2017年BNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)の3回戦、錦織選手の対戦相手はジレ・ミュラー選手。
錦織選手のBNPパリバ・オープン3回戦のプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に4回戦の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(3回戦)
錦織選手とジレ・ミュラー選手のプレイヤーデータの紹介です。
※大会前の2017年3月6日時点のデータ
錦織 圭 | ミュラー | |
3勝 | 対戦成績 | 0勝 |
5位(4位) | 最新ランキング(最高) | 28位(27位) |
日本 | 国籍 | ルクセンブルク |
27歳 | 年齢 | 33歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1983年5月9日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 193cm / 89kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 左 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2001年 |
9勝4敗 | 2017年成績 | 9勝5敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 1回 |
310勝146敗 | 通算成績 | 200勝181敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 1回 |
選手名鑑『ジレ・ミュラー』では、ミュラー選手の選手紹介やツアー経歴など詳しく紹介しています。
錦織、3回戦の結果
錦織選手がビッグサーバーのミュラー選手にストレートで勝利。
1時間11分の完勝で、4回戦に進出。
[4] 錦織 圭(5位) | 2 | 6 | 6 | |
[25] ジレ・ミュラー(28位) | 0 | 2 | 2 | |
試合時間:1時間11分 |
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第1セット、錦織選手のファーストサーブの確率が95%、サーブとストロークの調子の良さもあり、安定したサービスゲームを展開。
第3ゲームと第5ゲームでブレイクに成功すると、錦織選手が危なげなく第1セットを先取。
第2セットの第1ゲームでいきなり錦織選手がブレイクに成功すると、最後まで錦織選手のペースで試合が進み、ストレートで勝利。
苦戦が予想されたエバンス選手との2回戦に続き、好調ミュラー選手との3回戦も快勝し、錦織選手の調子はかなりよさそうです。
今日の試合のスタッツを見てみます。
サーブ、リターン、ストローク、フットワークなどすべてにおいて好調だった錦織選手。
特にサーブに関しては、ファーストサーブの確率が78%(第1セットは95%)と高いだけでなくプレースメントもよく、ミュラー選手に付け入る隙を与えませんでした。
また、ストロークがよく(ウィナー>アンフォーストエラー)、2回戦でミスのあったフォアハンドでウィナーを12本取るなど、しっかり修正していました。
一方、ミュラー選手はファーストサーブの確率49%、セカンドサーブのポイント取得率29%と、さすがにビッグサーバーでもこの数字ではキープすることが難しく、サービスゲームでかなり苦労していました。
ストローク勝負になると錦織選手が完全に上回るため、ミュラー選手はこのサーブの調子の悪さもあり、最後まで流れを引き寄せることができませんでした。
錦織 | 試合全体 | ミュラー |
3 | サービスエース | 10 |
1 | ダブルフォルト | 6 |
78%(38/49) | ファーストサーブ確率 | 49%(27/55) |
76%(29/38) | 1st Serve Points Won | 78%(21/27) |
55%(6/11) | 2nd Serve Points Won | 29%(8/28) |
40%(4/10) | ブレイク / チャンス | 0%(0/1) |
4/6 | ネットポイント | 4/10 |
59%(61/104) | Total Points Won | 41%(43/104) |
21 | Winner 合計 | 17 |
12 | フォアハンド | 2 |
4 | バックハンド | 5 |
5 | サーブ | 10 |
12 | Unforced error 合計 | 16 |
5 | フォアハンド | 3 |
6 | バックハンド | 7 |
1 | サーブ | 6 |
[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
ミュラーのサービスで試合開始。
第1ゲーム、ミュラーがサービスエース、フリーポイント、サービスエース、サービスエースとラブゲームでキープ。
いきなり絶好調と言わんばかりのサーブ連発で、攻略するのに苦戦しそうな立ち上がりとなります。
第2ゲーム、錦織にバックハンドとフォアハンドでミスがありましたが、サーブが非常によく錦織がキープ。
第3ゲーム、40-15とミュラーがゲームポイントを握るも、このゲームはファーストサーブがまったく入らず、ここから錦織が4ゲーム連取でブレイクに成功。
苦労するかと思われたミュラーのサーブでしたが、第3ゲームから急にファーストが入らなくなり、この後も錦織が主導権を握って試合が進んでいきます。
第4ゲーム、錦織があっさりキープ。
第5ゲーム、30-40と錦織がブレイクのチャンス。
ここはミュラーがサービスエースで凌ぐも、この後はファーストサーブが入らず、ストローク戦で分がある錦織がブレイクに成功。
第6ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第7ゲーム、ミュラーがキープ。
第8ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
このゲームもファーストサーブが決まり、主導権を握った錦織がキープし、第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
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1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ○ | – | – | – | – | 6 | ||
ミュラー | ○ | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織のサーブが好調で、ファーストサーブの確率がなんと95%!?
