2018年10月22日から10月28日(2018年第43週)にウィーン(オーストリア)で開催されるATP500「エルステ・バンク・オープン」。
錦織圭の決勝の対戦相手は、世界ランキング8位のケビン・アンダーソン(32歳・南アフリカ)。
錦織とアンダーソンのプレイヤー情報、決勝の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(決勝)
過去の対戦成績は、錦織の4勝、アンダーソンの2勝。(ツアーの予選も含めると錦織の5勝、アンダーソンの2勝)
ハードコートでは、錦織の3勝、アンダーソンの2勝。(ツアーの予選も含めると錦織の4勝、アンダーソンの2勝)
直近の対戦は2018年のニューヨーク・オープン(室内ハード)の準決勝で、アンダーソンがセットカウント2-1(6-1、3-6、7-6)で勝利しています。
※2018年10月28日時点(試合前)
錦織 圭 | アンダーソン | |
4 勝 | 対戦成績 | 2 勝 |
11位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 8位 (5位) |
日本 | 国籍 | 南アフリカ |
28歳 | 年齢 | 32歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1986年5月18日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 203cm / 94kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2007年 |
40勝17敗 | 2018年成績 | 43勝16敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 1回 |
371勝172敗 | 通算成績 | 314勝217敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 4回 |
決勝「錦織 vs アンダーソン」の結果
試合日:10月28日(日)
[5] 錦織 圭 (11位) | 0 | 3 | 63 | |||
[2] ケビン・アンダーソン (8位) | 2 | 6 | 77 | |||
試合時間:1時間55分 |
---|
第5シードの錦織圭(28歳・日本)は第2シードのケビン・アンダーソン(32歳・南アフリカ)に3-6、6-7のストレートで敗れ、準優勝となりました。
勝利したアンダーソンは、エルステ・バンク・オープン初優勝(ATPワールドツアー500シリーズ初優勝)。
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
アンダーソン | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 6 | |||
○:キープ、●:ブレーク |
第1ゲーム、アンダーソンのサービスエース、錦織のフォアハンドのミス、錦織のフォアハンドのクロスへのウィナー、アンダーソンのフォアハンドのクロスへのウィナー(40-15)、錦織の深いリターンでのポイント、アンダーソンのファーストサーブでのポイントがあり、アンダーソンがキープ。
第2ゲーム、アンダーソンのバックハンドのクロスへのウィナー、錦織のファーストサーブでのポイント、アンダーソンのバックハンドのミス(30-15)、錦織のフォアハンドのミス、錦織にとってアンラッキーなコードボールでのアンダーソンのポイントがあり、30-40とアンダーソンにブレークポイントが来ます。
錦織のすばらしいストロークの展開からのスマッシュが決まり、デュースへ。
デュース2回目、錦織のバックハンドのスライスショットでのポイント、サーブアンドボレーのウィナーがあり、錦織がキープ。
第3ゲーム、錦織のパッシングショットでのポイント、サービスダッシュに出たアンダーソンの横を抜く錦織のリターンエース(0-30)、錦織のもったいないフォアハンドのミス、アンダーソンが先に攻撃を仕掛けてのボレーでのポイント、アンダーソンのフォアハンドのストレートへのウィナー(40-30)、アンダーソンのファーストサーブでのポイントがあり、アンダーソンがキープ。
第4ゲーム、錦織のバックハンドのミス、錦織のファーストサーブでのポイント、錦織のバックハンドのミス、バックハンドのクロスラリーでのアンダーソンのポイントがあり、15-40とアンダーソンにブレークポイントが来ます。
錦織のフォアハンドのストレートへのウィナー、錦織のバックハンドの深いショットでのポイントがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織のゲームポイントで錦織にダブルフォルトが出ます。
