2017年シティ・オープン(ワシントンDC)の3回戦の錦織圭選手の対戦相手は、世界ランキング32位のフアン・マルティン・デルポトロ選手(28歳・アルゼンチン)。
錦織選手とデルポトロ選手のプレイヤー情報、3回戦の試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に錦織選手の準々決勝の対戦相手を紹介します。
プレイヤー情報(3回戦)
過去の対戦成績は、錦織選手の1勝5敗。
直近の試合は2017年のBNLイタリア国際の準々決勝で、デルポトロ選手がセットカウント2-0(7-6、6-3)で勝利しています。
過去の対戦成績については、選手名鑑『 フアン・マルティン・デルポトロ 』で紹介しています。
※2017年8月3日(試合前)時点
錦織 圭 | デルポトロ | |
1 勝 | 対戦成績 | 5 勝 |
9位(4位) | 最新ランキング(最高) | 32位(4位) |
日本 | 国籍 | アルゼンチン |
27歳 | 年齢 | 28歳 |
1989年12月29日 | 生年月日 | 1988年9月23日 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 198cm / 97kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2005年 |
28勝11敗 | 2017年成績 | 15勝8敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
329勝153敗 | 通算成績 | 361勝148敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 19回 |
3回戦「錦織vsデルポトロ」の結果
[2] 錦織 圭 (9位) | 2 | 6 | 7 | |
[13] フアン・マルティン・デルポトロ (32位) | 0 | 4 | 5 | |
試合時間:1時間49分 |
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雨の影響もあり試合開始が予定より5時間程遅れ、試合が始まったのは現地時間の深夜0時10分頃。
第1セットはデルポトロ選手がメディカルタイムアウトを取って首の辺りのマッサージを受けるなど調子が上がって来ない中、錦織選手がまったく隙のないテニスを見せて第1セットを先取。
第2セットも錦織選手が先にブレイクに成功するなど主導権を握って試合を進めます。
しかし、調子が戻ってきたデルポトロ選手が攻撃を仕掛けるようになると、流れがデルポトロ選手に行ってセットポイントを握るところまで行きましたが、錦織選手も粘りを見せデルポトロ選手の攻撃を跳ね返してストレートで勝利。
2回戦に続き遅くまでの試合となり、試合が終わったのが現地時間の深夜2時でした。
初戦(2回戦)ではミスが多かった錦織選手でしたが、3回戦に向けてしっかりと修正し、強敵のデルポトロ選手に対して最後まですばらしいプレーを見せてくれました。
今シーズンの錦織選手は思うように結果も出ずもやもやした状態が続いていますが、デルポトロ選手相手にストレートで勝ち切れたこの試合が転機になってくれたらなと思います。
そして、準々決勝までの時間が短くリカバリは大変だと思いますが、3回戦で見せたようなすばらしいプレーをまた見せてくれたらなと思います。
錦織 | 試合全体 | デルポトロ |
4 | サービスエース | 7 |
4 | ダブルフォルト | 2 |
56%(33/59) | ファーストサーブ確率 | 55%(43/78) |
88%(29/33) | 1st Serve Points Won | 67%(29/43) |
58%(15/26) | 2nd Serve Points Won | 51%(18/35) |
30%(3/10) | ブレイク / チャンス | 25%(1/4) |
6/6 | ネットポイント | 2/5 |
55%(75/137) | Total Points Won | 45%(62/137) |
26 | Winner 合計 | 13 |
12 | フォアハンド | 1 |
8 | バックハンド | 5 |
6 | サーブ | 7 |
12 | Unforced error 合計 | 20 |
1 | フォアハンド | 9 |
7 | バックハンド | 9 |
4 | サーブ | 2 |
[スタッツ用語の補足]
