2018年5月13日から5月20日(2018年第20週)にローマ(イタリア)で開催されるマスターズ1000「BNLイタリア国際(イタリア・オープン)」の準決勝の結果、準決勝後の暫定ランキング、放送予定を見ていきます。
・準決勝「ナダル vs ジョコビッチ」
ナダルが勝てばBNLイタリア国際4年ぶり10回目の決勝、ジョコビッチが勝てばBNLイタリア国際5年連続9回目の決勝進出となります。
・準決勝「チリッチ vs A.ズベレフ」
チリッチが勝てばBNLイタリア国際初の決勝(マスターズ2回目の決勝)、A.ズベレフが勝てばBNLイタリア国際2年連続2回目の決勝(マスターズ5回目の決勝)進出となります。
2018年 BNLイタリア国際 準決勝の結果
BNLイタリア国際の準決勝の結果です。
<日程(現地時間)>
・5月19日(土):準決勝
※以下、スコアにある各選手の()内の世界ランキングは2018年5月14日付のランキングです。
準決勝「ナダル vs ジョコビッチ」(トップハーフ)
過去の対戦成績は、ナダルの24勝、ジョコビッチの26勝。
クレーコートでは、ナダルの15勝、ジョコビッチの7勝。
※ビッグ4対決「ナダル vs ジョコビッチ」の対戦成績は!?
直近の対戦は2017年のマドリード・オープン(クレー)の準決勝で、ナダルがセットカウント2-0(6-2、6-4)で勝利しています。
[1] ラファエル・ナダル (2位) | 2 | 77 | 6 | |
[11] ノバク・ジョコビッチ (18位) | 0 | 64 | 3 | |
試合時間:1時間56分 |
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第1シードのラファエル・ナダル(31歳・スペイン)が第11シードのノバク・ジョコビッチ(30歳・セルビア)を7-6(4)、6-3のストレートで破り、BNLイタリア国際4年ぶり10回目の決勝進出を決めました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1ゲーム、ジョコビッチに2本のブレークポイントがありましたが、ナダルがキープ。
第2ゲームと第4ゲームをジョコビッチがラブゲームでキープ。
第6ゲーム、0-30とナダルが先行した場面でジョコビッチがフォアハンドとバックハンドで角度のあるクロスへのウィナーを連続で決め、30-40のナダルのブレークポイントの場面ではジョコビッチがロングラリーから角度のあるクロスへのバックハンドのショットでポイントを取り、デュースへ。
デュース1回目、ナダルの深いリターンからのフォアハンドのウィナーが決まり、ナダルにこのゲーム2本目のブレークポイントが来ると、ロングラリーで打ち勝ったナダルがブレークに成功。
第7ゲーム、決まったかと思われたポイントをお互いが拾い合うスーパープレーもあり、0-30とジョコビッチがポイントを先行しますが、ナダルが4連続でポイントを取ってキープ。
第9ゲーム、ナダルのサービングフォーザセット。
見応えのあるストローク戦が繰り広げられる中、15-40とジョコビッチにブレークポイントが来ると、ジョコビッチの深いショットをナダルが返すことができず、ジョコビッチが土壇場でブレークバックに成功。
その後はお互いキープをして、タイブレークに突入。
タイブレークでもすばらしいショットが飛び交い、ミニブレーク合戦の展開となります。
ミニブレークの数3本ずつで並び、5-4とナダルがポイントを先行したところからジョコビッチのサービス2本をナダルが連続でミニブレークをして、ナダルが第1セットを先取。
お互いのすばらしいプレーの連続で観客も大盛り上がりの熱戦となり、どちらが取ってもおかしくない第1セットでした。
第2セット
第3ゲーム、ファーストポイントでロングラリーからジョコビッチのコーナーギリギリを狙ったショットがアウトとなると、ジョコビッチが2ポイント目でネットダッシュ、3ポイント目でドロップショットを試みますが、ナダルとの打ち合いを避けた感じのこの作戦が裏目に出てしまい、ナダルがラブゲームでブレークに成功。
第2セットに入ってからナダルのファーストサーブの確率が上がり、ナダルは第6ゲームまで危なげなくキープを続け、ジョコビッチもブレークされた後は我慢強くキープを続けます。
第8ゲーム、40-30からナダルにダブルフォルトが出て、デュースへ。
