2017年マドリード・オープン(マドリード)2回戦の錦織選手の対戦相手は、世界ランキング40位のディエゴ・シュワルツマン選手。
錦織選手とシュワルツマン選手のプレイヤー情報、2回戦の試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に3回戦の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(2回戦)
※2017年5月8日時点
錦織 圭 | シュワルツマン | |
1勝 | 対戦成績 | 0勝 |
8位(4位) | 最新ランキング(最高) | 40位(34位) |
日本 | 国籍 | アルゼンチン |
27歳 | 年齢 | 24歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1992年8月16日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 170cm / 64kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2010年 |
15勝6敗 | 2017年成績 | 14勝12敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
316勝148敗 | 通算成績 | 45勝60敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 1回 |
2回戦「錦織vsシュワルツマン」の結果
[6] 錦織 圭(8位) | 2 | 1 | 6 | 6 |
ディエゴ・シュワルツマン(40位) | 1 | 6 | 0 | 4 |
試合時間:2時間0分 |
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右手首の怪我からの復帰戦となった錦織選手の2回戦。
久しぶりの試合な上にクレーコートでの感触がまだしっくりこないのか、錦織選手のミスが目立つなど第1セットをシュワルツマン選手が先取。
第2セットに入ると錦織選手のストロークが安定しシュワルツマン選手を圧倒する内容で、ベーグルで第2セットを取ってファイナルセットへ。
ファイナルセットはブレイク合戦の展開となりましたが、錦織選手がモノにして逆転で勝利。
この試合のスタッツを見てみます。
右手首の状態が気掛かりでしたが、フォアハンドウィナー15本とバックハンドウィナー22本。
決めに行ったショットでミスをするなど感覚のズレはまだあると思いますが、フォアハンドとバックハンドのどちらも威力のショットを最後まで打てていたので、まずは一安心という内容でした。
錦織 | 試合全体 | シュワルツマン |
5 | サービスエース | 1 |
0 | ダブルフォルト | 5 |
65%(60/92) | ファーストサーブ確率 | 63%(52/82) |
60%(36/60) | 1st Serve Points Won | 60%(31/52) |
44%(14/32) | 2nd Serve Points Won | 27%(8/30) |
46%(6/13) | ブレイク / チャンス | 31%(4/13) |
9/18 | ネットポイント | 6/13 |
53%(93/174) | Total Points Won | 47%(81/174) |
1,636m | Total Distance Run | 1,867m |
42 | Winner 合計 | 19 |
15 | フォアハンド | 13 |
22 | バックハンド | 5 |
5 | サーブ | 1 |
41 | Unforced error 合計 | 25 |
23 | フォアハンド | 11 |
18 | バックハンド | 9 |
0 | サーブ | 5 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
・Total Distance Run:総走行距離。
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
シュワルツマンのサービスで試合開始。
第1ゲーム、15-40と錦織にブレイクチャンスが来ますが、シュワルツマンがここから4連続ポイントでキープ。
第2ゲーム、デュースからシュワルツマンに4回ブレイクポイントがありましたが、錦織が凌いで何とかキープ。
第3ゲーム、30-30からシュワルツマンのダブルフォルトで錦織にブレイクチャンスが来ますが、ストロークでミスが出て決めきれません。
結局、30-40からシュワルツマンが3連続ポイントでキープ。
第4ゲーム、15-40とシュワルツマンにブレイクチャンス。
錦織のドロップショットがミスとなり、シュワルツマンがブレイクに成功。
このゲームの終わったところで錦織が右手首を気にする仕草を見せます。
第5ゲーム、錦織のリターンエース、バックハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、0-30と錦織がポイントを先行するもここから連続ミスが出るなど、シュワルツマンが4連続ポイントでキープ。
