2017年マイアミ・オープン(マイアミ)の3回戦、錦織選手の対戦相手は、世界ランキング30位のフェルナンド・ベルダスコ選手。
錦織選手のマイアミ・オープン3回戦のプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に4回戦の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(3回戦)
錦織選手とフェルナンド・ベルダスコ選手のプレイヤーデータの紹介です。
※大会前の2017年3月20日時点のデータ
錦織 圭 | ベルダスコ | |
2勝 | 対戦成績 | 2勝 |
4位(4位) | 最新ランキング(最高) | 30位(7位) |
日本 | 国籍 | スペイン |
27歳 | 年齢 | 33歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1983年11月15日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 185cm / 87kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 左 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2001年 |
12勝5敗 | 2017年成績 | 9勝6敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
313勝147敗 | 通算成績 | 467勝342敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 7回 |
選手名鑑『フェルナンド・ベルダスコ』では、ベルダスコ選手の選手紹介やツアー経歴など詳しく紹介しています。

錦織、3回戦の結果
アップダウンの激しい試合内容でフルセットまでもつれましたが、錦織選手が何とか勝利し、4回戦に進出。
[2] 錦織 圭(4位) | 2 | 77 | 65 | 6 |
[25] フェルナンド・ベルダスコ(30位) | 1 | 62 | 77 | 1 |
試合時間:2時間44分 |
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第1セット、錦織選手が先にブレイクするなど試合を優位に進めます。
このまますんなり行くかと思いきや、錦織選手が40-0からブレイクバックを許すなど隙を見せ、セットダウンのピンチもありましたが、何とか第1セットを先取。
第2セット、錦織選手がサービングフォーザマッチで試合を決めきれず、タイブレイクも落としてしまい、ベルダスコ選手が第2セットを奪取。
ファイナルセットでは、ベルダスコ選手の疲労もあり、錦織選手が主導権を握って試合を進め、織選手が勝利。
この試合のスタッツを見てみます。
ウィナーが多く、アンフォーストエラーも多い。
攻めの姿勢でのミスなら仕方ないところですが、錦織選手の安易なミスが連続で出るなど、もったいない場面が多々ありました。
ベルダスコ選手のミスも多く良い状態ではなかったので、錦織選手が決めるところをきちんと決めていたら、もっと楽に終わっていたかなという結果でした。
錦織 | 試合全体 | ベルダスコ |
4 | サービスエース | 7 |
3 | ダブルフォルト | 7 |
63%(73/116) | ファーストサーブ確率 | 63%(73/115) |
73%(53/73) | 1st Serve Points Won | 63%(46/73) |
47%(20/43) | 2nd Serve Points Won | 43%(18/42) |
33%(5/15) | ブレイク / チャンス | 23%(3/13) |
12/17 | ネットポイント | 8/15 |
54%(124/231) | Total Points Won | 46%(107/231) |
2,478m | Total Distance Run | 2,357m |
37 | Winner 合計 | 30 |
16 | フォアハンド | 13 |
14 | バックハンド | 7 |
7 | サーブ | 10 |
48 | Unforced error 合計 | 53 |
24 | フォアハンド | 28 |
21 | バックハンド | 18 |
3 | サーブ | 7 |
[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
Total Distance Run:総走行距離
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
錦織のサービスで試合開始。
第1ゲーム、錦織のダブルフォルトとミスで15-30とポイントを先行されるも、ここから3連続ポイントで錦織がキープ。
第2ゲーム、ベルダスコが40-15とゲームポイントを握るも、ここからベルダスコのミスなどもありデュースへ。
その後アドバンテージ錦織となったところでベルダスコのダブルフォルトで、錦織がブレイクに成功。
第3ゲーム、錦織のサーブが良く、錦織が40-0とゲームポイントを握るも、ここから錦織の3連続ミスでデュースへ。
しかし、ここから錦織が連続でウィナーを決めてキープ。
第4ゲーム、ベルダスコがラブゲームでキープ。
第5ゲーム、錦織のバックハンドのウィナーが決まるなど、錦織があっさりキープ。
第6ゲーム、ベルダスコのサーブが良く、ここもベルダスコがラブゲームでキープ。
第7ゲーム、錦織のバックハンドのウィナーやサーブでのフリーポイントもあり、40-0と錦織のゲームポイント。
しかし、錦織のファーストサーブがまったく入らない上に錦織のミスも重なって、ベルダスコが5連続ポイントでブレイクバックに成功。
第8ゲーム、ベルダスコがキープ。
第9ゲーム、錦織の3連続ミスで15-40とベルダスコにブレイクチャンス。
最後はベルダスコのフォアハンドのウィナーが決まり、ベルダスコがブレイクに成功。
