2017年BNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)の4回戦、錦織選手の対戦相手はドナルド・ヤング選手。
錦織選手のBNPパリバ・オープン4回戦のプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に準々決勝の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(4回戦)
錦織選手とドナルド・ヤング選手のプレイヤーデータの紹介です。
※大会前の2017年3月6日時点のデータ
錦織 圭 | ヤング | |
4勝 | 対戦成績 | 0勝 |
5位(4位) | 最新ランキング(最高) | 60位(38位) |
日本 | 国籍 | アメリカ |
27歳 | 年齢 | 27歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1989年7月23日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 183cm / 79kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 左 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2004年 |
9勝4敗 | 2017年成績 | 7勝4敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
310勝146敗 | 通算成績 | 104勝157敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 0回 |
選手名鑑『ドナルド・ヤング』では、ヤング選手の基本情報、選手経歴など詳しく紹介しています。

錦織、4回戦の結果
ジュニア時代からお互いをよく知る同世代対決となりましたが、錦織選手がストレートで勝利し、2年連続で準々決勝に進出。
[4] 錦織 圭(5位) | 2 | 6 | 6 | |
ドナルド・ヤング(60位) | 0 | 2 | 4 | |
試合時間:1時間17分 |
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第1セット、第1ゲームでいきなり錦織選手がブレイク。第7ゲームでもブレイクに成功するなど、錦織選手が主導権を握って第1セットを先取。
第2セットに入ると、ヤング選手が積極的に攻撃を仕掛け、先にブレイクを許します。
途中まではヤング選手のプレーがよく、錦織選手が押し込まれる場面がありましたが、ゲームカウント1-4となったところから錦織選手が5ゲーム連取で、ストレートで勝利。
この試合のスタッツを見てみます。
ヤング選手が錦織選手のセカンドサーブ時にまったくポイントが取れておらず、錦織選手のファーストサーブが入った時よりセカンドサーブの時の方が、ポイント取得率が高い結果となっています。
錦織選手のストロークに関しては、第2セットに入ってヤング選手のストロークが良かったときに、フォアハンドのフレームショットが目立ちミスが増えましたが、そこ以外は比較的安定していました。
一方、ヤング選手は良いプレーをしたと思ったらミスを連発し、勝負どころでポイントを落とすなど、アンフォーストエラーの数が多かったです。
錦織 | 試合全体 | ヤング |
1 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 4 |
60%(33/55) | ファーストサーブ確率 | 60%(34/57) |
61%(20/33) | 1st Serve Points Won | 62%(21/34) |
77%(17/22) | 2nd Serve Points Won | 43%(10/23) |
44%(4/9) | ブレイク / チャンス | 50%(1/2) |
5/6 | ネットポイント | 12/17 |
1,187m | Total Distance Run | 1,249m |
56%(63/112) | Total Points Won | 44%(49/112) |
13 | Winner 合計 | 14 |
7 | フォアハンド | 10 |
4 | バックハンド | 2 |
2 | サーブ | 2 |
18 | Unforced error 合計 | 25 |
13 | フォアハンド | 11 |
4 | バックハンド | 10 |
1 | サーブ | 4 |
[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
Total Distance Run:総走行距離
Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
ヤングのサービスで試合開始。
第1ゲーム、錦織のリターンとストロークがよく、30-40とブレイクチャンス。
これを1本で決め、錦織がいきなりブレイクに成功。
第2ゲーム、40-0と錦織のゲームポイントから、3連続で錦織がミス。
直後に錦織のダブルフォルトでヤングにブレイクチャンスがきましたが、これを凌いで錦織がキープ。
第3ゲーム、30-40と錦織にブレイクチャンス。しかし、ヤングがこれを凌いでキープ。
この後、第6ゲームまでお互いキープ。
第7ゲーム、ヤングのサービスゲームで、ヤングの良いプレーが出て40-30とゲームポイントを握りますが、ヤングがここからダブルフォルトを含め3連続ミスで、錦織がブレイクに成功。
第8ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
錦織の早い攻めが続いて40-0とセットポイントを迎えます。
最後はサービスエースを決め、錦織が第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | 6 | ||
ヤング | ○ | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織のファーストサーブの確率は高くないですが、セカンドサーブでもしっかりポイントを取れており、安定したサービスゲームを展開。
