2018年11月11日から11月18日(2018年第46週)にロンドン(イギリス)で開催されるATPワールドツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」。
錦織圭のラウンドロビン第3戦の対戦相手は、世界ランキング8位のドミニク・ティエム(25歳・オーストリア)。
錦織とティエムのプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報
過去の対戦成績は、錦織の3勝、ティエムの1勝。
ハードコートでは、錦織の1勝、ティエムの0勝。
直近の対戦は2018年のエルステ・バンク・オープン(室内ハード)の準々決勝で、錦織がセットカウント2-0(6-3、6-1)で勝利しています。
※2018年11月15日時点(試合前)
錦織 圭 | ティエム | |
3 勝 | 対戦成績 | 1 勝 |
9位 (4位) | 最新ランキング (最高) | 8位 (4位) |
日本 | 国籍 | オーストリア |
28歳 | 年齢 | 25歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1993年9月3日 |
178cm / 73kg | 身長 / 体重 | 185cm / 79kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 片手 |
2007年 | プロ転向 | 2011年 |
43勝20敗 | 2018年成績 | 53勝20敗 |
0回 | 2018年優勝回数 | 3回 |
374勝175敗 | 通算成績 | 224勝129敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 11回 |
ラウンドロビン第3戦「錦織 vs ティエム」の結果
試合日:11月15日(木)
[7] 錦織 圭 (9位) | 0 | 1 | 4 | |||
[6] ドミニク・ティエム (8位) | 2 | 6 | 6 | |||
試合時間:1時間24分 |
---|
第7シードの錦織圭(28歳・日本)は第6シードのドミニク・ティエム(25歳・オーストリア)に1-6、4-6のストレートで敗れ、ラウンドロビンで敗退となりました。(ラウンドロビン1勝2敗)
簡単に試合を振り返ります。
第1セット
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | – | – | – | – | – | 1 | ||||||
ティエム | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | – | 6 | |
○:キープ、●:ブレーク |
ティエムのサービスで試合開始。
第1ゲーム、ティエムのバックハンドのミスとフォアハンドのクロスへの深いショットでのポイント、錦織のバックハンドのミスとバックハンドの逆クロスへのショットでのポイント(30-30)、錦織のバックハンドの連続ミスがあり、ティエムがキープ。
第2ゲーム、錦織のセカンドサーブでのポイント、スマッシュのウィナー(30-0)、連続ダブルフォルト、フォアハンドのミスがあり、30-40とティエムにブレークポイントが来ます。
セカンドサーブに対してティエムがリターンミスをして、デュースへ。
デュース1回目、ティエムがフォアハンドの逆クロスへのショットでポイントを取り、ティエムにブレークポイントが来ます。
ラリー戦で錦織にフォアハンドのミスが出て、ティエムがブレークに成功。(錦織のファーストサーブIN:1/8)
第3ゲーム、錦織のもったいないボレーのミス、ティエムのファーストサーブでのポイント、錦織のリターンでのポイントとバックハンドのミス(40-15)、錦織のパッシングショットでのポイントとドロップショットのウィナーがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織のバックハンドのミスとティエムのファーストサーブでのポイントがあり、ティエムがキープ。(第3ゲームまでティエムのファーストサーブの確率は100%)
第4ゲーム、錦織のフォアハンドの逆クロスへの深いショットでのポイント、ティエムのパッシングショットのウィナー、錦織のフォアハンドのミス(15-30)、錦織が積極的に攻撃を仕掛けてのボレーでのポイント、錦織のファーストサーブでの連続ポイントがあり、錦織がキープ。
第5ゲーム、錦織のバックハンドのストレートへのカウンターショットでのポイント、ティエムのファーストサーブでのポイント、錦織のフォアハンドの角度のある逆クロスへのウィナー、ティエムのバックハンドのミスがあり、15-40と錦織にブレークポイントが来ます。
ティエムのファーストサーブでのポイントとフォアハンドの逆クロスへのショットでのポイントがあり、デュースへ。
デュース2回目、ティエムにダブルフォルトが出て、錦織にブレークポイントが来ますが、ティエムがサービスエースで凌ぎます。
デュース3回目、ラリー戦で錦織が打ち勝ってポイントを取り、錦織にブレークポイントが来ますが、今度はラリー戦でティエムが打ち勝ってピンチを凌ぎます。
デュース4回目、錦織の連続リターンミスがあり、ティエムがキープ。
第6ゲーム、錦織のダブルフォルト、ファーストサーブでのポイント、フォアハンドのミス(15-30)、錦織のドロップショットのウィナー、ティエムの深いリターンでのポイントがあり、30-40とティエムにブレークポイントが来ますが、ティエムにフォアハンドのミスが出て、デュースへ。
デュース1回目、錦織にバックハンドのミスが出て、ティエムにブレークポイントが来ますが、錦織が先に攻撃を仕掛けてスマッシュでポイントを取ります。
デュース2回目、ティエムが深いリターンでポイントを取り、ティエムにブレークポイントが来ますが、ティエムにリターンミスが出ます。
デュース3回目、錦織にフォアハンドのミスが出て、ティエムにブレークポイントが来ますが、錦織がファーストサーブで凌ぎます。