・1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
・Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
セットごとに試合を振り返っていきます。(振り返りでは「選手」は略)
第1セット
デルポトロのサービスで試合開始。
第1ゲーム、デルポトロがキープ。
第2ゲーム、錦織のフォアハンドの連続でのウィナー、サービスエース2本で錦織がラブゲームでキープ。
第3ゲーム、デルポトロがキープ。
第4ゲーム、錦織がラブゲームでキープ。
第5ゲーム、デルポトロにミスが出るなど30-40と錦織にブレイクチャンスが来ると、デルポトロのボレーがネットにかかり、錦織がブレイクに成功。
第5ゲームが終わった後、デルポトロがメディカルタイムアウトを取り、トレーナーを呼んで首の辺りのマッサージを受けます。
第6ゲーム、15-30とデルポトロがポイントを先行しますが、錦織が3連続でポイントを取ってキープ。
第7ゲーム、30-30まで行きましたが、デルポトロがキープ。
第8ゲーム、錦織のサービスエース、フリーポイント、フォアハンドのウィナーなどがあり、錦織が危なげなくキープ。
第9ゲーム、40-15とデルポトロがゲームポイントを握ったところからデュースまで行きますが、デルポトロがキープ。
第10ゲーム、錦織のサービングフォーザセット。
錦織のサーブからのすばらしい組み立てもあり、40-15と錦織にセットポイントが来ると、ロングラリーから錦織のフォアハンドのクロスへのウィナーが決まって、錦織が第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
デルポトロ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
錦織のファーストサーブが入った時のポイント取得率が100%、サービスゲームで失ったのが4ポイントのみと、サーブのプレースメントとサーブからの組み立てが非常に良かったです。
第1セットではデルポトロは首の違和感からか簡単にミスが出るなど本来のデキではありませんでしたが、錦織はストロークのミスもほとんどなくウィナーを量産するなど、まったく隙のない試合運びでした。
錦織 | 第1セット | デルポトロ |
4 | サービスエース | 2 |
1 | ダブルフォルト | 2 |
58%(14/24) | ファーストサーブ確率 | 48%(16/33) |
100%(14/14) | 1st Serve Points Won | 81%(13/16) |
60%(6/10) | 2nd Serve Points Won | 41%(7/17) |
100%(1/1) | ブレイク / チャンス | 0%(0/0) |
3/3 | ネットポイント | 1/2 |
58%(33/57) | Total Points Won | 42%(24/57) |
15 | Winner 合計 | 4 |
8 | フォアハンド | 1 |
2 | バックハンド | 1 |
5 | サーブ | 2 |
4 | Unforced error 合計 | 9 |
0 | フォアハンド | 3 |
3 | バックハンド | 4 |
1 | サーブ | 2 |
第2セット
デルポトロのサービスで第2セット開始。
第1ゲーム、15-30と錦織がポイントを先行すると、錦織がリターンから積極的に攻め、ロングラリーからフォアハンドのウィナーを決めて15-40と錦織にブレイクチャンスが来ます。
デルポトロもストロークで粘りを見せ、ピンチを凌いでデュースへ。
デュースに入ってから錦織にこのゲーム4回目のブレイクポイントが来ると、ストローク勝負で打ち勝った錦織がブレイクに成功。
第2ゲーム、錦織がサーブだけで簡単にポイントを取っていき、錦織が危なげなくキープ。
第3ゲーム、ストローク勝負になるとデルポトロが先にミスをする展開となり、15-40と錦織にブレイクチャンスが来ますが、デルポトロがサービスエースを決めるなどピンチを凌いでデュースへ。
デュースに入ってからも錦織が2回ブレイクポイントを握りましたが、デルポトロがピンチを凌いで何とかキープ。
第4ゲーム、30-0から錦織のダブルフォルトこそありましたが、錦織がすばらしいプレーを見せてキープ。
第5ゲーム、デルポトロがラブゲームでキープ。
第6ゲーム、15-0から錦織のダブルフォルトがありましたが、錦織のすばらしいバックハンドのダウンザラインへのウィナー、バックハンドのクロスへの角度のあるショットからのボレーを決めるなど、錦織が危なげなくキープ。