第10ゲーム、ベルダスコのサービングフォーザセット。
錦織が粘りを見せ、0-40と錦織にブレイクチャンス。
しかし、ベルダスコがこのピンチを凌いでデュースへ。
ここから錦織の連続ポイントで、錦織がブレイクバックに成功。
この後、お互いキープでタイブレイクへ。
錦織がミニブレイク2本で5-2とリードすると、錦織のバックハンドの鋭い角度のクロスへのウィナーが決まり、錦織にセットポイント。
最後もバックハンドのクロスへのウィナーが決まり、錦織が第1セットを先取。
第1セット | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | T | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | 7 | 7 | ||||||
ベルダスコ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | 2 | 6 | ||||||
○:サービスキープ、●:ブレイク、T:タイブレイク |
錦織のサービスゲームで40-0となり、簡単に取れるかなというところでファーストサーブが入らない、ストロークでミスを連発するなど、突然悪いプレーが出てしまいました。
錦織にミスが続くなど悪い流れになったと思ったら、急にプレーが良くなったりとアップダウンが激しい第1セットでした。
第7ゲームで40-0からブレイクを許した場面、ここをしっかりキープしていればという第1セットでした。
錦織 | 第1セット | ベルダスコ |
2 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 1 |
56%(24/43) | ファーストサーブ確率 | 76%(32/42) |
71%(17/24) | 1st Serve Points Won | 59%(19/32) |
47%(9/19) | 2nd Serve Points Won | 50%(5/10) |
40%(2/5) | ブレイク / チャンス | 67%(2/3) |
4/6 | ネットポイント | 2/7 |
52%(44/85) | Total Points Won | 48%(41/85) |
15 | Winner 合計 | 8 |
6 | フォアハンド | 3 |
7 | バックハンド | 2 |
2 | サーブ | 3 |
20 | Unforced error 合計 | 20 |
12 | フォアハンド | 14 |
7 | バックハンド | 5 |
1 | サーブ | 1 |
第2セット
ベルダスコのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、40-15からベルダスコの連続ダブルフォルトでデュースへ。
ベルダスコが何とかキープ。
第2ゲーム、錦織がキープ。
第3ゲーム、錦織のリターンが良く、ストローク勝負に持ち込むとベルダスコに先にミスが出て、錦織がブレイクに成功。
第4ゲーム、ブレイク直後の大事なサービスゲーム。錦織がキープ。
第5ゲーム、40-0からベルダスコのミスもありデュースへ。
ベルダスコが何とかキープ。
コートチェンジの間、ベルダスコは右腕に痛みがあるようで、トレーナーを呼んでマッサージを受けます。
第6ゲーム、錦織のダブルフォルトと連続ミスで、0-40とベルダスコにブレイクチャンス。
このピンチの場面から錦織の5連続ポイントで、錦織が何とかキープ。
第7ゲーム、ベルダスコがキープ。
コートチェンジの間、ベルダスコはトレーナーを呼んで今度は左腕のマッサージを受けます。
第8ゲーム、30-40とベルダスコにブレイクチャンス。
このピンチで錦織のフォアハンドのウィナーが決まり、デュースへ。
デュースに入って錦織のダブルフォルトが出るなど、2度ブレイクポイントを握られるも、錦織が何とかキープ。
第9ゲーム、ベルダスコのダブルフォルトやミスもあり、30-40と錦織にマッチポイント。
しかし、ベルダスコがサービスエースで凌ぐと、連続ポイントでベルダスコがキープ。
ここでもコートチェンジ間に、ベルダスコが右腕のマッサージを受けます。
第10ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
錦織にミスが出て、15-40とベルダスコにブレイクチャンス。
錦織がフォアハンドのウィナーを決めるなど、このピンチを凌いでデュースへ。
しかし、最後は錦織のバックハンドのショットが大きく外れ、ベルダスコがブレイクバックに成功。
この後、お互いキープでタイブレイクへ。
先にベルダスコにミニブレイクを許すも、積極的に攻撃を仕掛ける錦織が2本ミニブレイク。
その後、お互い1本ずつミニブレイクをし、錦織が5-4とリードした状態で錦織のサービス2本。
しかし、ここからベルダスコが3連続でポイントを取り、ベルダスコが第2セットを奪取。
第2セット | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | T | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | 5 | 6 | ||||||
ベルダスコ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | 7 | 7 | ||||||
○:サービスキープ、●:ブレイク、T:タイブレイク |
第2セットは錦織がキープを続けていましたが、ブレイクポイントを与えすぎるなど良くない流れもあり、勝利目前でついにブレイクを許してしまいました。
錦織選手もアンフォーストエラーが多く、完全に主導権を握っている状況ではありませんでしたが、リードしていただけにこのセットで終わらせて欲しかったです。
錦織 | 第2セット | ベルダスコ |
1 | サービスエース | 4 |
2 | ダブルフォルト | 3 |
67%(32/48) | ファーストサーブ確率 | 58%(28/48) |
