2017年ウィンブルドン(ロンドン)の3回戦の錦織圭選手の対戦相手は、世界ランキング19位のロベルト・バウティスタアグート選手。
錦織選手とバウティスタアグート選手のプレイヤー情報、3回戦の試合結果とスタッツを見ていきます。
プレイヤー情報(3回戦)
過去の対戦成績は、錦織選手の4勝0敗。
直近の試合は2016年のマイアミ・オープンの4回戦で、錦織選手が6-3、6-3のストレートで勝利。
過去の対戦成績については、選手名鑑『 ロベルト・バウティスタ・アグート 』で紹介しています。
芝では初対戦となります。
※2017年7月3日時点
錦織 圭 | バウティスタアグート | |
4 勝 | 対戦成績 | 0 勝 |
9位(4位) | 最新ランキング(最高) | 19位(13位) |
日本 | 国籍 | スペイン |
27歳 | 年齢 | 29歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1988年4月14日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 183cm / 76kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2005年 |
25勝10敗 | 2017年成績 | 26勝11敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 1回 |
326勝152敗 | 通算成績 | 190勝120敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 5回 |
3回戦「錦織vsバウティスタアグート」の結果
[9] 錦織 圭 (9位) | 1 | 4 | 63 | 6 | 3 | |
[18] ロベルト・バウティスタアグート (19位) | 3 | 6 | 77 | 3 | 6 | |
試合時間:3時間21分 |
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第1セットと第2セットは錦織選手に何度もブレイクチャンスがありましたが、なかなかあと1本が出ないという展開の中、バウティスタアグート選手が強力なフォアハンドを武器に粘りのあるすばらしいプレーを見せて2セット連取。
第3セットはこの試合10回目となるブレイクポイントをようやくモノにした錦織選手が取り返すものの、最後まで勢いが衰えなかったバウティスタアグート選手が第4セットを取って勝利。
錦織選手が早い段階でブレイクできていれば違った展開になっていたかもしれませんが、第1セットを錦織選手が自滅で落とし、逆にピンチでも粘りを見せていたバウティスタアグート選手にやれるという自信を付けさせてしまったかなと思います。
そして、第2セット以降もすばらしい集中力で戦い続けたバウティスタアグート選手に対して、錦織選手は第2セットでブレイクチャンスをなかなかモノにできずにセットを落とし、第4セットではダブルフォルトが絡んで2回もブレイクを許すなど、バウティスタアグート選手を上回るパフォーマンスを発揮することができませんでした。
錦織 | 試合全体 | B アグート |
5 | サービスエース | 3 |
7 | ダブルフォルト | 3 |
88/146 (60%) | ファーストサーブ確率 | 97/146 (66%) |
62/88 (70%) | 1st Serve Points Won | 73/97 (75%) |
30/58 (52%) | 2nd Serve Points Won | 23/49 (47%) |
26/37 (70%) | ネットポイント | 16/31 (52%) |
2/11 (18%) | ブレイク / チャンス | 3/11 (27%) |
52 | Winners | 40 |
48 | Unforced Errors | 29 |
142 | Total Points Won | 150 |
グラウンドストローク | ||
12 | FH Winners | 16 |
13 | BH Winners | 3 |
14 | FH Forced Errors | 18 |
10 | BH Forced Errors | 8 |
18 | FH Unforced Errors | 11 |
20 | BH Unforced Errors | 13 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
・FH:フォアハンド
・BH:バックハンド
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
バウティスタアグート(Bアグート)のサービスで試合開始。
第1ゲーム、Bアグートがキープ。
第2ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第3ゲーム、ストローク勝負では錦織が上回り30-40と錦織にブレイクチャンスが来ますが、Bアグートが凌いでデュースへ。
デュースになって錦織にブレイクチャンスがありましたが、Bアグートがキープ。
第4ゲーム、錦織のサービスエースが決まるなど、錦織がキープ。
第5ゲーム、Bアグートの2本のサービスエースなどがあり、Bアグートがキープ。
第6ゲーム、錦織のミス、Bアグートのすばらしいショットがあり30-40とBアグートにブレイクチャンスが来ますが、錦織がピンチを凌いでキープ。
第7ゲーム、錦織の上手いドロップショット返し、鋭いアングルのフォアハンドのウィナーが決まるなど30-30まで行きますが、Bアグートがキープ。
第8ゲーム、錦織がキープ。
第9ゲーム、Bアグートのダブルフォルト、錦織のドロップショット、リターンからの攻めが決まるなどデュースへ。
デュースになって錦織にブレイクチャンスがありましたが、Bアグートがキープ。
第10ゲーム、40-15から錦織の連続ミスでデュースへ。
デュースになって錦織のミスでBアグートにセットポイントが来ると、最後も錦織のミスでBアグートが第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