第6ゲーム、錦織のミスなどもあり30-40とシュワルツマンがブレイクポイントを握ると、最後も錦織にミスが出てシュワルツマンがブレイクに成功。
第7ゲーム、シュワルツマンのサービングフォーザセット。
40-30とシュワルツマンがセットポイントを握るとファーストサーブでフリーポイントを取り、シュワルツマンが第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | – | – | – | – | – | 1 | ||||||
シュワルツマン | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | – | 6 | |
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
立ち上がりにあったブレイクチャンスを錦織がモノにしていたら違った流れになっていたかもしれませんが、シュワルツマンのミスがほとんどなくシュワルツマンのいいところばかりが出たセットでした。
錦織 | 第1セット | シュワルツマン |
2 | サービスエース | 0 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
61%(20/33) | ファーストサーブ確率 | 61%(17/28) |
50%(10/20) | 1st Serve Points Won | 76%(13/17) |
38%(5/13) | 2nd Serve Points Won | 45%(5/11) |
0%(0/3) | ブレイク / チャンス | 33%(2/6) |
3/8 | ネットポイント | 2/3 |
41%(25/61) | Total Points Won | 59%(36/61) |
15 | Winner 合計 | 9 |
7 | フォアハンド | 5 |
6 | バックハンド | 4 |
2 | サーブ | 0 |
17 | Unforced error 合計 | 4 |
10 | フォアハンド | 0 |
7 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 2 |
第2セット
錦織のサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、大事な立ち上がり錦織がしっかりとキープ。
第2ゲーム、シュワルツマンのダブルフォルトで始まると、錦織がリターンから攻めて0-40と錦織にブレイクチャンス。
15-40からストローク勝負でシュワルツマンのショットがネットにかかり、錦織がブレイクに成功。
第3ゲーム、錦織にミスが出て0-30とシュワルツマンにポイントを先行されるも、ここから錦織が3ポイント連続でウィナーを決め、最後もすばらしいショットが決まって錦織がキープ。
第4ゲーム、0-30と錦織がポイントを先行すると、すばらしい組み立てからボレーを決めて錦織にブレイクチャンス。
最後はリターンエースを決めて錦織がラブゲームでブレイクに成功。
第5ゲーム、ここまで完璧にゲームを進めていた錦織にミスが出て、30-40とシュワルツマンにブレイクチャンスが来ましたが、シュワルツマンに力みが出てミス。
このピンチを凌ぐと、錦織がキープ。
第6ゲーム、このゲームでもシュワルツマンのリズムが悪くミスが出るなど、デュースへ。
ここでシュワルツマンのダブルフォルトで錦織にセットポイント(ブレイクポイント)が来ると、最後はフォアハンドの逆クロスのウィナーを決めて、錦織が第2セットを奪取。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ● | – | – | – | – | – | – | 6 |
シュワルツマン | – | – | – | – | – | – | 0 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第2セットに入ると錦織のストロークが安定し、錦織から攻撃を展開するようになると、逆にミスのなかったシュワルツマンが焦ってミスをするなど、第1セットとはまったく逆の内容になりました。
錦織 | 第2セット | シュワルツマン |
1 | サービスエース | 0 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
58%(11/19) | ファーストサーブ確率 | 53%(9/17) |
64%(7/11) | 1st Serve Points Won | 44%(4/9) |
75%(6/8) | 2nd Serve Points Won | 0%(0/8) |
75%(3/4) | ブレイク / チャンス | 0%(0/1) |
2/2 | ネットポイント | 1/1 |
72%(26/36) | Total Points Won | 28%(10/36) |
11 | Winner 合計 | 3 |
2 | フォアハンド | 3 |
8 | バックハンド | 0 |
1 | サーブ | 0 |
5 | Unforced error 合計 | 11 |
