2018年5月13日から5月20日(2018年第20週)にローマ(イタリア)で開催されるマスターズ1000「BNLイタリア国際」。
錦織圭の準々決勝の対戦相手は、世界ランキング18位のノバク・ジョコビッチ(30歳・セルビア)。
錦織とジョコビッチのプレイヤー情報、準々決勝の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(準々決勝)
過去の対戦成績は、錦織の2勝、ジョコビッチの12勝。(錦織の11連敗中)
直近の対戦は2018年のマドリード・オープン(クレー)の1回戦で、ジョコビッチがセットカウント2-0(7-5、6-4)で勝利しています。
クレーコートではジョコビッチの5戦5勝。
※2018年5月18日時点(試合前)
錦織 圭 | ジョコビッチ | |
2 勝 | 対戦成績 | 12 勝 |
24位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 18位 (1位) |
日本 | 国籍 | セルビア |
28歳 | 年齢 | 30歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1987年5月22日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 188cm / 77kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2003年 |
12勝6敗 | 2018年成績 | 9勝6敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 0回 |
343勝161敗 | 通算成績 | 792勝169敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 68回 |
準々決勝「錦織 vs ジョコビッチ」の結果
試合日:現地時間 5月18日(金)
錦織 圭 (24位) | 1 | 6 | 1 | 3 |
[11] ノバク・ジョコビッチ (18位) | 2 | 2 | 6 | 6 |
試合時間:2時間21分 |
---|
錦織圭(28歳・日本)は第11シードのノバク・ジョコビッチ(30歳・セルビア)に6-2、1-6、6-3のフルセットの末に敗れ、準々決勝で敗退となりました。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | – | – | – | – | 6 | ||
ジョコビッチ | ○ | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
○:キープ、●:ブレーク |
第1セット
ジョコビッチのサービスで試合開始。
第1ゲーム、30-0からロングラリーでのジョコビッチのミス2本、錦織がストロークで攻めてポイントを取るなど、デュースへ。
デュース1回目、ロングラリーで錦織が打ち勝って、錦織にブレークポイントが来ますが、ジョコビッチがサーブで凌ぎます。
デュース3回目、ジョコビッチにバックハンドでミスが出て、再び錦織にブレークポイントが来ると、バックハンドのクロスの打ち合いでジョコビッチのアングルショットがサイドアウトとなり、錦織がブレークに成功。
第2ゲーム、40-15からジョコビッチのリターンでのポイント、ロングラリーでのジョコビッチのポイントがあり、デュースへ。
錦織のフォアハンドの角度のあるクロスへのウィナーとサービスエースが決まり、錦織がキープ。
第3ゲーム、ジョコビッチがすばらしいショットを連発し、ラブゲームでキープ。
第4ゲーム、錦織のサービスエース、見事なバックハンドのダウンザラインへのウィナー2本などがあり、錦織がキープ。
第5ゲーム、ジョコビッチのフォアハンドの逆クロスへのウィナー、錦織のドロップショット返し、錦織のフォアハンドのクロスへのカウンターショットでのウィナー、ジョコビッチのファーストサーブでのポイント、お互いにミス1本ずつがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織の深いリターンをジョコビッチが返すことができず、錦織にブレークポイント来ます。
錦織がリターンから攻めてドロップショットを打ち、ジョコビッチの返しが甘くなったところを錦織がフォアハンドのウィナーを決めてブレークに成功。
第6ゲーム、錦織がしっかりと攻め切ってキープ。
第7ゲーム、ジョコビッチのすばらしい展開の攻撃が続き、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第8ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