デュース5回目、錦織にバックハンドのミスが出て、ティエムにこのゲーム5本目のブレークポイントが来ます。
錦織にダブルフォルトが出て、ティエムがブレークに成功。
第7ゲーム、ティエムのサービングフォーザセット。
錦織のバックハンドのクロスへの深いショットでのポイント、ティエムのファーストサーブでのポイント、錦織のボレーのウィナー(15-30)、ティエムのフォアハンドのストレートへのウィナーとフォアハンドの逆クロスへのショットでのポイントがあり、40-30とティエムにセットポイントが来ますが、ティエムにバックハンドのミスが出て、デュースへ。
デュース1回目、ティエムのボレーのウィナーとフォアハンドのクロスへのウィナーがあり、ティエムが第1セットを先取。(錦織がラケットを叩きつけます)
錦織 | 第1セット | ティエム |
0 | サービスエース | 1 |
4 | ダブルフォルト | 1 |
43% (13/30) | ファーストサーブ確率 | 81% (29/36) |
69% (9/13) | 1st Serve Points Won | 62% (18/29) |
29% (5/17) | 2nd Serve Points Won | 57% (4/7) |
0% (0/4) | ブレーク / チャンス | 29% (2/7) |
5/7 | ネットポイント | 2/3 |
39% (14/36) | Return Points Won | 53% (16/30) |
42% (28/66) | Total Points Won | 58% (38/66) |
5 | Winner 合計 | 6 |
4 | フォアハンド | 3 |
1 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 1 |
24 | Unforced error 合計 | 10 |
9 | フォアハンド | 1 |
11 | バックハンド | 8 |
4 | サーブ | 1 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時に取得したポイント。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時に取得したポイント。
・Return Points Won:リターンゲームで取得したポイント。
・Total Points Won:取得した全ポイント。
第2セット
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
ティエム | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
○:キープ、●:ブレーク |
錦織のサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、ティエムのリターンミス、錦織のバックハンドのミス、ファーストサーブでの連続ポイント、見事なハイバックボレーのウィナーがあり、錦織がキープ。
第2ゲーム、ティエムのダブルフォルト、セカンドサーブでのポイント、錦織がリターンから攻めてのスマッシュでのポイント(15-30)、ティエムの見事なバックハンドのダウンザラインへのウィナー、錦織のバックハンドのミス(40-30)、錦織のリターンミスがあり、ティエムがキープ。
このゲームのティエムはファーストサーブが1本も入りませんでしたが、錦織はこのチャンスを活かせず。
第3ゲーム、ラリー戦での錦織のポイント、錦織のファーストサーブでのポイントとセカンドサーブでのポイント、ティエムのリターンミスがあり、錦織がラブゲームでキープ。
第4ゲーム、ティエムのドロップボレーでのポイントとファーストサーブでのポイント、錦織の深いリターンでのポイント、ティエムのバックハンドのクロスへの鋭いショットでのポイント(40-15)、錦織のフォアハンドのクロスへのリターンエース、錦織のフォアハンドのミス(ネットアウト)があり、ティエムがキープ。
第5ゲーム、錦織のフォアハンドのミスとバックハンドのミス(0-30)、ティエムのもったいないフォアハンドのミス(錦織助かる)、錦織のファーストサーブでの連続ポイント(40-30)、ティエムのバックハンドのクロスへの威力のあるショットでのポイントがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織にフォアハンドのミスが出て、ティエムにブレークポイントが来ますが、錦織がスーパープレー(すばらしい反応のネットプレーでのウィナー)で凌ぎます。(今日一番の歓声)
デュース2回目、錦織のフォアハンドのクロスへのスライスショットでのウィナー(ドロップショットを打つと見せかけて前に出ようとしたティエムの裏をかく)、錦織のネットプレーでのポイントがあり、錦織がキープ。
第6ゲーム、ティエムのフォアハンドのミス、フォアハンドのダウンザラインへのウィナー、サービスエース、ドロップショットのウィナー(40-15)、錦織のリターンでのポイント、ティエムが先に攻撃を仕掛けてのポイントがあり、ティエムがキープ。
第7ゲーム、錦織のバックハンドのミス、バックハンドの逆クロスへのウィナー、フォアハンドのミス(15-30)、ティエムのバックハンドのミス、錦織のファーストサーブでのポイント(40-30)、錦織のダブルフォルトがあり、デュースへ。
デュース1回目、錦織にフォアハンドのミスが出て、ティエムにブレークポイントが来ます。
ラリー戦で錦織が思い切った攻めができずにストロークが浅くなったところを、ティエムがバックハンドのストレートへのショットでポイントを取り、ティエムがブレークに成功。
第8ゲーム、ティエムのスマッシュのウィナーとパッシングショットのウィナー、ティエムのロブショットがアウト(ティエムがチャレンジしていればギリギリインでウィナーでした)、ティエムのフォアハンドのミス(30-30)、ティエムのセカンドサーブでのポイント、錦織の深いリターンでのポイントがあり、デュースへ。
