2018年2月26日から3月3日(2018年第9週)にアカプルコ(メキシコ)で開催されるATP500「メキシコ・オープン(アビエルト・メキシコ・テルセル)」。
錦織圭の1回戦の対戦相手は、世界ランキング45位のデニス・シャポバロフ。
錦織とシャポバロフのプレイヤー情報、1回戦の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(1回戦)
過去に対戦はなく、初対戦となります。
※2018年2月27日時点(試合前)
錦織 圭 | シャポバロフ | |
0 勝 | 対戦成績 | 0 勝 |
26位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 45位 (45位) |
日本 | 国籍 | カナダ |
28歳 | 年齢 | 18歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1999年4月15日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 183cm / 75kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 左 / 片手 |
2007年 | プロ転向 | 2017年 |
3勝1敗 | 2018年成績 | 6勝5敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 0回 |
334勝156敗 | 通算成績 | 20勝20敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 0回 |
1回戦「錦織 vs シャポバロフ」の結果
試合日:現地時間 2月27日(火)
錦織 圭 (26位) | 1 | 77 | 3 | 1 |
デニス・シャポバロフ (45位) | 2 | 63 | 6 | 6 |
試合時間:2時間17分 |
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錦織圭(28歳・日本)はデニス・シャポバロフ(18歳・カナダ)に7-6(3)、3-6、1-6のフルセットの末に敗れ、1回戦で敗退となりました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | T | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 7 | 7 | ||||||
シャポバロフ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 3 | 6 | ||||||
○:サービスキープ、●:ブレーク、T:タイブレーク |
シャポバロフのサービスで試合開始。
第1ゲーム、シャポバロフのストロークミス2本とスマッシュミスがあり、15-40と錦織にブレークチャンスが来ますが、シャポバロフが凌いでデュースへ。
シャポバロフがサービスエースを決めるなど連続でポイントを取り、シャポバロフがキープ。
第2ゲーム、錦織がキープ。
第3ゲーム、シャポバロフはストロークが安定せずミスが出るなど、デュースまで行きますが、シャポバロフがキープ。
第4ゲーム、シャポバロフのバックハンドのウィナー、錦織の2本のミスなどがあり、15-40とシャポバロフにブレークチャンスが来ますが、錦織が凌いでデュースへ。
シャポバロフのミスにも助けられ、錦織がキープ。
第5ゲーム、シャポバロフがラブゲームでキープ。
第6ゲーム、錦織がサーブから攻めの形を作って、ラブゲームでキープ。
第7ゲーム、シャポバロフのダブルフォルトもあり15-30と錦織がポイントを先行しますが、シャポバロフがサービスエースを決めるなど3連続でポイントを取ってキープ。
第8ゲーム、錦織のダブルフォルトスタートとなりましたが、錦織が4連続でポイントを取ってキープ。
第9ゲーム、シャポバロフがキープ。
第10ゲーム、お互いにミスをし合う展開で30-30まで行きますが、錦織がキープ。
第11ゲーム、シャポバロフにダブルフォルトもありましたが、サービスエース2本やフォアハンドのウィナーを決めるなど、シャポバロフがキープ。
第12ゲーム、錦織がバックハンドのダウンザラインへのショットからの連続攻撃でバックハンドのクロスへのウィナーを決めるすばらしい攻撃を見せるなど、錦織がラブゲームでキープ。
タイブレーク(錦織 – シャポバロフ)
シャポバロフのサービス
1:シャポバロフのストロークミスで錦織がミニブレーク(1-0)
錦織のサービス
2:錦織がサーブから攻めの形を作ってキープ(2-0)
3:錦織のセカンドサーブに対して、シャポバロフがリターンエースを狙いますが、わずかにアウト(3-0)
シャポバロフのサービス
4:シャポバロフにダブルフォルトが出て、錦織がミニブレーク(4-0)
5:シャポバロフのフリーポイント(4-1)
錦織のサービス
6:シャポバロフの深いリターンを錦織がネットにかけ、シャポバロフがミニブレーク(4-2)
7:錦織のフリーポイント(5-2)
シャポバロフのサービス
8:錦織の厳しいコースへのリターンをシャポバロフが返せず、錦織がミニブレーク(6-2)
9:シャポバロフのフォアハンドのウィナー(6-3)
錦織のサービス
10:錦織のファーストサーブをシャポバロフが返せず、錦織が第1セットを先取(7-3)
