2017年BNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)の2回戦、錦織選手の対戦相手はダニエル・エバンス選手。
錦織選手のBNPパリバ・オープン2回戦のプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に3回戦の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(2回戦)
錦織選手とダニエル・エバンス選手のプレイヤーデータの紹介です。
※大会前の2017年3月6日時点のデータ
錦織 圭 | エバンス | |
1勝 | 対戦成績 | 1勝 |
5位(4位) | 最新ランキング(最高) | 41位(41位) |
日本 | 国籍 | イギリス |
27歳 | 年齢 | 26歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1990年5月23日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 175cm / 75kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 片手 |
2007年 | プロ転向 | 2006年 |
9勝4敗 | 2017年成績 | 9勝4敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
310勝146敗 | 通算成績 | 30勝38敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 0回 |
選手名鑑『ダニエル・エバンス』では、エバンス選手の選手紹介やツアー経歴など詳しく紹介しています。

錦織、2回戦の結果
リオ・オープンの1回戦敗退から間隔が空きましたが、錦織選手はこの大会に向けてしっかりとリフレッシュと準備ができたようで、苦戦も予想されたエバンス選手相手にストレートで勝利。
[4] 錦織 圭(5位) | 2 | 6 | 6 | |
ダニエル・エバンス(41位) | 0 | 3 | 4 | |
試合時間:1時間24分 |
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第1セットの第1ゲーム、錦織選手がいきなりブレイクされる立ち上がりとなりましたが、すぐにブレイクバック。
エバンス選手が強力なフォアハンドを生かし、積極的に攻撃を仕掛けてきます。
しかし、錦織選手のストロークもよく、落ち着いた試合運びで第1セットを先取。
第2セットの途中からは錦織選手のサービスゲームも安定し、錦織選手がラリー戦でも主導権を握って、ストレートで勝利。
今日の試合のスタッツを見てみます。
苦手なインディアンウェルズのサーフェスとボールということで、上手く対応できるか心配されましたが、少しミスはあったとしてもこの試合を通してストロークは良かったと思います。
特に錦織選手のバックハンドが非常によく(ウィナー12本、アンフォーストエラー4本)、初戦から上手く適応しているように見えました。
一方、エバンス選手はファーストサーブの確率45%、セカンドサーブのポイント取得率35%と、サービスゲームで苦労していました。
錦織選手のリターンが良かったことから、エバンス選手はファーストサーブから無理を強いられたと思います。
また、エバンス選手は状況を打開するために、ネットプレーを仕掛けたりしましたが、これも錦織選手に上手く対処されました。
錦織 | 試合全体 | エバンス |
1 | サービスエース | 4 |
1 | ダブルフォルト | 5 |
69%(40/58) | ファーストサーブ確率 | 45%(28/62) |
73%(29/40) | 1st Serve Points Won | 75%(21/28) |
44%(8/18) | 2nd Serve Points Won | 35%(12/34) |
44%(4/9) | ブレイク / チャンス | 33%(2/6) |
11/17 | ネットポイント | 5/15 |
55%(66/120) | Total Points Won | 45%(54/120) |
20 | Winner 合計 | 17 |
7 | フォアハンド | 10 |
12 | バックハンド | 2 |
1 | サーブ | 5 |
15 | Unforced error 合計 | 18 |
10 | フォアハンド | 5 |
4 | バックハンド | 8 |
1 | サーブ | 5 |
[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
錦織のサービスで試合開始。
第1ゲーム、試合に入りきれてない錦織に対して、エバンスが積極的に攻撃を仕掛け、0-40と錦織がいきなりピンチ。エバンスがこれをモノにしブレイクに成功。
第2ゲーム、エバンスはセカンドサーブになるとポイントが取れず、錦織がブレイクバックに成功。
第3ゲーム以降はお互いキープの展開へ。
キープの展開の中でもお互いリターンがよく、セカンドサーブになるとポイントが取れない状況が続きます。
第8ゲーム、錦織がこのゲーム4回目のブレイクポイントをものにし、ブレイクに成功。
第9ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
エバンスにブレイクポイントを握られるピンチもありましたが、最後はファーストサーブでフリーポイントを取り、錦織が第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | – | 6 | |||
エバンス | ● | ○ | ○ | – | – | – | 3 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