ジョコビッチのドロップショットのミス、錦織のバックハンドのウィナー、ジョコビッチのリターンエース、錦織のダブルフォルト、ジョコビッチのオンラインの厳しいショットでのポイント(ジョコビッチ吠える)があり、30-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
ジョコビッチにバックハンドのミスが出てデュースとなり、錦織がファーストサーブでの連続でポイントを取り、錦織が第1セットを先取。
錦織 | 第1セット | ジョコビッチ |
2 | サービスエース | 0 |
1 | ダブルフォルト | 0 |
77%(20/26) | ファーストサーブ確率 | 64%(18/28) |
70%(14/20) | 1st Serve Points Won | 61%(11/18) |
67%(4/6) | 2nd Serve Points Won | 50%(5/10) |
67%(2/3) | ブレイク / チャンス | 0%(0/1) |
3/3 | ネットポイント | 3/5 |
56%(30/54) | Total Points Won | 44%(24/54) |
12 | Winner 合計 | 7 |
6 | フォアハンド | 4 |
4 | バックハンド | 3 |
2 | サーブ | 0 |
8 | Unforced error 合計 | 9 |
5 | フォアハンド | 3 |
2 | バックハンド | 6 |
1 | サーブ | 0 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | – | – | – | – | – | 1 | ||||||
ジョコビッチ | ○ | ● | ○ | ● | ● | ○ | – | – | – | – | – | 6 | |
○:キープ、●:ブレーク |
ジョコビッチのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、ジョコビッチのフォアハンドのミス、錦織のもったいないフォアハンドとバックハンドのミス、錦織のリターンエース、ジョコビッチのバックハンドのミスがあり、30-40錦織にブレークポイントが来ますが、ジョコビッチが凌いで、デュースへ。
デュース1回目でジョコビッチがキープ。
第2ゲーム、ジョコビッチのフォアハンドのウィナー、錦織のフォアハンドのウィナー、ジョコビッチの見事なバックハンドのダウンザラインへのウィナーと深いリターンからのポイントがあり、15-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、ジョコビッチがバックハンドのダウンザラインへのショットからの連続攻撃でポイントを取り、ジョコビッチがブレークに成功。
第3ゲーム、ジョコビッチのバックハンドのミス、早いテンポのロングラリーで錦織が打ち勝ってのポイント、ジョコビッチのフォアハンドのウィナー、ジョコビッチのフォアハンドのミスなどがあり、30-40錦織にブレークポイントが来ますが、錦織にもったいないフォアハンドのミスが出て、デュースへ。
デュース1回目、錦織の逆を付くジョコビッチの見事なフォアハンドのウィナーとサービスエースが決まり、ジョコビッチがキープ。
第4ゲーム、ジョコビッチのドロップショット、錦織のバックハンドのダウンザラインへのウィナー、錦織のダブルフォルトとバックハンドのミスがあり、15-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
ジョコビッチがロングラリーで打ち勝って、ブレークに成功。
第5ゲーム、40-30からジョコビッチにダブルフォルトが出て、デュースへ。
デュース1回目、ジョコビッチのゲームポイントでまたもジョコビッチにダブルフォルトが出ます。
デュース2回目、錦織がリターンから攻めてスマッシュを決め、錦織にブレークポイントが来ると、ジョコビッチにフォアハンドのミスが出て、錦織が1ブレークバックに成功。
第6ゲーム、錦織のファーストサーブでのポイント、ジョコビッチのドロップショット、ジョコビッチの連続攻撃からのフォアハンドのウィナー、錦織のファーストサーブでのポイント、ジョコビッチのバックハンドのダウンザラインへのショットでのポイントがあり、30-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
ジョコビッチがリターンから攻めてスマッシュを決め、ブレークに成功。
第7ゲーム、ジョコビッチのサービングフォーザセット。
錦織は意識がファイナルセットに行っている感じで無理してプレーをしなくなり、ジョコビッチがキープして第2セットを取ります。
錦織 | 第2セット | ジョコビッチ |
0 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 2 |
59%(10/17) | ファーストサーブ確率 | 71%(22/31) |