錦織 | 第1セット | シャポバロフ |
0 | Aces | 5 |
1 | Double Faults | 3 |
54%(20/37) | 1st Serve | 44%(18/41) |
85%(17/20) | 1st Serve Points Won | 78%(14/18) |
71%(12/17) | 2nd Serve Points Won | 61%(14/23) |
0%(0/2) | Break Points Converted | 0%(0/2) |
54%(42/78) | Total Points Won | 46%(36/78) |
[スタッツ用語の補足]
・Aces:サービスエースの数
・Double Faults:ダブルフォルトの数
・1st Serve:ファーストサーブの確率
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Break Points Converted:リターン時にブレークチャンスでポイントを取得した確率。
・Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
シャポバロフ | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ● | – | – | – | 6 | |||
○:サービスキープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、錦織のファーストサーブの入りが悪く、ストロークでも2本のミスも出るなど、30-40とシャポバロフにブレークチャンスが来ます。
錦織にバックハンドのミスが出て、シャポバロフがブレークに成功。
第2ゲーム、シャポバロフの見事なバックハンドのウィナー、サービスエースなどがあり、シャポバロフがラブゲームでキープ。
第3ゲーム、錦織の連続ミスで0-30とシャポバロフにポイントを先行されますが、ここから錦織がすばらしい攻撃を見せるなど4連続でポイントを取ってキープ。
第4ゲーム、シャポバロフのミスと2本のダブルフォルトなどがあり、30-40と錦織にブレークチャンスが来ますが、シャポバロフが凌いでデュースへ。
錦織がこのゲーム3本目のブレークポイントを握ると、シャポバロフにダブルフォルトが出て、錦織がブレークバックに成功。
第5ゲーム、シャポバロフのフォアハンドのウィナー、錦織のダブルフォルトなどがあり、15-40とシャポバロフにブレークチャンスが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、ロングラリーで錦織のフォアハンドがネットにかかり、シャポバロフがブレークに成功。
第6ゲーム、シャポバロフのフォアハンドのウィナー2本などがあり、シャポバロフがキープ。
第7ゲーム、錦織がキープ。
第8ゲーム、シャポバロフのダブルフォルトやミスなどがあり、30-40と錦織にブレークチャンスが来ますが、シャポバロフが凌いでデュースへ。
シャポバロフのミスもあり、デュース後に錦織に2本のブレークポイントがありましたが、シャポバロフがピンチの場面でも攻めの姿勢を崩さず、ピンチを凌いでキープ。
第9ゲーム、40-15と錦織がゲームポイントを握ったところから、シャポバロフのウィナーや錦織のミスなどがあり、シャポバロフが4連続でポイントを取ってブレークに成功し、第2セットを取ります。
錦織 | 第2セット | シャポバロフ |
0 | Aces | 2 |
1 | Double Faults | 5 |
50%(16/32) | 1st Serve | 39%(14/36) |
56%(9/16) | 1st Serve Points Won | 71%(10/14) |
38%(6/16) | 2nd Serve Points Won | 50%(11/22) |
17%(1/6) | Break Points Converted | 75%(3/4) |
44%(30/68) | Total Points Won | 56%(38/68) |
ファイナルセット
ファイナルセット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | – | – | – | – | – | 1 | ||||||
シャポバロフ | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | – | 6 | |
○:サービスキープ、●:ブレーク |
シャポバロフのサービスでファイナルセット開始。
第1ゲーム、シャポバロフのダブルフォルトもあり0-30と錦織がポイントを先行しますが、錦織に2本のミスが出るなど、シャポバロフが4連続でポイントを取ってキープ。
第2ゲーム、錦織のミス2本とダブルフォルトなどがあり、30-40とシャポバロフにブレークチャンスが来ます。
セカンドサーブをシャポバロフがフォアハンドに回り込んでリターンエースを決め、シャポバロフがブレークに成功。
第3ゲーム、ファーストポイントで錦織にミスショットが出ると、錦織は思うようにプレーができていないことに怒りが爆発し、後ろの壁にラケットを投げつけてしまいます。
シャポバロフがラブゲームでキープ。