ヤングにも良いプレーが時折見られるものの流れを変えるまでには至らず、力差がそのまま出た第1セットとなりました。
錦織 | 第1セット | ヤング |
1 | サービスエース | 1 |
1 | ダブルフォルト | 2 |
56%(15/27) | ファーストサーブ確率 | 57%(16/28) |
73%(11/15) | 1st Serve Points Won | 56%(9/16) |
67%(8/12) | 2nd Serve Points Won | 42%(5/12) |
67%(2/3) | ブレイク / チャンス | 0%(0/1) |
5/6 | ネットポイント | 6/6 |
60%(33/55) | Total Points Won | 40%(22/55) |
8 | Winner 合計 | 7 |
4 | フォアハンド | 5 |
3 | バックハンド | 1 |
1 | サーブ | 1 |
8 | Unforced error 合計 | 12 |
5 | フォアハンド | 5 |
2 | バックハンド | 5 |
1 | サーブ | 2 |
第2セット
ヤングのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、ヤングが積極的に攻撃を仕掛け、ヤングがキープ。
第2ゲーム、積極的に攻めるヤングのショットにタイミングが合わないのか、錦織がフレームショットなどフォアハンドのミスが3本出て、30-40とヤングにブレイクチャンス。
最後も深く入ったヤングのショットに対してフレームショットとなり、ヤングがブレイクに成功。
第3ゲーム、ヤングのプレーが引き続き良く、ヤングがキープ。
第4ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第5ゲーム、ヤングの早い攻めが決まり、ヤングがラブゲームでキープ。
第6ゲーム、錦織がキープ。
ここまで前に出て良いプレーを続けていたヤングですが、ここから一気に崩れます。
第7ゲーム、ヤングにダブルフォルトやミスが出て、0-40と錦織にブレイクチャンス。
ヤングが2本凌ぎますが最後はミスが出て、錦織がブレイクバックに成功。
第8ゲーム、錦織がキープ。
第9ゲーム、錦織のストロークがヤングを上回り、15-40と錦織にブレイクチャンス。
ここはヤングが凌いでデュースへ。
しかし、最後はヤングのダブルフォルトで錦織がブレイクに成功。
第10ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
ヤングもあきらめず攻め続け15-30とヤングがポイントを先行しますが、錦織がウィナーとフリーポイントを取り、40-30とマッチポイントを迎えます。
最後もファーストサーブでフリーポイントを取り、錦織がストレートで勝利。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | – | – | 6 | ||||
ヤング | ○ | ● | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第2セット途中までは、ヤングのプレーが非常によく、対応しきれていない錦織にミスが出る展開が続きました。
しかし、錦織にストロークの安定感が戻って来ると、ヤングのプレーが落ちてきたところを見逃さず、錦織が一気に逆転。
最後は、現在の両者の立場通り、勝負強さの差が出た形となりました。
錦織 | 第2セット | ヤング |
0 | サービスエース | 1 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
64%(18/28) | ファーストサーブ確率 | 62%(18/29) |
50%(9/18) | 1st Serve Points Won | 67%(12/18) |
90%(9/10) | 2nd Serve Points Won | 45%(5/11) |
33%(2/6) | ブレイク / チャンス | 100%(1/1) |
0/0 | ネットポイント | 6/11 |
53%(30/57) | Total Points Won | 47%(27/57) |
5 | Winner 合計 | 7 |
3 | フォアハンド | 5 |
1 | バックハンド | 1 |
1 | サーブ | 1 |
10 | Unforced error 合計 | 13 |
8 | フォアハンド | 6 |
2 | バックハンド | 5 |
0 | サーブ | 2 |
4回戦を振り返って
まずはヤング選手について。
第2セットに入ってからヤング選手の良いプレーが続いていましたが、それを維持できずアンフォーストエラーが連続で出るなど、せっかく自分の方に来ている流れを自滅で手放してしまいました。
長い間、結果を残せていない要因はこういうところかなと思います。
錦織選手はストロークでアンフォーストエラーが多く、第2セットでフォアハンドのフレームショットが連発していたときは心配になってしまいました。
3回戦のミュラー選手との試合ではフォアハンドはよく見えたんですが、スピンの効いたショットが来るとタイミングがずれてしまう感じでしょうか。
第2セットはヤング選手の自滅に助けられたところもありましたが、悪いなりにもキープして、ヤング選手が見せた隙を見逃さず一気にたたみ掛けたのはさすがでした。
錦織、準々決勝の相手は!?
錦織選手の準々決勝の相手は、世界ランキング18位のジャック・ソック選手(アメリカ)。

過去の対戦成績は、錦織選手の1勝1敗。
直近の試合は2014年の上海ロレックス・マスターズの2回戦で、ソック選手が勝利。
当時は全米オープン準優勝後に、クアラルンプールと楽天ジャパン・オープンの連続優勝で連戦が続き、錦織選手の疲労が限界に来ている状態での対戦でした。
あれから2年近く対戦はありませんが、2017年に入ってASBクラシックとデルレイビーチ・オープンで優勝し、絶好調のソック選手。
ソック選手はボールが高く跳ねるこのコートと相性も良さそうなので、苦戦するかもしれませんが、錦織選手の対応力でここもしっかりと勝利して欲しいです。
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