錦織選手の全豪オープン3回戦のプレイヤー情報、試合結果とスタッツを見ていきます。
最後に4回戦の対戦相手についても紹介します。
プレイヤー情報(3回戦)
まずは、対戦両者のプレイヤーデータの紹介です。(※大会前のデータ)
ストローク勝負になる展開が予想されますが、ストレートで勝つか、もつれる展開になるかは錦織選手のストロークの調子次第だと思います。
後は2回戦で反省点として挙げていた、サービスゲームでブレイクされる回数(ブレイクポイントを握られる回数)を減らしていきたいです。
錦織 圭 | ラツコ | |
2勝 | 対戦成績 | 0勝 |
5位(4位) | 最新ランキング(最高) | 121位(44位) |
日本 | 国籍 | スロバキア |
27歳 | 年齢 | 29歳 |
178cm / 75kg | 身長 / 体重 | 185cm / 85kg |
右 / 両手 | 利き手 / バック | 右 / 両手 |
2007年 | プロ転向 | 2005年 |
3勝1敗 | 2017年成績 | 0勝0敗 |
0回 | 2017年優勝回数 | 0回 |
304勝143敗 | 通算成績 | 78勝118敗 |
11回 | 通算優勝回数 | 0回 |
ラツコ選手の詳しい情報、錦織選手との対戦成績については、選手名鑑『ルカシュ・ラツコ』をご覧ください。
錦織、3回戦の結果
[5] 錦織 圭(5位) | 3 | 6 | 6 | 6 | ||
ルカシュ・ラツコ(121位) | 0 | 4 | 4 | 4 | ||
試合時間:2時間11分 |
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安定したサービスゲームを見せ、ストローク勝負で主導権を握り続けた錦織選手が、セットカウント3-0のストレートで勝利。
試合前の予想通りストローク戦になりましたが、終始、主導権を握って試合を運んでいたのは錦織選手。
ラツコ選手も粘りのあるストロークで勝機を見出そうとしましたが、錦織選手の広いコートカバーリングでウィナー級のショットも返球するなど、ラリーでポイントを取るのに苦労していました。
錦織選手がブレイクをされたのは1回(ブレイクチャンスは2回)。安定したサービスゲームがストロークでもいい流れを呼び込んで、危なげなく勝ち上がり4回戦へ。
4回戦の対戦相手については、最後に紹介します。
それでは、今日の試合のスタッツを見てみます。
ファーストサーブが入った時のポイント取得率が83%と、1回戦(68%)と2回戦(69%)から大きく改善され、安定したサービスゲームにつながっていました。
セカンドサーブの取得率も67%と非常に高いです。
ファーストサーブのワイドへのスライスサーブや、センターへのフラットサーブなどラツコ選手に的を絞らせない打ち分けが良かったと思います。
ストローク勝負では、1試合通してアンフォーストエラーがたった3本と安定感抜群だったバックハンドと、21本のウィナーを取ったフォアハンド(攻めた分ミスも出ています)で、錦織選手が終始主導権を握っていました。
錦織 | 試合全体 | ラツコ |
5 | サービスエース | 12 |
3 | ダブルフォルト | 1 |
46/76 (61%) | ファーストサーブ確率 | 60/106 (57%) |
38/46 (83%) | 1st Serve Points Won | 46/60 (77%) |
20/30 (67%) | 2nd Serve Points Won | 15/46 (33%) |
4/9 (44%) | ブレイク / チャンス | 1/2 (50%) |
10/12 (83%) | Net Points Won | 4/9 (44%) |
46 | Winners | 26 |
32 | Unforced Errors | 24 |
103 | Total Points Won | 79 |
1360.2m | Distance Covered | 1400.3m |
[スタッツ用語の補足]
1st Serve Points Won:ファーストサーブが入った時にポイントを取得した確率。
2nd Serve Points Won:セカンドサーブが入った時にポイントを取得した確率。
Net Points Won:ネットに出てポイントを取得した数/ネットに出た数。
Winners:相手がボールに触れずに決まったポイントの数(ここではサービスエースも含む)。
Unforced Errors:普通なら容易に返せる相手のショット(サーブ)に対して、ミスをした数。
Total Points Won:自分が取得した全ポイント。
Distance Covered(m):選手の走行距離(単位はメートル)。