第4ゲーム、40-30と錦織がゲームポイントを握りますが、シャポバロフのバックハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、デュースへ。
3回目のデュースの後、錦織がキープ。
第5ゲーム、シャポバロフのミスとダブルフォルト、錦織のリターンエースなどがあり、30-40と錦織にブレークチャンスが来ますが、シャポバロフが凌いでデュースへ。
直後、錦織のパッシングショットが決まって再び錦織にブレークチャンスが来ますが、ここからシャポバロフが3本連続でファーストサーブだけでポイントを取り、シャポバロフがキープ。
第6ゲーム、錦織のダブルフォルト、シャポバロフのフォアハンドのウィナー、錦織のミスがあり、0-40とシャポバロフにブレークチャンスが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、サーブアンドボレーに出た錦織のボレーがアウトとなり、シャポバロフがブレークに成功。
第7ゲーム、シャポバロフのサービングフォーザマッチ。
シャポバロフのサービスエースが決まるなど、40-0とシャポバロフにマッチポイントが来ます。
ここでシャポバロフにダブルフォルトが出ますが、次のポイントでシャポバロフがフォアハンドのウィナーを決めて勝利。
錦織 | ファイナルセット | シャポバロフ |
0 | Aces | 4 |
2 | Double Faults | 3 |
43%(10/23) | 1st Serve | 56%(14/25) |
50%(5/10) | 1st Serve Points Won | 86%(12/14) |
38%(5/13) | 2nd Serve Points Won | 55%(6/11) |
0%(0/2) | Break Points Converted | 67%(2/3) |
35%(17/48) | Total Points Won | 65%(31/48) |
スタッツ
錦織は第1セットでは安定したサービスゲームを展開していましたが、第2セット以降はファーストサーブの入りが悪い上に、ファーストサーブが入った時のポイント取得率も50%台と低く、プレーの質がガクッと落ちてしまいました。
一方、シャポバロフのサーブはファーストサーブの確率も低く、ダブルフォルトが11本も出るなど、試合を通していい状態ではありませんでした。
ただ、シャポバロフの積極的に攻めてくるセカンドサーブに対して、錦織はリターンミスだったり、リターンを返してもその後のストロークでミスが出てしまったりと、ブレークチャンスの場面やチャンスを作りかけるところであと1本が決めきれない感じでした。
錦織 | Match | シャポバロフ |
0 | Aces | 11 |
4 | Double Faults | 11 |
50%(46/92) | 1st Serve | 45%(46/102) |
67%(31/46) | 1st Serve Points Won | 78%(36/46) |
50%(23/46) | 2nd Serve Points Won | 55%(31/56) |
10%(1/10) | Break Points Converted | 56%(5/9) |
46%(89/194) | Total Points Won | 54%(105/194) |
試合を振り返って
錦織は第1セットの内容は悪くはありませんでしたが、第2セットに入ると立ち上がりでいきなりブレークを許したり、ブレークバック直後にブレークを許したり、大事なポイントを取りきれなかったりと試合の流れに上手く乗れず、最後まで調子が上向くことはなく、そのままズルズルと最後まで行ってしまいました。
暑さで体力が削られたのか、体調が悪かったのか錦織は第2セット途中から表情が冴えず、体がダルそうなしぐさも時折見せるようになり、さらに自分の思ったようなプレーができずにフラストレーションだけがたまるという悪循環にはまってしまいました。
ツアー復帰戦となった前大会のニューヨーク・オープンでの錦織のプレーが想像以上に良かったので今大会での期待値が上がってしまいましたが、まだ復帰したばかりでブランクもあるので、しばらくは大会ごとに調子の波も大きいかもしれません。
今は怪我をせずに試合数をこなして試合勘や試合での体力を取り戻し、技術面も向上させるなど、焦らず前に進んで行って欲しいなと思います。(負け癖は付けて欲しくないですが…)
一方、若手の中で大きな注目を浴びている18歳のシャポバロフは、まだ荒削りな面もあってミスも多かったですが、躍動感のあるプレーで豪快なウィナーも決めるなど、最後まで攻撃的なテニスを見せていました。
シャポバロフは人気急上昇中ということでこの試合でも大きな声援をもらっていましたが、片手バックハンドで躍動感のあるプレーは見ていて華があってスター性も感じる選手なので、今後さらに化ける活躍を見せてくれるのか注目して見ていきたいです。
錦織の次に出場する大会は!?
錦織圭が次に出場する大会は、3月8日からインディアンウェルズ(アメリカ)で開催されるマスターズ1000「BNPパリバ・オープン」。
錦織はボールが跳ねるインディアンウェルズのコートを得意とはしていないので、今日のように思うようにプレーができない試合も出てきてしまうかもしれませんが、まずはしっかりと準備をして大会を迎えて欲しいなと思います。
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