デュース1回目、ティエムのフォアハンドの威力のあるショットでのポイントとファーストサーブでのポイントがあり、ティエムがキープ。
第9ゲーム、錦織のボレーのウィナー、バックハンドのミス、スマッシュでのポイント、ダブルフォルト(30-30)、錦織のフォアハンドの深いショットでのポイントとフォアハンドのクロスへのショットでのポイントがあり、錦織がキープ。
第10ゲーム、ティエムのサービングフォーザマッチ。
ティエムのファーストサーブでのポイント、錦織のリターンミス、ティエムの見事なパッシングショットのウィナーがあり、40-0とティエムにマッチポイントが来ます。
ティエムのサービスエースが決まり、ティエムが勝利。
錦織 | 第2セット | ティエム |
0 | サービスエース | 2 |
2 | ダブルフォルト | 1 |
73% (24/33) | ファーストサーブ確率 | 60% (18/30) |
71% (17/24) | 1st Serve Points Won | 72% (13/18) |
44% (4/9) | 2nd Serve Points Won | 67% (8/12) |
0% (0/0) | ブレーク / チャンス | 50% (1/2) |
8/11 | ネットポイント | 3/6 |
30% (9/30) | Return Points Won | 36% (12/33) |
48% (30/63) | Total Points Won | 52% (33/63) |
6 | Winner 合計 | 8 |
3 | フォアハンド | 4 |
3 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 2 |
17 | Unforced error 合計 | 11 |
7 | フォアハンド | 5 |
8 | バックハンド | 5 |
2 | サーブ | 1 |
ハイライト動画
Nitto ATPファイナルズ、ラウンドロビン第3戦「錦織 vs ティエム」のハイライト動画です。(0:00~1:27)
試合振り返り・スタッツ
第1セット、錦織が前の試合のアンダーソン戦からどれだけ修正できているかという大事な立ち上がりでしたが、第2ゲームで錦織はファーストサーブがまったく入らず、ダブルフォルト2本とストロークのミス2本などがあり、錦織の自滅でティエムがブレークに成功。
第6ゲームも錦織の自滅でティエムがブレークをし、ティエムが第1セットを先取。
第2セット、錦織は第5ゲームでのブレークポイントのピンチはスーパープレーで凌ぎましたが、第7ゲームで錦織のミスが絡んでティエムがブレークに成功。
ティエムがこのリードを守ってストレートで勝利。
錦織は第1セットの立ち上がりからとにかくミスが多く、アンダーソン戦とまったく同じ状況の重苦しい空気となってしまいましたが、やはり中1日で何とかなるレベルの問題ではなかったようです。
第2セットに入ってから錦織のファーストサーブは改善されましたが、自信を持ってストロークができないためファーストサーブの次の攻めに行くショットでミスをしたり、慎重になりすぎてただ返すだけになったり、ラリー戦で先に攻める中で詰めのショットが甘くなったりと、思うようなプレーができずにフラストレーションだけが溜まっていった感じでした。(いい時間帯もありましたが、長続きせず…)
一方、ラウンドロビン2敗のティエムも調子自体は良くありませんでしたが、第1セットではファーストサーブを確率重視でしっかり入れてゲームを組み立てたり、ストロークやリターンでは攻め急いでの凡ミスはしないようにしたりと、悪いなりにも今やれることを実践していた感じでした。
錦織 | Match | ティエム |
0 | サービスエース | 3 |
6 | ダブルフォルト | 2 |
59% (37/63) | ファーストサーブ確率 | 71% (47/66) |
70% (26/37) | 1st Serve Points Won | 66% (31/47) |
35% (9/26) | 2nd Serve Points Won | 63% (12/19) |
0% (0/4) | ブレーク / チャンス | 33% (3/9) |
13/18 | ネットポイント | 5/9 |
35% (23/66) | Return Points Won | 44% (28/63) |
45% (58/129) | Total Points Won | 55% (71/129) |
1,574m | Total Distance Run | 1,585m |
11 | Winner 合計 | 14 |
7 | フォアハンド | 7 |
4 | バックハンド | 4 |
0 | サーブ | 3 |
41 | Unforced error 合計 | 21 |
16 | フォアハンド | 6 |
19 | バックハンド | 13 |
6 | サーブ | 2 |
最後に
ATPファイナルズでの錦織は、初戦でフェデラーに勝利こそしたものの最後まで納得いくプレーができず、残念ながらラウンドロビンで敗退となってしまいました。
この大会のコートとボールが錦織に合っていなかったこともあるかと思いますが、全米オープンからパリ・マスターズまでの約2カ月間、ほとんど休みもなく戦い続けたことによる見えない疲労がかなり溜まっていたのではないかなと思います。
あとはパリ・マスターズの時点で調子が下降線に入っている感じがあったので、ATPファイナルズで調子の波がどん底に来てしまったのかなと…。
最後は何とも言えない結果に終わりましたが、今シーズンの錦織は2月に復帰してから先が見えない中で応援している側の予想を上回るすばらしい結果を残してくれたと思いますし、まずはしっかりと休んで疲れを取って欲しいなと思います。(オフの仕事はほどほどに…)
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