サービスゲームで失ったポイントもわずか5ポイントと、錦織が完璧なサービスゲームを展開。
一方でミュラーは、第1ゲームこそサービスエース3本など好調に見えましたが、ファーストサーブが急に入らなくなります。
セカンドサーブになると錦織が主導権を握ってラリーを展開するため、ミュラーにとっては非常に苦しいサービスゲームとなっていました。
錦織 | 第1セット | ミュラー |
2 | サービスエース | 7 |
0 | ダブルフォルト | 0 |
95%(20/21) | ファーストサーブ確率 | 50%(13/26) |
75%(15/20) | 1st Serve Points Won | 77%(10/13) |
100%(1/1) | 2nd Serve Points Won | 31%(4/13) |
67%(2/3) | ブレイク / チャンス | 0%(0/0) |
2/2 | ネットポイント | 1/5 |
60%(28/47) | Total Points Won | 40%(19/47) |
10 | Winner 合計 | 9 |
5 | フォアハンド | 0 |
3 | バックハンド | 2 |
2 | サーブ | 7 |
5 | Unforced error 合計 | 4 |
2 | フォアハンド | 2 |
3 | バックハンド | 2 |
0 | サーブ | 0 |
第2セット
ミュラーのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、ミュラーのダブルフォルトなどもあり15-40と錦織がブレイクのチャンス。
ミュラーがここを何とか凌いでデュースへ持ち込みましたが、最後は錦織のフォアハンドウィナーが決まり、錦織がいきなりブレイクに成功。
第2ゲーム、ブレイク直後のサービスゲームを錦織がしっかりキープ。
第3ゲームからお互いキープの展開が続きます。
第6ゲーム、30-40と錦織がこの試合初めてブレイクポイントを握られるも、これを凌いで錦織がキープ。
第7ゲーム、0-40と錦織にブレイクチャンスが来ますが、これをモノにできず。
その後、アドバンテージ・ミュラーとなるが、ここから3本連続ダブルフォルトで錦織がブレイクに成功。
第8ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
40-15から最後はファーストサーブでフリーポイントを取り、錦織がストレートで勝利。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | – | 6 | ||
ミュラー | ○ | ○ | – | – | – | – | 2 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
さすがに第1セットに比べるとファーストサーブの確率は落ちましたが、安定したサービスゲームを展開。
ミュラーはファーストサーブの確率が低く、ダブルフォルトも連発するなど、第2セットに入ってもサーブの状態が好転せず、一番の武器であるサーブが絶不調でした。
錦織 | 第2セット | ミュラー |
1 | サービスエース | 3 |
1 | ダブルフォルト | 6 |
64%(18/28) | ファーストサーブ確率 | 48%(14/29) |
78%(14/18) | 1st Serve Points Won | 79%(11/14) |
50%(5/10) | 2nd Serve Points Won | 27%(4/15) |
29%(2/7) | ブレイク / チャンス | 0%(0/1) |
2/4 | ネットポイント | 3/5 |
58%(33/57) | Total Points Won | 42%(24/57) |
11 | Winner 合計 | 8 |
7 | フォアハンド | 2 |
1 | バックハンド | 3 |
3 | サーブ | 3 |
7 | Unforced error 合計 | 12 |
3 | フォアハンド | 1 |
3 | バックハンド | 5 |
1 | サーブ | 6 |
3回戦を振り返って
まずはミュラー選手について。
左利きのビッグサーバーで、直近で対戦した2016年のスイス・インドアの印象が強く残っていたので、サーブが好調だったらかなり苦労するのでは思っていました。
蓋を開けてみたら、ミュラー選手のサーブが絶不調。
生命線のサーブがこれでは、さすがに錦織選手に勝つことは難しかったです。
一方、錦織選手はサーブが絶好調で、2回戦に続きストロークなど全体的に良かったです。
2回戦ではタイミングがずれてミスがあったフォアハンドでしたが、この試合では修正され、スピンの効いたショット、逆クロスへのショット、回りこんでのダウンザラインへのショットなど、ミスも少なくウィナーを多く取れていました。
第2セットでは、ストロークでちょっとミスが出る場面がありましたが、しっかり要所を締めてくれました。
錦織、4回戦の相手は!?
錦織選手の4回戦の相手は、世界ランキング60位のドナルド・ヤング選手(アメリカ)。
過去の対戦成績は、錦織選手の4勝0敗。
直近の試合は2016年の楽天ジャパン・オープンの1回戦で、フルセットで勝利。
ジュニア時代からのライバルのヤング選手。
現在は実績もランキングも大きく差が開いてしまいましたが、同世代の錦織選手に対しては並々ならぬ闘志を持って挑んでくると思います。
そして、ヤング選手はシード選手(クエリー選手とプイユ選手)を破っての4回戦進出なので、調子は良いと思いますが、この挑戦をしっかりと跳ね返して欲しいところです。
また、錦織選手の試合は、2回戦と3回戦に続き、4回戦も第1試合。
同じ時間帯で試合できるので、感覚も変わらずプレーできる点は、錦織選手にとってプラスに働くと思います。
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