セットごとに、スタッツをピックアップしながら振り返っていきます。
第1セット
第6ゲームまではお互いキープの展開。
ただ、第3ゲームのラツコ選手のサービスゲームで、0-40と3本のブレイクチャンスがありました。ここをブレイクできていたらラツコ選手に落ち着く間を与えず、第1セットをもっと早く終わらせることができたかもしれません。
第7ゲームにゲームが動き、錦織選手がブレイク。
ブレイク直後の大事なサービスゲームで、ドロップショットやネットプレーが決まるなど、ラブゲームでキープ。
このまま試合が進み、ゲームカウント6-4で錦織選手が第1セットを先取。
第1セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
ラツコ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
ブレイクチャンス0回と完璧だった錦織選手のサービスゲーム。
錦織選手の第1セットのすべてのサービスゲームを見ると、ポイントを2つ以上取られたゲームがなく、ラツコ選手はノーチャンスでした。
ラツコ選手もファーストサーブが入った時はポイントにつながっていますが、セカンドサーブになったときに錦織選手の攻撃に耐えられず、ポイントが取れません。
ラツコ選手のセカンドサーブからストローク勝負になると、ラツコ選手がポイントを取る手段が見つからない、そんな状態でした。
錦織 | 第1セット | ラツコ |
16/23 (70%) | ファーストサーブ確率 | 18/31 (58%) |
14/16 (88%) | 1st Serve Points Won | 15/18 (83%) |
6/7 (86%) | 2nd Serve Points Won | 4/13 (31%) |
1/4 (25%) | ブレイク / チャンス | 0/0 (0%) |
13 | Winners | 9 |
10 | Unforced Errors | 11 |
第2セット
ラツコ選手のサービスゲームで始まります。
第1セットの流れのまま、錦織選手がいきなりブレイクに成功。
ここで一気に畳み掛けるというところで、雨が降ってきて一時中断。
この中断で流れがどうなるかと心配もありましたが、今日の錦織選手には関係ありませんでした。
再開直後のサービスゲームをあっさりキープすると、次のラツコ選手のサービスゲームをブレイク。ウィナー級のショットをことごとく返す錦織選手。ボールへの反応や動きも軽快でした。
第7ゲームまで終わって、ゲームカウント5-2。ここまで完璧だった錦織選手のサービスゲームでしたが、ブレイクを許します。
最初のポイントでいきなりダブルフォルト。その後もミスが出るなど、この試合で唯一隙を見せたゲームでした。
1試合通してのブレイク1回(ブレイクチャンス2回)は、このゲームで出たものです。
その後はお互いキープで、第2セットも錦織選手が取ります。
第2セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
ラツコ | ○ | ○ | ● | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第2セットも第8ゲームにブレイクを許すまでは、錦織選手のサービスゲームで2ポイント以上取られるゲームはありませんでした。
ダブルフォルトというゲームの入り方が悪すぎたことも、その後のプレーに影響してしまったのかもしれません。
第2セットもラツコ選手は、セカンドサーブでポイントがまったく取れませんでした。
錦織選手のコートカバーリングがいいこともあって、ラツコ選手はストローク勝負で決め手がなく、錦織選手にフォアハンドでミスをしてもらうしかポイントを取る手段が見つからないという感じでした。
第2セットの錦織選手のバックハンドのアンフォーストエラーは1本。
錦織 | 第2セット | ラツコ |
16/26 (62%) | ファーストサーブ確率 | 21/38 (55%) |
12/16 (75%) | 1st Serve Points Won | 17/21 (81%) |
6/10 (60%) | 2nd Serve Points Won | 3/17 (18%) |
2/3 (67%) | ブレイク / チャンス | 1/2 (50%) |
17 | Winners | 6 |
15 | Unforced Errors | 8 |
第3セット
お互いキープで試合が進んで迎えた第5ゲーム。
ラツコ選手のサービスゲームで錦織選手がブレイクチャンスを握り、セカンドサーブをフォアハンドに回りこんで逆クロスへ。このショットがリターンエースとなり、錦織選手が吠えます!