ジョコビッチはナダルのプレーが少し落ちかけたこのゲームで何とかチャンスを作りたかったところでしたが、ナダルは勝負どころでしっかりとポイントを取って流れを渡さず、デュース3回目でナダルがキープ。
第9ゲーム、ジョコビッチは前のゲームのことを引きずっているのか、集中力を欠いたプレーで簡単に3本のミスをしてしまい、15-40とナダルにマッチポイント(ブレークポイント)が来ます。
ジョコビッチが1本凌ぎますが、ナダルのバックハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、ナダルが勝利。
スタッツ
1年ぶりに実現したナダルとジョコビッチの51回目の対戦は、ファンの期待に応えるレベルの高いすばらしい試合でした。
第1セットの熱戦の後、第2セットでは準々決勝からの日程が厳しかったジョコビッチの方に疲れが出始めた感じで、ナダルが優位に試合を進める展開となりました。
ナダル | Match | ジョコビッチ |
1 | サービスエース | 4 |
2 | ダブルフォルト | 0 |
60%(39/65) | ファーストサーブ確率 | 71%(45/63) |
64%(25/39) | 1st Serve Points Won | 60%(27/45) |
69%(18/26) | 2nd Serve Points Won | 61%(11/18) |
60%(3/5) | ブレイク / チャンス | 33%(1/3) |
11/13 | ネットポイント | 10/15 |
53%(68/128) | Total Points Won | 47%(60/128) |
2,119m | Total Distance Run | 2,167m |
22 | Winner 合計 | 26 |
16 | フォアハンド | 12 |
5 | バックハンド | 10 |
1 | サーブ | 4 |
14 | Unforced error 合計 | 20 |
6 | フォアハンド | 7 |
6 | バックハンド | 13 |
2 | サーブ | 0 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
・Total Distance Run:総走行距離。
準決勝「チリッチ vs A.ズベレフ」(ボトムハーフ)
過去の対戦成績は、チリッチの1勝、A.ズベレフの4勝。
クレーコートではA.ズベレフの1戦1勝。
直近の対戦は2017年のATPファイナルズ(室内ハード)のラウンドロビンで、A.ズベレフがセットカウント2-1(6-4、3-6、6-4)で勝利しています。
[4] マリン・チリッチ (5位) | 0 | 613 | 5 | |
[2] アレクサンダー・ズベレフ (3位) | 2 | 715 | 7 | |
試合時間:2時間1分 |
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第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(21歳・ドイツ)が第4シードのマリン・チリッチ(29歳・クロアチア)を7-6(13)、7-5のストレートで破り、BNLイタリア国際2年連続2回目の決勝進出を決めました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第5ゲーム、A.ズベレフにブレークポイントが1本ありましたが、チリッチがキープ。
第11ゲーム、A.ズベレフのスーパーショットが飛び出すなど、0-40とA.ズベレフに3本のブレークポイントが来ますが、チリッチがすばらしい集中力を見せてあと1本を許さず、5連続でポイントを取ってキープ。
チリッチはピンチがありながらもしっかりとキープを続け、A.ズベレフの方はブレークポイントを与えずキープを続けて、タイブレークに突入。
A.ズベレフがミニブレーク2本でいきなり4ポイントを連取しますが、A.ズベレフに連続でミスが出て、チリッチがミニブレークの数で並びます。
4-4からチリッチのサービス2本目をA.ズベレフがミニブレークをし、次のサービス2本をA.ズベレフがキープすればセットアップという場面でしたが、1本目でA.ズベレフにダブルフォルトが出て、チリッチが追い付きます。
その後、セットポイントが交互に行く中、緊迫したサービスでお互いがキープを続けます。