B アグート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | – | – | 6 | ||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織の方が優位に試合を進めていましたが、リターンでチャンスを作りながらモノにできず、第10ゲームに錦織がいきなり崩れてブレイクを許してセットダウン。
Bアグートに勢いを付けさせる第1セットの終わり方となってしまいました。
錦織 | 第1セット | B アグート |
1 | サービスエース | 3 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
19/32 (59%) | ファーストサーブ確率 | 25/37 (68%) |
14/19 (74%) | 1st Serve Points Won | 19/25 (76%) |
7/13 (54%) | 2nd Serve Points Won | 5/12 (42%) |
7/7 (100%) | ネットポイント | 4/8 (50%) |
0/3 (0%) | ブレイク / チャンス | 1/2 (50%) |
11 | Winners | 12 |
13 | Unforced Errors | 7 |
34 | Total Points Won | 35 |
グラウンドストローク | ||
2 | FH Winners | 6 |
4 | BH Winners | 0 |
2 | FH Forced Errors | 5 |
2 | BH Forced Errors | 4 |
6 | FH Unforced Errors | 2 |
7 | BH Unforced Errors | 4 |
第2セット
Bアグートのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、30-40と錦織にブレイクチャンスが来ますが、Bアグートが凌いでデュースへ。
デュースになって錦織も粘りを見せブレイクチャンスが1回ありましたが、Bアグートがキープ。
第2ゲーム、錦織がキープ。
第3ゲーム、Bアグートがキープ。
第4ゲーム、40-30から錦織のダブルフォルトでデュースまで行きますが、錦織がキープ。
第5ゲーム、錦織がしっかりとリターンを返してポイントにつなげ、15-40と錦織にブレイクチャンスが来ますが、Bアグートが4連続ポイントでキープ。
第6ゲーム、錦織のダブルフォルトやミスなどがあり30-40とBアグートにブレイクチャンスが来ますが、錦織がバックハンドのクロスへのウィナーを決めてデュースへ。
錦織のダブルフォルトで再びBアグートにブレイクチャンスが来ますが、錦織がドロップショットを決めて凌ぐと、最後はサービスエースを決めて錦織が何とかキープ。
第7ゲーム、デュースとなってBアグートにミスが出て錦織にブレイクチャンスが来ますが、Bアグートがキープ。
第8ゲーム、錦織がキープ。
第9ゲーム、Bアグートがラブゲームでキープ。
第10ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第11ゲーム、Bアグートがキープ。
第12ゲーム、錦織がしっかりとキープして、タイブレークへ。
タイブレーク、お互いサービスキープを続け、3-3から錦織のサービス2本目。
Bアグートがラインギリギリのショットで錦織を崩してから最後はボレーを決めて、Bアグートがミニブレイクに成功。
Bアグートがサービス2本をキープして、6-3とBアグートがリードして錦織のサービス2本。
1本目、Bアグートがリターンから攻めてポイントを取り、Bアグートが第2セットも連取。
第2セット | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | T | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 3 | 6 | ||||||
B アグート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 7 | 7 | ||||||
○:サービスキープ、●:ブレイク、T:タイブレーク |
ピンチの場面でしっかりファーストサーブを入れて凌ぐなどBアグートも良かったと思いますが、第1セットに続いて錦織が大事なポイントを取りきれない展開が続きました。
錦織 | 第2セット | B アグート |
2 | サービスエース | 0 |
3 | ダブルフォルト | 0 |
26/42 (62%) | ファーストサーブ確率 | 37/51 (73%) |
21/26 (81%) | 1st Serve Points Won | 26/37 (70%) |
9/16 (56%) | 2nd Serve Points Won | 10/14 (71%) |
10/16 (63%) | ネットポイント | 7/13 (54%) |
0/5 (0%) | ブレイク / チャンス | 0/2 (0%) |
15 | Winners | 10 |
13 | Unforced Errors | 12 |
45 | Total Points Won | 48 |
グラウンドストローク | ||
2 | FH Winners | 4 |
2 | BH Winners | 1 |
7 | FH Forced Errors | 5 |
2 | BH Forced Errors | 1 |
2 | FH Unforced Errors | 5 |
6 | BH Unforced Errors | 5 |
第3セット
錦織のサービスで第3セット開始。
第1ゲーム、錦織のミス、Bアグートのすばらしいショットなどがあり30-40とBアグートにブレイクチャンスが来ますが、錦織が凌いでデュースへ。
デュースになってBアグートにブレイクチャンスがありましたが、錦織が何とかキープ。
第2ゲーム、Bアグートがキープ。
第3ゲーム、0-30とBアグートにポイントを先行されますが、錦織のサーブからの組み立てやサービスエースなどがありデュースへ。
錦織のバックハンドのクロスへのウィナーが連続で決まって、錦織がキープ。
第4ゲーム、30-30までいきますが、Bアグートがキープ。
第5ゲーム、40-0から2本取られますが、錦織がキープ。
第6ゲーム、デュースまでいきますが、Bアグートがキープ。
第7ゲーム、錦織がキープ。
第8ゲーム、30-15から錦織のバックハンドのダウンザラインへのウィナー、Bアグートのミスで錦織にブレイクチャンスが来ますが、Bアグートが凌いでデュースへ。