第3セットはラツコ選手にブレイクチャンスを1度も与えず、セットカウント3-0で錦織選手の勝利。
第3セット | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
錦織 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | – | – | 6 | ||||
ラツコ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | 4 | ||||||
○:サービスキープ、●:相手のサービスゲームをブレイク |
第3セットでのバックハンドのアンフォーストエラーは0本。
今日は1試合通して、バックハンドの安定感は抜群でした。
ダウンザラインやウィナーを取りに行くクロスへの鋭いショットも非常に良かったです。
錦織 | 第3セット | ラツコ |
14/27 (52%) | ファーストサーブ確率 | 21/37 (57%) |
12/14 (86%) | 1st Serve Points Won | 14/21 (67%) |
8/13 (62%) | 2nd Serve Points Won | 8/16 (50%) |
1/2 (50%) | ブレイク / チャンス | 0/0 (0%) |
16 | Winners | 11 |
7 | Unforced Errors | 5 |
3回戦を振り返っての感想
3回戦「錦織 vs ラツコ」のハイライト動画です。
ラツコ選手は予選から勝ち上がり、これで6試合目。ストレートで負けはしましたが、錦織選手とすばらしいストローク戦を見せてくれました。
想像していたよりラツコ選手のファーストサーブが良く、ワイドへのスライスサーブやセンターへのフラットサーブなど、サービスエース12本を含め上手くポイントにつながっていました。
ただ、ストローク勝負になるとこれといった武器がなく、ストロークに滅法強い錦織選手相手では分が悪かったです。
そして、すばらしい内容を見せてくれた錦織選手。
2回戦、3回戦と試合を重ねるごとに確実に調子を上げて来ています。
2回戦でのブレイクをされすぎた反省点をしっかり修正し、3回戦はブレイク1回(ブレイクチャンス2回)と非常にサービスゲームが安定していました。
相手のサーブ、ストロークに対する反応の良さ、それとコートカバーリングもよく、ラツコ選手に相当プレッシャーを与えていたと思います。
セットごとの振り返りでも書きましたが、バックハンドの安定感は抜群でした。その分、フォアハンドでアンフォーストエラーが目立ったかもしれません。
回りこんでのフォアハンドは、ダウンザラインや逆クロスへと決まっていましたが、センター付近から打つフォアハンドでちょっとミスしているかなと思います。
ウィナーを取りに行ってミスになった分はもったいないところではありますが、しっかりとフォアハンドでウィナーも取れていたので、ちょっとしたタイミングのズレという感じではないでしょうか。
次の4回戦の対戦相手は!?
錦織選手の4回戦の対戦相手は、世界ランキング17位のロジャー・フェデラー選手(スイス)に決まりました。
実力、実績は言うまでもなく、去年怪我をしていなければ本来4回戦で対戦する選手ではありません。
フェデラー選手の詳しい情報、錦織選手との対戦成績については、選手名鑑『ロジャー・フェデラー』をご覧ください。
フェデラー選手とはグランドスラムでは初対戦になります。
過去の対戦成績は、錦織選手の2勝4敗。最後に対戦したのは、2015年のATPワールドツアー・ファイナルズで、セットカウント1-2で負けています。
お互いのプレイヤー情報や試合展開など4回戦の展望について、『【全豪オープン】4回戦「錦織vsフェデラー」の展望(2017年)』で紹介しています。
4回戦の結果がどうなるか分かりませんが、どんな試合展開になるのかほんと楽しみです。
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