8-8からチリッチのサービス2本目でA.ズベレフにアンラッキーな判定でのポイントのやり直し(A.ズベレフが猛抗議)があり、やり直しのポイントでA.ズベレフがもったいないミスをしてしまい、怒りが爆発してラケットを破壊。
11-11からA.ズベレフのサービス2本目でA.ズベレフのフォアハンドのミスでチリッチがミニブレークをし、チリッチはサービス1本目をキープすればセットアップでしたが、丁寧に行きすぎてミスショットをしてしまい、A.ズベレフが追い付きます。
14-13とA.ズベレフにセットポイントが来た状態でのチリッチのサービス1本目。
チリッチが先に攻撃を仕掛けて行きますが、A.ズベレフのバックハンドのダウンザラインへのショットをチリッチが返すことができず、A.ズベレフが第1セットを先取。
第1セット後にA.ズベレフがトレーナーを呼んで、右の肩甲骨の下の辺りのマッサージを受けます。
第2セット
第1ゲーム、チリッチが積極的に攻撃を仕掛けて0-40とチリッチにブレークポイントが来ると、15-40からA.ズベレフにフォアハンドのミスが出て、チリッチがブレークに成功。
第8ゲーム、A.ズベレフがリターンをしっかり返球してチリッチを揺さぶり、15-40とA.ズベレフにブレークポイントが来ますが、チリッチが凌いでデュースへ。
デュース1回目、A.ズベレフのすばらしいコートカバーリングとチリッチのミスがあり、A.ズベレフがブレークバックに成功。
第12ゲーム、チリッチに3本のミスがあり、15-40とA.ズベレフにマッチポイント(ブレークポイント)が来ます。
チリッチが1本凌ぎますが、A.ズベレフのすばらしいディフェンスとコートカバーリングを見せてからのパッシングショットが決まり、A.ズベレフが勝利。
スタッツ
第1セット、第2セットともにどちらがとってもおかしくない接戦の展開でしたが、A.ズベレフの勝負強さが上回る結果となりました。
A.ズベレフは第2セットの第1ゲーム以外はブレークポイントを1本も与えず、この試合でも安定したサービスゲームを見せましたが、5月に入ってから休みがなく連戦(現在13連勝中)が続いており、疲労と右肩の状態が心配です。
チリッチ | Match | A.ズベレフ |
6 | サービスエース | 9 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
71%(60/85) | ファーストサーブ確率 | 75%(58/77) |
73%(44/60) | 1st Serve Points Won | 76%(44/58) |
52%(13/25) | 2nd Serve Points Won | 63%(12/19) |
50%(1/2) | ブレイク / チャンス | 22%(2/9) |
13/21 | ネットポイント | 5/11 |
48%(78/162) | Total Points Won | 52%(84/162) |
1,902m | Total Distance Run | 1,889m |
22 | Winner 合計 | 22 |
13 | フォアハンド | 6 |
3 | バックハンド | 7 |
6 | サーブ | 9 |
29 | Unforced error 合計 | 26 |
14 | フォアハンド | 15 |
15 | バックハンド | 10 |
0 | サーブ | 1 |
ハイライト動画
BNLイタリア国際の準決勝の2試合のハイライト動画です。
ドロー表(ベスト32・結果)
準決勝後の暫定ランキング(トップ30)
BNLイタリア国際の準決勝終了時点での暫定ランキングです。
暫定 順位 |
選手名 | 基礎 point |
round | result | 獲得 point |
SF後 point |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | フェデラー | 8,670 | 欠場 | – | – | 8,670 |
2 | ナダル | 7,770 | 準決勝 | ○ | 600 | 8,370 |
3 | A.ズベレフ | 5,015 | 準決勝 | ○ | 600 | 5,615 |
4 | チリッチ | 4,590 | 準決勝 | × | 360 | 4,950 |
5 | ディミトロフ | 4,860 | 2回戦 | × | 10 | 4,870 |