第7ゲーム、デルポトロがあっさりとキープ。
第8ゲーム、錦織のダブルフォルト、デルポトロの粘りのあるプレーがあり、30-40とデルポトロにブレイクチャンスが来ます。
最後は錦織のバックハンドのクロスへのショットがアウトとなり、デルポトロがブレイクバックに成功。
第9ゲーム、デルポトロがラブゲームでキープ。
第10ゲーム、デルポトロの深い強烈なフォアハンドのショット、錦織のミスなどがあり、15-30とデルポトロがポイントを先行します。
そして、この試合初めて見せたデルポトロのバックハンドのダウンザラインへのショットで錦織を崩してからのフォアハンドの逆クロスへのショットが決まり、15-40とデルポトロにセットポイント(ブレイクチャンス)が来ます。
ギアを上げてきたデルポトロに流れが行く中、錦織がこのピンチを凌いでデュースへ。
デュースになってからもデルポトロにブレイクチャンスがありましたが、錦織が何とかキープ。
第11ゲーム、錦織の2本のすばらしいパッシングショット、デルポトロの強烈なショットからのドロップショットなどがありデュースへ。
デルポトロのフォアハンドのショットがアウトとなり、錦織にブレイクチャンスが来ます。
錦織がしっかりとリターンを返してデルポトロのミスを誘い、錦織がブレイクに成功。
第12ゲーム、錦織のサービングフォーザマッチ。
3連続でフリーポイントを取り40-0と錦織にマッチポイントが来ると、錦織のバックハンドのダウンザラインへショットがコーナーギリギリに決まって、錦織が勝利。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | 7 | |||||
デルポトロ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | 5 | |||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第1セットに続いて錦織が主導権を握って試合を進めますが、デルポトロもフォアハンドの強烈なショットが深く入るようになり、バックハンドもスライスだけではなく両手打ちを混ぜて攻めに転じてくるなどデルポトロのプレーレベルも上がってきました。
そして、第8ゲームでデルポトロにブレイクバックを許し、第10ゲームではセットポイントを握られるなどデルポトロの攻めに崩されかけましたが、ここからの錦織の踏ん張りとその後に来たワンチャンスをしっかりとブレイクして勝ち切る勝負強さがすばらしかったです。
そして、第2セットでのデルポトロのフォアハンドのウィナーが0本。
錦織がデルポトロのバック側に上手くボールを集めてデルポトロのフォアハンドを封じ込めてはいましたが、デルポトロの強烈なフォアハンドに対しても打ち負けない錦織のストロークとフットワークもすばらしかったです。
錦織 | 第2セット | デルポトロ |
0 | サービスエース | 5 |
3 | ダブルフォルト | 0 |
54%(19/35) | ファーストサーブ確率 | 60%(27/45) |
79%(15/19) | 1st Serve Points Won | 59%(16/27) |
56%(9/16) | 2nd Serve Points Won | 61%(11/18) |
22%(2/9) | ブレイク / チャンス | 25%(1/4) |
3/3 | ネットポイント | 1/3 |
53%(42/80) | Total Points Won | 48%(38/80) |
11 | Winner 合計 | 9 |
4 | フォアハンド | 0 |
6 | バックハンド | 4 |
1 | サーブ | 5 |
8 | Unforced error 合計 | 11 |
1 | フォアハンド | 6 |
4 | バックハンド | 5 |
3 | サーブ | 0 |
錦織の準々決勝の対戦相手は!?
錦織選手の準々決勝の対戦相手は、世界ランキング225位のトミー・ポール選手(20歳・アメリカ)。
過去に対戦はなく、初対戦となります。
ポール選手は2回戦で第7シードのリュカ・プイユ選手、3回戦で第11シードのジレ・ミュラー選手を破って勢いがありますが、3回戦で見せたような錦織選手の安定感抜群のストロークであればしっかりと対応してくれるのではないかと思います。
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