40%(4/10) | 1st Serve Points Won | 68%(15/22) |
14%(1/7) | 2nd Serve Points Won | 33%(3/9) |
33%(1/3) | ブレイク / チャンス | 75%(3/4) |
2/3 | ネットポイント | 5/6 |
38%(18/48) | Total Points Won | 63%(30/48) |
4 | Winner 合計 | 12 |
3 | フォアハンド | 8 |
1 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 2 |
5 | Unforced error 合計 | 9 |
2 | フォアハンド | 3 |
2 | バックハンド | 4 |
1 | サーブ | 2 |
ファイナルセット
ファイナルセット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
ジョコビッチ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ● | – | – | – | 6 | |||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスでファイナルセット開始。
第1ゲーム、40-15と錦織がゲームポイントを握りますが、ジョコビッチのリターンでのポイント、ロングラリーでのジョコビッチのポイントがあり、デュースへ。
デュース1回目、ジョコビッチのミスにも助けられ、錦織が何とかキープ。
第2ゲーム、ファーストポイントで錦織がポイントを取ったかと思ったら、よく分からない判定でポイントのやり直しとなったり、40-0からジョコビッチのファーストサーブがフォルト(ホークアイでもアウト)で主審がアウト判定にしたにもかかわらず猛抗議をするジョコビッチを納得させることができずに錦織が仕方なく認める形でイン判定となったり、すっきりしないゲームとなって、ジョコビッチがラブゲームでキープ。
第3ゲーム、錦織のフォアハンドのミス、ロングラリーでジョコビッチの連続攻撃からのフォアハンドのウィナー、錦織の信じられないスマッシュミスがあり、0-40とジョコビッチにブレークポイントが来ます。
錦織が1本凌ぎますが、錦織にバックハンドのミスが出て、ジョコビッチがブレークに成功。
第4ゲーム、錦織のリターンから攻めてのポイント(錦織が小さくガッツポーズをして自分を鼓舞)、錦織のバックハンドのミス、ジョコビッチのフォアハンドのミス、ロングラリーでのジョコビッチのポイント、ジョコビッチのサービスエースとダブルフォルトがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織がリターンで攻めてポイントを取り、錦織にブレークポイントが来ると、錦織が攻める姿勢を貫いてポイントを取り、錦織がブレークバックに成功。
第2ゲームから第3ゲームの流れを見ると錦織の集中力が完全に切れそうな最悪の展開でしたが、もう一度気持ちを立て直しての錦織の見事なカムバックでした。
第5ゲーム、40-15からジョコビッチのリターンでの連続ポイントがあり、デュースへ。
錦織もすばらしいプレーを見せてはいますが、ジョコビッチの厳しい攻めもあり、なかなかあと1本が取れません。
デュース3回目、錦織のスマッシュ、ジョコビッチのバックハンドのミスがあり、錦織が何とかキープ。
ここでジョコビッチがコンタクトレンズの換えるために一旦コートを離れます。
第6ゲーム、ジョコビッチのコートの外から入れてくるフォアハンドのウィナー、ジョコビッチが先に攻めてのポイント、錦織のリターンでのポイント、ジョコビッチのバックハンドのミス、錦織が攻めていながら決めに行ったショットでミス、ロングラリーでの錦織のポイントがあり、デュースへ。
デュース1回目、ジョコビッチにフォアハンドのミスが出て、錦織にブレークポイントが来ますが、ロングラリーから錦織が決めに行ったバックハンドのダウンザラインへのショットがネットにかかります。
デュース2回目でジョコビッチがキープ。
第7ゲーム、錦織の深いショットでのポイント、錦織のフォアハンドのミス、ジョコビッチのバックハンドのクロスへのウィナー、錦織のファーストサーブでのポイント、ジョコビッチのリターンミスがあり、40-30と錦織がゲームポイントを握りますが、ジョコビッチがリターンから連続攻撃を仕掛けてウィナーを決め、デュースへ。
デュース1回目、バックハンドのクロスラリーからジョコビッチがストレートに切り返してポイントを取り、ジョコビッチにブレークポイントが来ますが、ジョコビッチにドロップショットのミスが出て、錦織が何とか耐えます。
デュース3回目、ジョコビッチがリターンでポイントを取り、再びジョコビッチにブレークポイントが来ると、ジョコビッチがリターンから攻めてポイントを取り、ジョコビッチがブレークに成功。