69%(22/32) | 1st Serve Points Won | 79%(22/28) |
44%(7/16) | 2nd Serve Points Won | 35%(7/20) |
50%(1/2) | ブレイク / チャンス | 11%(1/9) |
5/7 | ネットポイント | 5/6 |
50%(48/96) | Total Points Won | 50%(48/96) |
12 | Winner 合計 | 15 |
5 | フォアハンド | 6 |
4 | バックハンド | 3 |
3 | サーブ | 6 |
19 | Unforced error 合計 | 19 |
8 | フォアハンド | 8 |
9 | バックハンド | 8 |
2 | サーブ | 3 |
第3セット
第2セットを嫌な形で落としてしまい、メンタル面での影響が気になる立ち上がりです。
錦織のサービスでファイナルセット開始。
第1ゲーム、錦織が集中したプレーを見せてキープ。
第2ゲーム、錦織が2本のリターンエースを決めるなど、15-40と錦織にブレイクチャンス。
しかし、錦織はこのチャンスを生かせず、ベルダスコがキープ。
第3ゲーム、錦織が40-0とゲームポイントを握るも、錦織の2本のミスもありデュースへ。
ここでも錦織にミスが出て、ベルダスコにブレイクチャンス。
このピンチを凌ぐと、錦織のストロークが良くなり、錦織がキープ。
第4ゲーム、錦織がラリー戦で主導権を握り、0-40と錦織にブレイクチャンス。
ここからベルダスコのプレーが上回り、デュースへ。
錦織がこのゲーム5回目となるブレイクポイントを握ると、ベルダスコのダブルフォルトで錦織がブレイクに成功。
第5ゲーム、錦織のエアK、バックハンドのジャックナイフでのダウンザラインへのウィナー、サービスエースが決まるなど、錦織がラブゲームでキープ。
第6ゲーム、ベルダスコのダブルフォルトやミスもあり、15-40と錦織にブレイクチャンス。
最後は錦織の深いリターンをベルダスコが返せず、錦織がブレイクに成功。
第7ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
錦織のフォアハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、40-15と錦織にマッチポイント。
最後もフォアハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、錦織が勝利。
第3セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | – | 6 | |
ベルダスコ | ○ | – | – | – | – | – | 1 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第2セットまでの戦いでベルダスコは消耗してしまい、最終セットはベルダスコのサーブの確率や威力が落ち、錦織が主導権を握ってのゲーム展開となりました。
ブレイクした直後の第5ゲーム、錦織がギアを上げて一気に攻めていったところで勝負ありという感じでした。
錦織 | 第3セット | ベルダスコ |
1 | サービスエース | 1 |
0 | ダブルフォルト | 3 |
68%(17/25) | ファーストサーブ確率 | 52%(13/25) |
82%(14/17) | 1st Serve Points Won | 38%(5/13) |
50%(4/8) | 2nd Serve Points Won | 50%(6/12) |
25%(2/8) | ブレイク / チャンス | 0%(0/1) |
3/4 | ネットポイント | 1/2 |
64%(32/50) | Total Points Won | 36%(18/50) |
10 | Winner 合計 | 7 |
5 | フォアハンド | 4 |
3 | バックハンド | 2 |
2 | サーブ | 1 |
9 | Unforced error 合計 | 14 |
4 | フォアハンド | 6 |
5 | バックハンド | 5 |
0 | サーブ | 3 |
3回戦を振り返って
2017年シーズン、ここまで好調のベルダスコ選手。
この試合通してベルダスコ選手の良いプレーが続くと、かなり厳しい戦いになるなと見ていました。
試合に入るとベルダスコ選手は良いプレーもあれば凡ミスもあり、肝心な場面でダブルフォルトをするなど、手が付けられないほどの状態ではなく、この出来なら大丈夫かなという感じでした。
しかし、それ以上に錦織選手のアップダウンが激しく、良いプレーと悪いプレーがいつ飛び出すか分からない状態でした。
風の影響や、ベルダスコ選手がスライス系やいろんなスピン系のショットを混ぜるなど、錦織選手のタイミングを上手くずらしていたことが、錦織選手のストロークが安定しない要因だったかもしれません。
それにしても錦織選手のサービスゲームで40-0になると、一転してプレーが悪化する流れは一体何だったんでしょうか?
ベルダスコ選手の状態からもストレートで勝てていたなという感じですが、ファイナルセットで良いプレーも出て、とりあえず勝利できて良かったです。
錦織、4回戦の相手は!?
錦織選手の4回戦の相手は、世界ランキング57位のフェデリコ・デルボニス選手(26歳、アルゼンチン)。

ATPツアー(本戦)での過去の対戦成績は、0勝0敗。
過去に予選での対戦が1度だけあり、2011年のBNLイタリア国際の予選で錦織選手がフルセットで勝利しています。
マイアミでデルボニス選手と練習をしていて、しかも同じ左利きのベルダスコ選手と戦った後ということで、試合に入る上でイメージはしやいのではないでしょうか。
4回戦以降を見ると、準々決勝で左利きのヤング選手、準決勝で左利きのナダル選手と、左利き相手に4連戦なんて可能性もありますが、まずは次の4回戦をしっかり勝ち上がって欲しいです。
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