エバンスはファーストサーブが入ればポイント取得率87%と高いものの、甘くなると錦織に主導権を握られるためファーストサーブで決めに行った結果、ファーストサーブが入らなくなる悪循環に陥っていた感じです。
錦織 | 第1セット | エバンス |
0 | サービスエース | 2 |
0 | ダブルフォルト | 2 |
70%(23/33) | ファーストサーブ確率 | 45%(15/33) |
65%(15/23) | 1st Serve Points Won | 87%(13/15) |
40%(4/10) | 2nd Serve Points Won | 22%(4/18) |
33%(2/6) | ブレイク / チャンス | 33%(1/3) |
4/6 | ネットポイント | 3/7 |
53%(35/66) | Total Points Won | 47%(31/66) |
6 | Winner 合計 | 10 |
2 | フォアハンド | 6 |
4 | バックハンド | 1 |
0 | サーブ | 3 |
7 | Unforced error 合計 | 12 |
5 | フォアハンド | 4 |
2 | バックハンド | 6 |
0 | サーブ | 2 |
第2セット
エバンスのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、錦織のストロークがよく、スーパーショットが飛び出すなど、主導権を握った錦織がいきなりブレイクに成功。
第2ゲーム、エバンスのフォアハンドでのウィナー、リターンエースなどもあり、0-40とエバンスにブレイクチャンス。
30-40まで粘るが、最後はエバンスのフォアハンドのランニングショットが決まり、エバンスがブレイクバックに成功。
第1セットと同様にお互いブレイクから始まり、第3ゲーム以降はキープの展開へ。
第9ゲーム、15-15からエバンスがダブルフォルト。直後ラケットを叩きつけて破壊するなど、隙を見せたエバンス。
その後、錦織が30-40とブレイクポイントを握ると、これをモノにしブレイクに成功。
第10ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
サーブ&ボレーを連続で仕掛けるなど、錦織が先に攻撃を仕掛けます。
最後はファーストサーブでフリーポイントを取り、錦織がストレートで勝利。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | 6 | ||||
エバンス | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織は第2ゲームでブレイクを許しましたが、その後は安定したサービスゲームを展開。
また、この試合は錦織のリターンがよく、エバンスはプレッシャーを感じる中でのサービスゲームが最後まで続いていました。
錦織 | 第2セット | エバンス |
1 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 3 |
68%(17/25) | ファーストサーブ確率 | 45%(13/29) |
82%(14/17) | 1st Serve Points Won | 62%(8/13) |
50%(4/8) | 2nd Serve Points Won | 50%(8/16) |
67%(2/3) | ブレイク / チャンス | 33%(1/3) |
7/11 | ネットポイント | 2/8 |
57%(31/54) | Total Points Won | 43%(23/54) |
14 | Winner 合計 | 7 |
5 | フォアハンド | 4 |
8 | バックハンド | 1 |
1 | サーブ | 2 |
8 | Unforced error 合計 | 6 |
5 | フォアハンド | 1 |
2 | バックハンド | 2 |
1 | サーブ | 3 |
2回戦を振り返っての感想
まずはエバンス選手について、ストローク勝負でも打ち負けずウィナーを取るなどフォアハンドが非常によく、1年前までチャレンジャーを転戦していたとは思えないくらい、ほんとに力を付けてきていると思います。
そして、錦織選手について、この試合が始まる前までは、アルゼンチン・オープンの決勝とリオ・オープンの1回戦で連敗し、苦手とされるインディアンウェルズの大会で、しかも初戦の相手が急速に力を付けてきているエバンス選手ということで、不安な要素がいっぱいありました。
そんな見ている側の心配を吹き飛ばすくらい、錦織選手らしいラリーの展開、ストロークの良さ、集中力が見れて、個人的にはいい内容の試合だったと思います。
バックハンドについては、クロスラリーでは角度と深さがあり、ダウンザラインへのショットは精度が高く、自信を持ってストロークできている感じでした。
フォアハンドで時折フレームショットや、クロスラリーでサイドラインを割ったり、ボールが浅くなってエバンス選手にチャンスを与える場面があったりと、修正すべき点はあると思いますが、初戦としてはいい感触でプレーできているように見えました。
錦織、3回戦の相手は!?
錦織選手の3回戦の相手は、世界ランキング28位のジレ・ミュラー選手(ルクセンブルク)。

過去の対戦成績は、錦織選手の3勝0敗。
直近の試合は2016年のスイス・インドアの準決勝。
ビッグサーバーのミュラー選手にサービスエースを20本決められる中、なんとかフルセットの末に勝利。
2017年1月にアピア国際シドニーでツアー初勝利を挙げ、ランキングも自己最高を更新するなど、33歳にて勢いを見せているミュラー選手。
3回戦も難しい試合になると思いますが、1戦1戦しっかり勝ち上がって行って欲しいです。
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