセットで見せた錦織の多彩な攻撃はすごかったです。
錦織のウィナー級のショットをことごとく返してくるA.ズベレフのディフェンス力もすばらしく、見応え充分のすばらしい試合でした。
錦織は準々決勝のチリッチ戦もすばらしいプレー内容でしたが、準決勝のA.ズベレフ戦の内容もすばらしく、トップ5との連戦で見せたこのパフォーマンスを見る限り、完全復活と言っていいのかなと思います。
錦織 | Match | A.ズベレフ |
1 | サービスエース | 6 |
4 | ダブルフォルト | 7 |
60%(53/89) | ファーストサーブ確率 | 49%(43/87) |
60%(32/53) | 1st Serve Points Won | 79%(34/43) |
67%(24/36) | 2nd Serve Points Won | 36%(16/44) |
57%(4/7) | ブレイク / チャンス | 50%(3/6) |
17/22 | ネットポイント | 8/16 |
53%(93/176) | Total Points Won | 47%(83/176) |
1,925m | Total Distance Run | 1,963m |
27 | Winner 合計 | 26 |
13 | フォアハンド | 10 |
13 | バックハンド | 10 |
1 | サーブ | 6 |
38 | Unforced error 合計 | 37 |
19 | フォアハンド | 10 |
15 | バックハンド | 20 |
4 | サーブ | 7 |
錦織の決勝の対戦相手は!?
錦織圭のモンテカルロ・マスターズ決勝の対戦相手は、世界ランキング1位のラファエル・ナダル(31歳・スペイン)。
過去の対戦成績は、錦織の2勝、ナダルの9勝。
クレーコートではナダルの2戦2勝。
直近の対戦は2016年のリオデジャネイロ五輪(ハード)の3位決定戦で、錦織がセットカウント2-1(6-2、6-7(1)、6-3)で勝利しています。
クレーコートで圧倒的な強さを誇るナダルから勝機を見出すのはとにかく難しいですが、今大会での錦織のパフォーマンスを見ると何かやってくれそうな期待もあり、どんな結果になるにせよ、クレー王者ナダルに挑む錦織の戦いを見届けたいと思います。
そして、あと1試合、怪我なく錦織の体が持ってくれることを祈るだけです。
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