第8ゲーム、錦織が先に攻撃を仕掛けてのフォアハンドのウィナー、ジョコビッチのドロップボレーを錦織がしっかりと対処してのポイントがあり、0-30と錦織がポイントを先行します。
ジョコビッチのフォアハンドのダウンザラインへのオンラインのウィナー(天を仰ぐ錦織)、錦織のフォアハンドのミス、ジョコビッチのバックハンドのダウンザラインへのオンラインのウィナー(またオンラインかというかという感じで両手を上げる錦織)、錦織が先に攻撃を仕掛けてからのドロップショットが決まり、デュースへ。
デュース1回目、錦織が積極的に攻撃を仕掛けてポイントを取り、錦織にブレークポイントが来ますが、ロングラリーからジョコビッチがスマッシュを決めて凌ぎます。
錦織もすばらしい攻めを見せて粘りを見せますが、デュース3回目でジョコビッチがファーストサーブで連続ポイントを取ってキープ。
第9ゲーム、錦織のフォアハンドのミスとボレーミス、錦織の決めに行ってのフォアハンドのミスなどがあり、15-40とジョコビッチにマッチポイント(ブレークポイント)が来ます。
ジョコビッチの厳しいリターンを錦織が返すことができず、ジョコビッチが勝利。
錦織 | ファイナルセット | ジョコビッチ |
0 | サービスエース | 2 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
55%(23/42) | ファーストサーブ確率 | 68%(23/34) |
57%(13/23) | 1st Serve Points Won | 70%(16/23) |
32%(6/19) | 2nd Serve Points Won | 36%(4/11) |
33%(1/3) | ブレイク / チャンス | 60%(3/5) |
3/4 | ネットポイント | 1/3 |
43%(33/76) | Total Points Won | 57%(43/76) |
7 | Winner 合計 | 10 |
5 | フォアハンド | 6 |
2 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 2 |
18 | Unforced error 合計 | 16 |
11 | フォアハンド | 7 |
7 | バックハンド | 8 |
0 | サーブ | 1 |
試合振り返り・スタッツ
第1セットからハイレベルな試合展開となる中、錦織は3回戦のコールシュライバー戦に続いて、この試合も立ち上がりから完璧なプレーを見せます。
ジョコビッチも良いプレーをしていましたが、錦織が上回って第1セットを先取。
第2セットに入っても錦織はミスが少なくプレーレベルを維持できていましたが、ジョコビッチのプレーレベルが上がり、ジョコビッチのリターンからの攻撃に苦しめられるようになって、錦織の方がプレーに余裕がなくなって行った感じでした。
スコアは1-6と大差が付いてしまいましたが、お互いにブレークポイントを握り合う展開で、ジョコビッチのプレーの方が上回る中でも錦織にもセットが取れるチャンスもあった第2セットだったかなと思います。
ファイナルセットは第5ゲーム以降のお互いにデュースが続く試合展開の中で、錦織が取っていれば流れが変わっていたかもというゲームもありましたが、こういう試合展開で勝ち切るジョコビッチの強さを見せつけられた感じでした。
錦織 | Match | ジョコビッチ |
2 | サービスエース | 4 |
2 | ダブルフォルト | 3 |
62%(53/85) | ファーストサーブ確率 | 68%(63/93) |
58%(31/53) | 1st Serve Points Won | 67%(42/63) |
34%(11/32) | 2nd Serve Points Won | 40%(12/30) |
44%(4/9) | ブレイク / チャンス | 60%(6/10) |
8/10 | ネットポイント | 9/14 |
46%(81/178) | Total Points Won | 54%(97/178) |
2,726m | Total Distance Run | 2,751m |
23 | Winner 合計 | 29 |
14 | フォアハンド | 18 |
7 | バックハンド | 7 |
2 | サーブ | 4 |
31 | Unforced error 合計 | 34 |
18 | フォアハンド | 13 |
11 | バックハンド | 18 |
2 | サーブ | 3 |
錦織の次に出場する大会は!?
錦織圭が次に出場する大会は、5月27日からパリ(フランス)で開催されるグランドスラム「全仏オープン」。
まずはしっかりと休んで、全仏オープンでまたすばらしい活躍を見せて欲しいなと思います。
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