デュース2回目、錦織にフォアハンドのミスが出て、アンダーソンにブレークポイントが来ますが、錦織がフォアハンドの角度のあるクロスへのショットで凌ぎます。
デュース6回目、錦織にダブルフォルトが出て、アンダーソンにブレークポイントが来ますが、アンダーソンの厳しいリターンを錦織が何とか返球してポイントを取ります。
デュース8回目、アンダーソンのパッシングショットが決まり、アンダーソンにブレークポイントが来ます。
ストロークの打ち合いで錦織にバックハンドのミスが出て、14分を超える長いゲームの末にアンダーソンがブレークに成功。
第5ゲーム、アンダーソンのサービスエース、フォアハンドのミス、ファーストサーブでの3連続ポイントがあり、アンダーソンがキープ。
第6ゲーム、錦織のフォアハンドのクロスへのウィナー、セカンドサーブでのポイント、、ファーストサーブでのポイント、フォアハンドの逆クロスへのウィナーがあり、錦織がラブゲームでキープ。
第7ゲーム、錦織の深いリターンでのポイント、アンダーソンのセカンドサーブでのポイントとファーストサーブでのポイント(30-15)、錦織の深いリターンでのポイント、錦織のフォアハンドの深いショットでのポイントがあり、30-40と錦織にブレークポイントが来ます。
セカンドサーブに対する錦織のバックハンドのダウンザラインへのリターンがネットにかかり、デュースへ。
デュース1回目、錦織のフォアハンドのミス、アンダーソンのファーストサーブでのポイントがあり、アンダーソンがキープ。
第8ゲーム、アンダーソンのリターンエース、錦織のフォアハンドのクロスへの深いショットでのポイント、アンダーソンのバックハンドのミス、アンダーソンのリターンミス、錦織のファーストサーブでのポイントがあり、錦織がキープ。
第9ゲーム、アンダーソンのサービングフォーザセット。
アンダーソンのサービスエースとファーストサーブでのポイント(30-0)、錦織のフォアハンドの逆クロスへのショットでのポイント、錦織のバックハンドのストレートへのウィナー、アンダーソンのボレーミスがあり、30-40と錦織にブレークポイントが来ます。
アンダーソンがファーストサーブでポイントを取り、デュースへ。
デュース1回目、アンダーソンのサービスエースが決まり、アンダーソンにセットポイントが来ますが、アンダーソンにバックハンドのミスが出ます。
デュース2回目、アンダーソンのサービスエースが決まり、アンダーソンにセットポイントが来ますが、ストロークの打ち合いで錦織がポイントを取ります。
デュース3回目、アンダーソンのフォアハンドのクロスへのウィナーが決まり、アンダーソンにセットポイントが来ます。
錦織のバックハンドのスライスがネットにかかり、アンダーソンが第1セットを先取。
錦織 | 第1セット | アンダーソン |
1 | サービスエース | 5 |
2 | ダブルフォルト | 0 |
66% (27/41) | ファーストサーブ確率 | 51% (19/37) |
59% (16/27) | 1st Serve Points Won | 89% (17/19) |
57% (8/14) | 2nd Serve Points Won | 39% (7/18) |
0% (0/2) | ブレーク / チャンス | 17% (1/6) |
3/5 | ネットポイント | 3/7 |
35% (13/37) | Return Points Won | 41% (17/41) |
47% (37/78) | Total Points Won | 53% (41/78) |
11 | Winner 合計 | 16 |
5 | フォアハンド | 5 |
3 | バックハンド | 2 |
3 | サーブ | 9 |
15 | Unforced error 合計 | 18 |
6 | フォアハンド | 7 |
7 | バックハンド | 11 |
2 | サーブ | 0 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時に取得したポイント。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時に取得したポイント。
・Return Points Won:リターンゲームで取得したポイント。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | T | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 3 | 6 | ||||||