4 | フォアハンド | 6 |
1 | バックハンド | 3 |
0 | サーブ | 2 |
第3セット
錦織のサービスでファイナルセット開始。
第1ゲーム、錦織にミスが出て15-40とシュワルツマンにブレイクチャンスが来ますが、錦織がここから4連続ポイントでキープ。
第2ゲーム、シュワルツマンが40-30からサービスエースを決めてキープ。
第3ゲーム、錦織のストロークがよく40-15とゲームポイントを握ると、ポジションを後ろに下げているシュワルツマンに対して、錦織がドロップショットを決めてキープ。
第4ゲーム、ストローク勝負で主導権を握る錦織に15-40とブレイクチャンスが来ますが、決めに行った錦織のショットがアウトになるなど、デュースへ。
直後、錦織のリターンエースが決まり3回目のブレイクポイントを握ると、シュワルツマンがミスをして錦織がブレイクに成功。
第5ゲーム、30-40とシュワルツマンにブレイクチャンス。
このピンチは錦織が凌ぎますが、その後錦織のミスが続いてシュワルツマンがブレイクバックに成功。
第6ゲーム、デュースまでもつれますが、シュワルツマンがキープ。
第7ゲーム、錦織が連続でウィナーを決めるなど、しっかりとキープ。
第8ゲーム、デュースに持ち込んで錦織にブレイクチャンス。
リターンから攻めてフォアハンドの逆クロスのウィナーが決まり、錦織がブレイクに成功。
第9ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
連続でサーブでのフリーポイント、角度のあるバックハンドのウィナーが決まり、40-15と錦織にマッチポイント。
しかし、シュワルツマンのすばらしい粘りがありデュースへ。
4度あったマッチポイントを決めきれず、シュワルツマンが土壇場でブレイクバックに成功。
第10ゲーム、錦織のウィナーが連続で決まるなど、0-40と錦織にマッチポイントが来ます。
15-40からバックハンドのダウンザラインへのウィナーが決まり、錦織が逆転で勝利。
第3セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ● | – | – | 6 | ||||
シュワルツマン | ○ | ● | ○ | ● | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
追い込まれたところからのシュワルツマンの粘りもすごかったですが、長引かせないためにも第9ゲームでしっかりと決めて欲しかったです。
錦織の決めに行ったショットがわずかにアウトになるなどアンフォーストエラーが多かったですが、すばらしいウィナーも数多く決めていたので、この辺はこれから調整していく感じでしょうか。
錦織 | 第3セット | シュワルツマン |
2 | サービスエース | 1 |
0 | ダブルフォルト | 1 |
73%(29/40) | ファーストサーブ確率 | 70%(26/37) |
66%(19/29) | 1st Serve Points Won | 54%(14/26) |
27%(3/11) | 2nd Serve Points Won | 27%(3/11) |
50%(3/6) | ブレイク / チャンス | 33%(2/6) |
4/8 | ネットポイント | 3/9 |
55%(42/77) | Total Points Won | 45%(35/77) |
16 | Winner 合計 | 7 |
6 | フォアハンド | 5 |
8 | バックハンド | 1 |
2 | サーブ | 1 |
19 | Unforced error 合計 | 10 |
9 | フォアハンド | 5 |
10 | バックハンド | 4 |
0 | サーブ | 1 |
2回戦を振り返って
マドリード・オープン2回戦「錦織 vs シュワルツマン」ファイナルセットの第10ゲームのハイライト動画です。
世界ランキング自己最高を更新するなど、ストロークを武器に着実に力を付けてきているシュワルツマン選手が復帰戦の対戦相手。
また、シュワルツマン選手は1回戦で好調のラモスビノラス選手を圧倒するプレーを見せていたので、試合前は右手首の状態が気掛かりな錦織選手とのストローク勝負でどうなるのか不安なところがありました。
第1セットは見ての通りの良いとは言えない内容でしたが、第2セットに入ると錦織選手の状態が良くなり、ストローク勝負で主導権を握るなど最後までしっかりと威力のあるショットを打てていたので、復帰戦としてはいい内容だったと思います。
2回戦以降は休みなく連戦となるので、このまま右手首の痛みが出ずに試合をこなしてくれればなと思います。
錦織の3回戦の対戦相手は!?
錦織選手の3回戦の相手は、世界ランキング30位のダビド・フェレール選手。

過去の対戦成績は、錦織選手の8勝4敗。
フェレール選手は、怪我をしてからは以前のような躍動感のあるプレーが見られなくなっていますが、地元スペインの大会でキャリア通算700勝目がかかっており、かなり気合を入れて挑んでくると思います。
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