6 | デルポトロ | 4,360 | 3回戦 | × | 90 | 4,450 |
7 | アンダーソン | 3,625 | 2回戦 | × | 10 | 3,635 |
8 | ティエム | 3,185 | 2回戦 | × | 10 | 3,195 |
9 | ゴファン | 2,840 | 準々決勝 | × | 180 | 3,020 |
10 | イズナー | 2,945 | 2回戦 | × | 10 | 2,955 |
11 | C ブスタ | 2,235 | 準々決勝 | × | 180 | 2,415 |
12 | シュワルツマン | 2,120 | 2回戦 | × | 45 | 2,165 |
13 | クエリー | 2,130 | 1回戦 | × | 10 | 2,140 |
14 | B アグート | 2,120 | 欠場 | – | – | 2,120 |
15 | ソック | 2,065 | 2回戦 | × | 45 | 2,110 |
16 | プイユ | 1,985 | 2回戦 | × | 45 | 2,030 |
17 | エドマンド | 1,860 | 3回戦 | × | 90 | 1,950 |
18 | ベルディヒ | 1,890 | 1回戦 | × | 10 | 1,900 |
19 | フォニーニ | 1,715 | 準々決勝 | × | 180 | 1,895 |
20 | チョン | 1,775 | 欠場 | – | – | 1,775 |
21 | 錦織 圭 | 1,575 | 準々決勝 | × | 180 | 1,755 |
22 | ジョコビッチ | 1,305 | 準決勝 | × | 360 | 1,665 |
23 | キリオス | 1,630 | 欠場 | – | – | 1,630 |
24 | コールシュライバー | 1,530 | 3回戦 | × | 90 | 1,620 |
25 | ワウリンカ | 1,595 | 1回戦 | × | 10 | 1,605 |
26 | シャポバロフ | 1,483 | 3回戦 | × | 90 | 1,573 |
27 | マナリノ | 1,525 | 1回戦 | × | 10 | 1,535 |
28 | ラオニッチ | 1,525 | 欠場 | – | – | 1,525 |
29 | クライノビッチ | 1,506 | 欠場 | – | – | 1,506 |
30 | ズムル | 1,370 | 2回戦 | × | 45 | 1,415 |
基礎ポイントについては、『 ATPランキング試算(2018年5月・ローマ後)』をご覧ください。
1回戦を免除された第1シードから第8シードの選手が初戦敗退(2回戦敗退)となった場合、獲得ポイントは2回戦ではなく1回戦の10ポイントとなります。
ラウンド | 獲得ポイント |
---|---|
優勝 | 1,000 |
準優勝 | 600 |
準決勝 | 360 |
準々決勝 | 180 |
3回戦 | 90 |
2回戦 | 45 |
1回戦 | 10 |
準決勝の放送予定
GAORA、NHK・BS1、WOWOWメンバーズオンデマンドでの放送・配信が予定されています。
GAORA
GAORAでは、1回戦から決勝まで生中継で放送予定。
日付 | ラウンド | 放送時間 |
---|---|---|
5月19日(土) | 準決勝 1 | 21:28~24:30 |
5月20日(日) | 準決勝 2 | 2:58~6:00 |
NHK・BS1
NHKでは、BS1またはサブチャンネルのBS102chで錦織が出場する試合を中心に1回戦から決勝まで8試合を生中継で放送予定。
日付 | ラウンド | 放送時間 |
---|---|---|
5月19日(土) | 準決勝 1 | [ch102] 21:30~22:00 [BS1] 22:00~22:50 [ch102] 22:50~(23:30) |
5月20日(日) | 準決勝 2 | [BS1] 3:00~(5:00) |
・準決勝1「ナダル vs ジョコビッチ」
・準決勝2「チリッチ vs A.ズベレフ」
WOWOWメンバーズオンデマンド
WOWOWでは、WOWOWメンバーズオンデマンドで1回戦から決勝までを配信予定。
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