アンダーソン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 7 | 7 | ||||||
○:キープ、●:ブレーク、T:タイブレーク |
錦織のサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、錦織のファーストサーブでのポイント、アンダーソンのリターンミス、錦織のバックハンドのライジングでのウィナー、錦織のファーストサーブでのポイントがあり、錦織がラブゲームでキープ。
第2ゲーム、アンダーソンのファーストサーブでのポイントとセカンドサーブでのポイント、アンダーソンが先に攻撃を仕掛けてのポイント、錦織の深いリターンでのポイント、アンダーソンのサービスエースがあり、アンダーソンがキープ。
第3ゲーム、アンダーソンのフォアハンドのミス、錦織のファーストサーブでの3連続ポイントがあり、錦織がラブゲームでキープ。
第4ゲーム、アンダーソンの見事なボレーのウィナー、アンダーソンのフォアハンドのミス、アンダーソンのサービスエース、アンダーソンのボディへの錦織のパッシングショットでのポイント(30-30)、アンダーソンのセカンドサーブでのポイント、錦織のドロップショットのウィナーがあり、デュースへ。
デュース1回目、アンダーソンのファーストサーブでの連続ポイントがあり、アンダーソンがキープ。
第5ゲーム、アンダーソンの厳しいコースへのリターンからのボレーのウィナー、錦織のファーストサーブでの連続ポイント、アンダーソンの深いリターンでのポイント(30-30)、錦織のバックハンドのクロスへのショットでのポイント、錦織のバックハンドのクロスへのウィナーがあり、錦織がキープ。
第6ゲーム、アンダーソンのバックハンドのウィナー、フォアハンドのドライブボレーのウィナー、サービスエース、ファーストサーブでのポイントがあり、アンダーソンがラブゲームでキープ。
第7ゲーム、錦織のダブルフォルトとバックハンドのミス(0-30)、錦織が先に攻撃を仕掛けてのポイント、アンダーソンのフォアハンドのミスとリターンミス(40-30)、錦織のフォアハンドのストレートへのショットでのポイントがあり、錦織がキープ。
第8ゲーム、アンダーソンのサービスエースとセカンドサーブでのポイント、錦織のフォアハンドのミス、アンダーソンのファーストサーブでのポイントがあり、アンダーソンがラブゲームでキープ。
第9ゲーム、アンダーソンの深いリターンでの連続ポイント(0-30)、錦織のフォアハンドのダウンザラインへのウィナーとサービスエース、錦織にとってアンラッキーなコードボールでのアンダーソンのポイントがあり、30-40とアンダーソンにブレークポイントが来ます。
アンダーソンのドロップボレーに錦織がギリギリ追い付いてパッシングショットを決め、デュースへ。
デュース1回目、錦織のバックハンドの深いショットでのポイント、セカンドサーブでのポイントがあり、錦織がキープ。
第10ゲーム、アンダーソンのファーストサーブでのポイント、アンダーソンのフォアハンドのミス、アンダーソンのサービスエース、錦織のフォアハンドのクロスへのショットでのポイント(30-30)、アンダーソンのサービスエース、錦織のフォアハンドのミスがあり、アンダーソンがキープ。
第11ゲーム、錦織が先に攻撃を仕掛けてのポイント、錦織のフォアハンドの逆クロスへのウィナー、アンダーソンのもったいないボレーミス、錦織のファーストサーブでのポイントがあり、錦織がラブゲームでキープ。
第12ゲーム、アンダーソンのサービスエース、錦織のフォアハンドのミス、アンダーソンのダブルフォルト、アンダーソンのフォアハンドのクロスへのウィナー、アンダーソンのファーストサーブでのポイントがあり、アンダーソンがキープ。
タイブレーク(錦織 – アンダーソン)
錦織のサービス
1:アンダーソンが威力のあるリターンでポイントを取り、アンダーソンがミニブレーク(0-1)
アンダーソンのサービス
2:アンダーソンのファーストサーブでのポイント(0-2)
3:アンダーソンのフォアハンドの逆クロスへのウィナー(0-3)
錦織のサービス
4:錦織のフォアハンドに回り込んでのストレートへのウィナー(1-3)
5:アンダーソンのバックハンドのミス(2-3)
アンダーソンのサービス
6:アンダーソンのファーストサーブでのポイント(2-4)
7:アンダーソンのサービスエース(2-5)
錦織のサービス
8:錦織のファーストサーブでのポイント(3-5)
9:アンダーソンの深いリターンでのポイントがあり、アンダーソンがミニブレーク(3-6:アンダーソンのチャンピオンシップポイント)
アンダーソンのサービス
10:アンダーソンがファーストサーブでポイントを取り、アンダーソンが勝利(3-7)