デュースになって錦織が再びブレイクポイントを握ると、リターンから攻めてドロップショットが決まり、錦織がブレイクに成功。
第9ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
30-0から錦織のダブルフォルトやミスなどがあり、30-40とBアグートにブレイクチャンスが来ますが、錦織がフォアハンドの逆クロスへのウィナーを決めてデュースへ。
アドバンテージとなって錦織がフォアハンドの逆クロスへのウィナーを決めてキープし、第3セットを奪取。
第3セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | 6 | |||
B アグート | ○ | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第8ゲームに錦織がこの試合10回目のブレイクポイントをようやくモノにしましたが、ブレイク直後のサービングフォーザセットでダブルフォルトやミスが出て土壇場でブレイクバックを許しそうになるなど、なかなか錦織も乗り切れません。
錦織 | 第3セット | B アグート |
2 | サービスエース | 0 |
1 | ダブルフォルト | 0 |
25/42 (60%) | ファーストサーブ確率 | 19/34 (56%) |
17/25 (68%) | 1st Serve Points Won | 15/19 (79%) |
9/17 (53%) | 2nd Serve Points Won | 4/15 (27%) |
7/10 (70%) | ネットポイント | 3/7 (43%) |
1/2 (50%) | ブレイク / チャンス | 0/3 (0%) |
19 | Winners | 7 |
13 | Unforced Errors | 5 |
41 | Total Points Won | 35 |
グラウンドストローク | ||
7 | FH Winners | 1 |
5 | BH Winners | 1 |
4 | FH Forced Errors | 7 |
3 | BH Forced Errors | 3 |
7 | FH Unforced Errors | 2 |
4 | BH Unforced Errors | 3 |
第4セット
Bアグートのサービスで第4セット開始。
第1ゲーム、Bアグートのダブルフォルトやミスなどがあり15-40と錦織にブレイクチャンスが来ると、Bアグートの揺さぶりを錦織が広いコートカバーリングで凌いで最後はパッシングショットを決め、錦織がブレイクに成功。
第2ゲーム、30-30まで行きますが、錦織がキープ。
第3ゲーム、40-0からBアグートのダブルフォルト、錦織のリターンエースがありましたが、Bアグートがキープ。
第4ゲーム、錦織のダブルフォルト、Bアグートのバックハンドのウィナー、パッシングショットなどがあり30-40とBアグートにブレイクチャンスが来ます。
Bアグートがロングラリーで打ち勝ってブレイクバックに成功。
第5ゲーム、Bアグートがキープ。
第6ゲーム、40-15からBアグートのフォアハンドのウィナーが連続で決まってデュースへ。
またもBアグートのフォアハンドのウィナーが決まってBアグートにブレイクチャンスが来ますが、3連続でサーブでポイントを取って錦織がキープ。
第7ゲーム、Bアグートがラブゲームでキープ。
第8ゲーム、30-15から錦織の連続ダブルフォルトでBアグートにブレイクチャンスが来ますが、錦織が凌いでデュースへ。
デュースになって錦織のミスで再びBアグートにブレイクチャンスが来ると、Bアグートが攻め切ってブレイクに成功。
第9ゲーム、Bアグートのサービングフォーザマッチ。
40-0とBアグートがマッチポイントを握ると、最後は錦織のミスでBアグートがキープし、Bアグートがセットカウント3-1で勝利。
第4セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
B アグート | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | 6 | |||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織が先にブレイクに成功して流れが錦織に来るかなというところでしたが、Bアグートはミスが少なく伸びのあるフォアハンドでガンガン攻めてくるなどBアグートの勢いが最後まで落ちてこなかったです。
逆に錦織の方が第4ゲームと第8ゲームをダブルフォルトが絡んでブレイクを許すなど隙を見せてしまいました。
錦織 | 第4セット | B アグート |
0 | サービスエース | 0 |
3 | ダブルフォルト | 2 |
18/30 (60%) | ファーストサーブ確率 | 16/24 (67%) |
10/18 (56%) | 1st Serve Points Won | 13/16 (81%) |
5/12 (42%) | 2nd Serve Points Won | 4/8 (50%) |
2/4 (50%) | ネットポイント | 2/3 (67%) |
1/1 (100%) | ブレイク / チャンス | 2/4 (50%) |
7 | Winners | 11 |
9 | Unforced Errors | 5 |
22 | Total Points Won | 32 |
グラウンドストローク | ||
1 | FH Winners | 5 |
2 | BH Winners | 1 |
1 | FH Forced Errors | 1 |
3 | BH Forced Errors | 0 |
3 | FH Unforced Errors | 2 |
3 | BH Unforced Errors | 1 |
錦織の次の出場予定は!?
錦織選手の次の出場予定は、7月31日からワシントンD.C.(アメリカ)で開催されるATP500「シティ・オープン」。
芝シーズンは不完全燃焼で終わりましたが、とりあえずウィンブルドンでは久しぶりに怪我なく終われたのは良かったかなと思います。
得意の北米のハードコートシーズンでの巻き返しを期待したいところです。
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