錦織 | 第2セット | アンダーソン |
1 | サービスエース | 8 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
54% (20/37) | ファーストサーブ確率 | 65% (24/37) |
80% (16/20) | 1st Serve Points Won | 92% (22/24) |
71% (12/17) | 2nd Serve Points Won | 62% (8/13) |
0% (0/0) | ブレーク / チャンス | 0% (0/1) |
3/3 | ネットポイント | 4/7 |
19% (7/37) | Return Points Won | 24% (9/37) |
47% (35/74) | Total Points Won | 53% (39/74) |
14 | Winner 合計 | 20 |
5 | フォアハンド | 4 |
2 | バックハンド | 3 |
7 | サーブ | 13 |
8 | Unforced error 合計 | 12 |
5 | フォアハンド | 8 |
2 | バックハンド | 3 |
1 | サーブ | 1 |
試合振り返り・スタッツ
第1セット、第4ゲームでアンダーソンのすばらしいプレーと粘りもあり、錦織があと1本を決めきれず、デュース8回目でアンダーソンがブレークに成功。
第7ゲームと第9ゲームで錦織にブレークポイントが1本ずつありましたが、アンダーソンがキープを続けて第1セットを先取。
第2セット、アンダーソンのサーブの調子が上がってきたこともあり、錦織はリターンゲームでチャンスを作れませんでしたが、錦織も我慢してキープを続け、タイブレークに突入。
タイブレークでもアンダーソンがすばらしい集中力を見せ、アンダーソンが勝利。(アンダーソンを褒めるしかないという感じのタイブレークでした)
錦織としてはアンダーソンにプレッシャーをかけるためにも第1セットを取りたかったところでしたが、第1セットの第3ゲームの0-30の場面でのもったいないミス、第7ゲームの30-40のブレークポイントでのリターンミス(勝負をかけてのミス)など、リターンゲームで流れを左右しそうな大事なポイントを決めきれませんでした。
また、全体的に錦織のプレー自体は悪くなかった(自滅で崩れることはなかった)ですが、決勝という舞台で慎重なプレーになってしまったかなという感じでした。(アンダーソンから見たら錦織のプレーにそこまで怖さを感じなかったかもしれません)
一方、アンダーソンはとにかく先手必勝という感じでリスクを負って攻撃を仕掛け、その分ミスも出てはいましたが、サービスゲームでは簡単なミスはせずに大事な場面でファーストサーブをしっかり入れて来るなど、最後まですばらしい集中力を見せていました。
残念ながら錦織は今大会も準優勝に終わってしまいましたが、この大会で見せた錦織のプレーは本当にすばらしかったですし、今のテニスができていればまた優勝するチャンスは来ると思います。
錦織 | Match | アンダーソン |
2 | サービスエース | 13 |
2 | ダブルフォルト | 1 |
60% (47/78) | ファーストサーブ確率 | 58% (43/74) |
68% (32/47) | 1st Serve Points Won | 91% (39/43) |
65% (20/31) | 2nd Serve Points Won | 48% (15/31) |
0% (0/2) | ブレーク / チャンス | 14% (1/7) |
6/8 | ネットポイント | 7/14 |
27% (20/74) | Return Points Won | 33% (26/78) |
47% (72/152) | Total Points Won | 53% (80/152) |
25 | Winner 合計 | 36 |
10 | フォアハンド | 9 |
5 | バックハンド | 5 |
10 | サーブ | 22 |
23 | Unforced error 合計 | 30 |
11 | フォアハンド | 15 |
9 | バックハンド | 14 |
3 | サーブ | 1 |
ハイライト動画
エルステ・バンク・オープン決勝「錦織 vs アンダーソン」のハイライト動画です。
錦織が次に出場する大会は!?
錦織圭が次に出場する大会は、10月29日から11月4日にパリ(フランス)で開催されるマスターズ1000「ロレックス・パリ・マスターズ」。

第10シードの錦織は1回戦が免除され、2回戦からの出場となります。
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